A Challenge To Fate

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【異端ジャズ・ライヴレポート】ロスコー・ミッチェルとキカンジュ・バク、ロンドン・コンテンポラリー・ミュージック・フェスティバルで7年ぶりに共演。

2022年07月01日 00時55分01秒 | 素晴らしき変態音楽


ロンドン・コンテンポラリー・ミュージック・フェスティバル(LCMF):疲労と狂乱(Exhausted and Hysterical)~最も博識なフリー・インプロヴィゼーション
2022年6月18日(土) Fireworks Factory at Woolwich Works, London

「首都圏で最も冒険的で野心的なニューミュージック・フェスティバル」(ガーディアン紙)、「ロンドンの最重要フェスティバル」(ザ・ワイヤー)と評されるロンドン・コンテンポラリー・ミュージック・フェスティバル(LCMF)は、気紛れな音楽愛好家のためのホームを提供するために2013年に設立された。現在、作家・キュレーターのイゴール・トロニイ=ラリックと作曲家・指揮者のジャック・シーンによって運営されている。

LCMF 2022は「THE BIG SAD(大いなる悲しみ)」をテーマに、6月15~19日の5日間にわたり、ロンドンのウールウィッチ・ワークス内の会場ファイアーワークス・ファクトリ―にて開催された。6月18日(土)にはアート・アンサンブル・オブ・シカゴの創立メンバーであり、フリー・ジャズ/フリー・ミュージックのオリジネーターであるサックス奏者のロスコー・ミッチェルが出演しロンドン・アンダーグラウンド・シーンで暗躍する覆面ドラマー、キカンジュ・バクと共演した。ロスコーとキカンジュの共演は、2015年ニューヨークでのVision Festival 20以来7年ぶり。

ロスコー・ミッチェル&キカンジュ・バクのデュオの他に、ジャック・シーン指揮LCMFオーケストラ、ケリス・ヴァン・エヴァンス、プロデューサーのNo Homeなどがパフォーマンス、また日本人映像作家Stom Sogoの短編映画の上映も行われた。


ロスコー・ミッチェル Roscoe Mitchell、LCMF2022にて(撮影:Dawid Laskowski)

米国のサックス奏者ロスコー・ミッチェルの耳は、西洋文化の経験を超えた音階・調弦・マントラに対して永遠に開かれている。アート・アンサンブル・オブ・シカゴでの先駆的な活動で知られるミッチェルは、ロンドン・コンテンポラリー・ミュージック・フェスティバルで、最も博識で鋭利なフリー・インプロヴィゼーションを披露し、刺激的な一夜を締めくくった。この夜、ミッチェルはサクソフォンとの対話に没頭し、音楽を内なる議論により進化させた。ここにはポストミニマリストがパターンを数えるような小難しさはない。一音一音に込められた思いの丈は、即興で描かれたマインドマップを思いもよらない角度から見ることになり、抽象的で生々しく、ファンキーなインヴェンションとなった。会場の後方から突然現れたパーカッショニスト、キカンジュ・バクはハンドパーカッションでリズムを刻みながら客席を歩き回り、ドラムセットに向かった。当初、ミッチェルはこのような試練を自制して眺めていた。バクのブラストビートは、孤立した叫び声と馨しいスタッカートとなって響き渡り、やがてミッチェルが流れを変えようと空間に音を溢れ出させた。(ガーディアン紙より)


リズムの爆発・・・パーカッショニスト、キカンジュ・バク Kikanju Baku(右)とロスコー・ミッチェル Roscoe Mitchell(撮影:Dawid Laskowski)

先週の土曜日、ロスコーと一緒に出演したウールウィッチ・ワークスの花火工場での大いなる悲しみ~疲労と狂乱は最高だった。火炎放射器とガンマ砲を再度持ち出して、重力を逆転させるアンバランスな星間旅行のために、二人の超自然的なパンデモニウム志向を復活させることができたんだ・・・スタッフもみんな本当にクールだったね。来週は次のスタジオ・アルバムのレコーディングもあるから、絆創膏を大量に買い込んでおこう。他にもサプライズがあるからね。(Kikanju Baku gakishidoshaより)

Roscoe Mitchell & Kikanju Baku - Revenge of Ragged, Red-Billed Tengu / ボロボロ赤天狗の復讐


Roscoe Mitchell & Kikanju Baku - Variegations & Vicissitudes … at/on Vulcan Velocity:


現代の
音楽祭りの
赤天狗


怒れるオンボロ赤天狗、キカンジュ・バク。(撮影:Dawid Laskowski)
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