導かれる答え | 防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

防浪堤は壊れても ~たろうの海から~

「防浪提に抱かれて磯の香りも生き生きと」
田老一小校歌の歌い出しです
津波が来ても二重の防浪提が守ってくれると思っていました
津波はその防浪提までも破壊して、ふるさとを壊滅さた
それでも、やっぱり海は麗しいし、川は清い

 田老にはふ化場が三箇所あるんですが

 サケの遡上があまりにも少なすぎて

 このままだと一箇所のふ化場も埋まらない状況です

 

 記録的な不漁といわれた去年

 今年はさすがに去年より少ないって事はないだろう

 と思っていましたが

 去年を更に下回る不漁です

 

 サケの不漁の要因は色々言われておりまして

 温暖化

 あまりにも漠然としていて、具体的に何がどう影響してるのか????

 海水温の上昇

 サケは海水温が13℃を越えると、北へ回遊できなくなるというように言われてましたけれども、14℃になったらサケは突然運動停止してしまうのか?23℃でも元気にエサを食べる姿を実際見てるので、1℃や2℃の海水温上昇で大規模な影響が出るとは私には思えないのですが

 鳥の食害

 カワウをはじめとした鳥の食害は確かにあると思うんですが、これほど壊滅的な影響を及ぼすとはちょっと考えにくいかと

 クジラの食害

 クジラが増えてしまって、サケを大量に食べている。これはちょっと解りません

 外国で獲られてる

 これも実情が解らないのでなんとも

 ただ、北海道の一部では豊漁の所があったり、去年、日本海側では豊漁だったことを考えると、全体的な問題じゃなくて、北海道・東北の太平洋沿岸の問題なんでしょう

 

 今年、早い時期はそこそこ川に遡上があったのですが、これからが最盛期、急激に来遊数が増える時期になって逆に急降下

 なんで?

 

 色んな要素に当てはまる事が一つ

 サバ

 

 これまで三陸沖にサバが姿を現していたのは7月以降でした

 ところが、平成30年以降は4月の中旬からサバの水揚げがあります

 

 サケの稚魚は海に降りたらビューッと北に泳いで行くわけではなくて

 しばらくの間、沿岸域で暮らしてから北に向かいといわれています

 サケが沿岸にいる間、サバの大群が来たら

 

 サケの稚魚に壊滅的な影響が出るでしょう

 

 サケの稚魚は3月ぐらいから放流が始まるんです

 早い時期に放流された稚魚の親は早い時期に川に遡上したものです

 

 早い時期に放流された稚魚はある程度回帰してるのに

 4月の中旬以降に放流された稚魚はほとんど回帰してこない

 

 

 4月の中旬以降、海へと下ったサケ稚魚が目にしたものは

 腹を空かせた、泳ぐのがものすごく速いサバの大群

 それまで人に守られて、天敵も知らず

 餌をたらふく与えられて、空腹も知らず

 それが、突然遊泳力では絶対に敵わない捕食者に囲まれるんですからね

 絶望的な光景ですよね

 

 日本海にはそれほどサバはいないようです

 

 春先、サバがサケの稚魚を大量に補食している

 そう考えると色々つじつまが合ってくるんですね

 

 もし、それが答えだとすれば、12月以降サケは来ない

 

 そうでないことをただただ祈るのみです

 

 

 春先のサバが少なからず影響を与えているのだとすれば

 サバが来遊してくる前に北上していけるように3月中に放流を終わらせる体制を作らなくてはなりません

 

 そうなると、ずっと育てて産卵調整する必要があるかも

 

 いずれにせよ、これから数年間が岩手のサケ資源の正念場でしょう