「がん特集 ~がんとはなんであるのか~」 | ナースの今看る(全てのナースが知っておくべき転職サイト)

ナースの今看る(全てのナースが知っておくべき転職サイト)

看護師とは崇高な仕事です。
つらい人間関係であなたが我慢する必要は一つもありません。
転職とは逃げ道ではありません。
あなたを大切にし、がんばるあなたを求めている職場があります。
一度ご相談ください。私が全責任をもって就職までサポートいたします。

過去数十年にわたって私たちは、医療関係者であろうとなかろうと、健康と体について間違った見方をしてきた。すなわち、体が非常に複雑なシステムであることを忘れて、健康・不健康のただ一つの原因、たとえば遺伝子の変異や欠損、細菌、血圧、血糖値の異常などを見つけようとしてきたのである。このような近視眼的な見方は、私たちを道に迷わせたばかりか、医師たちは、学位を取るときに暗唱したはずの「何よりも、害を成すなかれ」というヒポクラテスの誓いを破るようになった。

 医学における偉大な発見のほとんどは、この60年の間に起きた。1928年にペニシリンが発見され、感染症との戦いは一変した。その後、私たちの寿命は、数年から数十年延びたが、それは喫煙の減少、食事内容の改善、診断と医療技術の進歩、的を絞った治療、コレステロール降下剤をはじめとする薬の進歩など、さまざまな理由によるものだ。

 米国において、心血管疾患は1921年以来、死因のトップであり、脳卒中は、1938年以降、3番目の死因となっている。これらの血管の疾患は、死因のおよそ40パーセントを占める。しかし、1950年以降、心疾患による年齢調整死亡率は6070パーセント低下しており、それは20世紀の公衆衛生の偉業の一つに数えられている。

 しかし、このような勝利の傍らに、厄介な事実が横たわっている。がんによる死亡率は、1950年から2007年まで、ほとんど変わっていないのだ。他の慢性疾患に関しては目覚ましい進歩があったが、がんに関しては、ほとんど進歩がないのである。とは言え、特定のがんについて、多少の前進はあった。

 たとえば、慢性骨髄性白血病は、まれなタイプの白血病で、以前は、骨髄を移植できた少数の人を除けば、発症は死の宣告に等しかった。しかし、20015月、グリベック(メシル酸イマチニブの商品名)がFDA(米国食品医薬局品)の認可を受け(同月、それはがん治療の「特効薬」としてタイム紙の表紙を飾った)、患者の大半を回復させる見込みが出てきた。グリベックは、この病気に見られる特定の染色体の転座(9番染色体の一部と22番染色体の一部が融合する)を標的とする。臨床試験における奏効率(がんが縮小したり消滅したりする患者の割合)は、90パーセントを超えた。ほとんど副作用のないこの薬のおかげで、死の床にあった人々が、普通の生活に戻ることができたのだ。しかし、情けないことに、それ以外の肺、結腸、胸、前立腺、脳などを蝕む、より一般的ながんの死亡率は、この数十年、ほとんど変化がない。

 私が聴衆に図表1の「米国における死因の比率の変化」を見せると、いつも、何人かがあぜんとして息を飲むのがわかる。これはどういうことだ? 調査が間違えているのか? データが間違っているのだろうか? 2009年の「TED MEDトーク」で、他の37枚のスライドとともに掲示したところ、この図に関して数百通の電子メールが届いた。その多くは攻撃的なもので、私が悲観主義者であり、データを操作したのではないかと非難していた。私としても、もっと良いニュースをお知らせしたかったのだが。




ナースの今看る(全てのナースが知っておくべき転職サイト)



 心血管疾患や脳卒中は、スタチン(コレステロール降下剤)のおかげで死亡率が大いに下がった。肺炎や感染症も、抗生物質や抗ウイルス剤が目覚ましい効果を上げている。しかし、がんに関して効果的な治療法や薬は見つかっていない。世界規模で見ると、さらに驚くような事実に気づかされる。エイズなど、途上国にありがちな病気による死を連想しがちなサハラ以南の国々でさえ、HIV、結核、マラリアで亡くなる人の総計より、がんで亡くなる人のほうが多いのだ。2010年には、慢性疾患が世界全体の死因のトップになった。したがって、この問題は、米国だけのものではない。全世界に大きな影響を及ぼしているのである。

 ところで、抗生物質や抗ウイルス剤は人間を標的にしているのではなく、外部から侵入する生物を狙っている。一方、スタチンは、人間のシステムを標的とするが、ある特定の場所や経路を変えてコレステロールを低下させるわけではない。それらはシステム全体に影響し、炎症を抑え、体内環境を丸ごと変えているのだ。ワクチンも体のシステムを標的とし、より巧妙な手段を採っている。外部の生物が侵入したかのような状況を作って、免疫システムを活性化させているのである。

 がんの最も油断ならないところは、私たちの細胞を狂わせて自己増殖することだ。外から病原菌や微生物が侵入したわけではない。がんは、すべての人の中で静かに眠っている巨人のようなものなのだ。ときどき、少しの間、目を覚まし、腫瘍と呼ばれる異常な細胞を作るが、たいていは、じきに人体の巧妙な兵器によっておとなしくさせられ、再び眠りに落ちる。しかし、時としてこの巨人が、門番の監視をすり抜けることがある。人体の防御メカニズムのどこかが壊れて、チェックや調整ができなくなり、腫瘍が成長し始めるのだ。確かにがんは、他の病気、特に外からの侵入者がもたらす病気に比べると治療が難しい。だが、そうだとしても、その理解と戦いにおいて、私たちが一向に前進できていないというのはどういうわけだろう。

 2009年、デンバーで開催された米国がん学会の会議で、私は数千人の医師や研究者を前にして、「私たちは、間違っていました」とはっきり言った。「細部に気を取られ、限られたテーマばかり追ううちに、私も含め、がんの研究者は皆、道を間違えてしまったのです。一歩下がって、否、25000フィートの高度から、この病気を眺めてみましょう」と私は続け、さらにその部屋の空気を乱す言葉を発した。「がんをコントロールするのに、がんを理解する必要はありません」と。聴衆のざわめきには明らかな非難が感じられたが、私は医師として、社会の一員として、私たちがどこで道に迷ったかをはっきりさせておく必要があった。それがわかれば、元の道に戻ることもできるからだ。加えて、自分の発言の根拠を述べる必要があったし、未来の希望につながるものをいくらかは提示しなければならないとわかっていた。そこで、私たちがある種の考え方になじんできたこと、その考え方のルーツは、はるか昔の発見にあることを語り始めた。(ジエンド・オブ・イルミネスより抜粋)

 今回は
デイビッド・B・エイガス氏が書いた「ジエンド・オブ・イルネス」より抜粋した記事を掲載させて頂きました。




がんとはなんであるのか?ヒポクラテスががん細胞をはじめに発見し、蟹の意からkarkinos( カルキノス)と名づけた。その後、1911年ペイトン・ラウスによりがん発生させるウイルスが発見され、その後の研究により細胞を癌化に導く遺伝子が存在することが判明した。




人間とがんとの歴史はヒポクラテスが発見してから現代に至るまで長い歳月が経過しているが、その治療法は確立さていない。今後の医療・科学の進化によって癌は治る病気となるのか。がんとはなんであるのかを「ジエンド・オブ・イルネス」より抜粋した記事を参考に考えていきたい。


ほとんど看護師が参考になった人気No1記事!転職エージェントの選び方