褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 真昼の暴動(1947) 刑務所脱出劇です

2022年05月02日 | 映画(ま行)
 刑務所脱出劇をテーマにした映画は今までも多々あるが、迫力を最も感じさせるのが今回紹介する真昼の暴動。だいたい脱出映画と言えば囚人側が頭を使って巧みに抜け出そうとするものだが、本作の脱出劇は少々の頭は使うのだが、殆どが力技。堂々と火炎瓶を投げたり、車で扉に突撃したり、殆どの囚人が機関銃の餌食になってしまう。
 本作の見所の一つが看守長の極悪っぷり。権力欲にまみれ、囚人を脅して脱獄と引き換えにスパイをさせたり、他の看守も目や耳を塞ぐほどの暴力制裁。この看守長が背の低いヒューム・クローニンが演じるのだが、名演技のおかげで、ひじょうにムカつかせる。そして、獄房に放り込まれている5、6人の連中がいるのだが、こいつらの捕まった経緯を説明されたりするのだが、これが少し気の毒で泣かせる。看守長の横暴や囚人達のシャバへの熱い想いが、成功しようがしまいがシャバの世界へと向かわせる、熱い刑務所脱獄劇だ。

 さて、アメリカで繰り返させる脱獄に対する皮肉を最後に交えた見所満載のストーリーの紹介を
 ウエストゲート刑務所において、コリンズ(バート・ランカスター)が独房から戻ってくるのを、彼らの仲間である囚人達が獄中の窓から見ている。戻ってきたコリンズは皆にこんな刑務所にいてると一生を過ごさないといけないと諭し、みんなで脱獄しようと提案する。コリンズには早く脱獄しなければいけない理由があるのだが、なぜか脱獄計画が看守長のマージン(ヒューム・クローニン)にバレバレ。次々と囚人の中にマージンに脅迫を受けて脱獄計画に対するスパイになってしまう人間がでてくるのだ。
 しかし、コリンズは脱獄を急ぐ。マージンが更に出世するともう刑務所からは出られない。コリンズはある計画を立てて脱獄計画を実行しようとするのだが、やはりマージンに脅迫されてスパイになった者の存在に気付くのだが・・・

 ヒューム・クローニン演じる看守長が前述したがすごい卑怯者。囚人の中にはスパイ活動をマージンから頼まれたら最悪。断って仲間を裏切ろうとするとマージンの鉄拳が下されるし、囚人仲間からバレると囚人達から殺される。囚人の中にはマージンからスパイになるように命令され自殺したしまう者まででてくる始末。あまりにものマージン看守長のクズさに、囚人に同情してしまった。しかも、囚人達は獄中の中に貼っている女性の書かれた絵を見て、昔の彼女や嫁などを常に想い、生きる糧にしているのが泣ける。この囚人達の中には愛した女性のために刑務所に入れられてしまったものも居るのだ。
 囚人に哀れさを感じさせるほど看守長の行いが非道なのだが、最後の脱出劇がなかなかの迫力を見せる。古い時代の映画だから本物の炎が燃えているし、機関銃を浴びせられる多くの囚人が倒れていくシーンなど凄さを感じる。囚人達を慰め、マージン看守長のやり方を苦々しく感じている医者の存在も良い。そして、意外に結構短いシーンだが美女がちょっとばかり出てくるのもポイントが少しだけ高くなる。
 この世の中において弱者を暴力で抑え込むことの愚かさを痛烈に感じさせる映画真昼の暴動をお勧め映画に挙げておこう

 監督はジュールス・ダッシン。本作は彼のアメリカ時代の作品で後に悪名高いマッカーシー旋風、俗にいう赤狩りに遭ってアメリカから活動の舞台をヨーロッパへ移しますが、ハリウッドよりもヨーロッパ時代の作品の方が個人的には気に入っている。豪華な泥棒映画トプカピ、ロマンチックコメディの日曜はダメよがお勧め。



 

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