社長の飲酒会議が発端となった一連のパワハラ裁判は賠償金の受け取りをもって終わりを迎えました。

2013年の11月末の事です。


およそ5年間、ここにいたるまでには本当に色々な事がありました。



自分自身の気持ちの変化という事で申し上げますと

裁判をして相手に勝ってやるという強気な気持ちから、あまりの嫌がらせに体調を崩してしまい、相当大変な心理状態にまで追い込まれた事、そしてその状態からの復活。

たくさんの人から「手のひらを返す」ような行為を一斉に受けた為に、人間関係に対してはドライな判断基準を共存させるようになった事。


話の通じない人間には、いくら常識や規則といった観点から話を説いても「無駄」である事も思い知らされました。話が通じない人間には何を言っても無駄。判断基準を設けて見切りをつけないと、全てに対して悪影響を及ぼしてしまうという事ですね。



人間の裏側や汚さも見せつけられました。反対に人間の温かさや力を合わせる事の強さも何度も感じる事ができました。


わずか5年あまりの間に、人間の本質を見ることができたといっても過言ではないでしょう。


今でこそ


裁判中に起きた事などの中から「今後の人生に対して活きてくる経験」や「かけがえのない体験」として思い出す事ができるようになりましたが


裁判中、特に体調を崩す前は

激しい怒りを覚えながらも、それを必死で抑えながら毎日を過ごすような日々が続いていました。


それは自分自身を蝕むほどの強烈な怒りのエネルギーでした。

腹が立つ。悔しい。どうして加害者ばかりが得をするような事ばかりが続くんだ。と。



このブログの中では、あえて怒りを表現しないようにしていました。
それは、できる限り主観的な表現を排する事で、パワハラの影響や裁判について読んでいただいている方に客観的に伝えたかったからです。



でも実際には、大声を出して怒鳴りつけてやりたいくらいにあふれ出す怒りを無理矢理抑えこみ、どうにかして冷静に対応しようと必死だった日々が続きました。

そういった日々が続いた事が結果的に自分自身のストレス容量を超える事になってしまった一因なのかも知れませんが。

歯を食いしばり食いしばり、奥歯が砕けてしまいそうになるほどの我慢を長い間に渡り強いられた事が、パワハラ裁判の事を書こうと思うようになったのは間違いありません。

本当に腹が立って腹が立って、悔しくて悔しくてしょうがなかった。





またそれだけの苦痛を強いられながら勝訴を勝ち得ても、金銭的には結局赤字になってしまった事もブログを書くきっかけになったと思います。


あれだけの事を加害者から受けても、金銭的な補償という点で言えば「これだけ」という金額しか得る事ができませんでした。

パワハラを受けて裁判を行うという事は、着手金や成功報酬といった経費以外はお金がかからないという事ではありませんでした。

例えば嫌がらせで本来もらえるべき給与や賞与を取り上げられ、嫌がらせで自炊ができるような社宅に住む事もできず、嫌がらせで完全に引越しする事もできず月に何日しか寝泊りしないマンションの家賃などを払い続ける事が続いた挙句、

嫌がらせによって病院に通わざるを得なくなってしまい

さらには嫌がらせが元で発症した体調不良のせいで仕事を奪われた挙句、したくもない引越しをせざるを得ない状況にさせられて引越し代金まで支払うはめになってしまったのです。


ある日突然一方的に給料を3割カットされ、その数ヵ月後にはそのまた3割をカットされた挙句に頻繁に病院通いをしながら裁判を続ける。


こういった状態でお金が減っていかない訳がないですよね。この裁判の為にかかったお金の総額で考えれば相当な額を使っていたのです。





きっと、そこそこの解決金をもらっていたら、このブログを書く気にはなっていなかったでしょう。「ああ、良かった良かった」で終わっていたでしょうね。

しかし


あれほどの事をされながらマイナスなんて。

そういったやり場の無い気持ちがあったからこそ、今後同じような経験を他の人には経験させない為にパワハラをとりまく実情を書こうと思ったのです。



一時は被害者である私に自殺の言葉をよぎらせるほどの行為を繰り返した加害者たちは


誰一人逮捕されるわけでもなく、また労基署から厳しい改善勧告や懲罰を受けたという話も聞きません。

パワハラ裁判で原告の訴えが認められたという事実が残り、インターネットサイトで「ブラック企業」という言葉が記載されるようにまでは持っていけたものの

当の加害者たちは逮捕されるわけでも無く、公的機関から厳しい行動制限が課せられる訳でも無く、ある意味のうのうと生きていけているのです。

当然ながら判決確定後も、加害者たちの口から直接謝罪を受ける事もありませんでした。



勝訴してもこれか?



そういった気持ちがどうしても生まれてしまいます。




これでは日本は良くならない。



だから私はパワハラに対して刑事罰を課すための法制化を認めさせるための活動を始めたいと思い、その第一歩としてこのブログを書き始めました。



パワハラを「個人同士の問題」、「指導・教育の範囲」そういった言葉で片付けてはいけないと思います。

はっきりとした基準を決めて、刑事事件として立件できるようにしないといけないと考えるようになりました。

違反したら罰金・懲役になる(いわゆる前科が付く)という事を加害者に意識させるようにしないといけないと思うのです。

あの加害者たちの上から目線に終始しまともに相手にしようとしない姿勢をどうにかしないといけません。


パワハラを受けてしまった事で自殺する人もいます。


加害者は死に追い込んだという事実が確かに存在するのです。死者が出ている以上は重大な問題として取り組まないといけません。




パワハラの実態を世に知らしめ世間に「こんな酷い事をする会社には厳しい制裁があって当たり前だ」という認識を持ってもらう事が不可欠ですし、その為にはパワハラ問題に取り組む多くの個人や団体、そして法律家が協力し力を合わせて大きな波を作っていくほか無いと思っています。

それぞれがそれぞれに個人あるいは一組織ごとにパワハラと闘っている現状に対して、「方法は違えども、パワハラ被害を無くしたいという大きな目標は同じですよね。ですからパワハラ規制法を制定する為の波を一緒に作ってくれませんか?」という働きかけをしていきたいのです。


それが私のやりたい事だとはっきりとわかりました。


大変な事だという事は百も承知です。


でも始めようと思って一歩を踏み出さなければ何も始まらない。


私は裁判を進めていく上で、たくさんの人に支えられてきました。その支えによって水面に小石を投げ込んだような小さな波は、やがて支援の輪が拡がり大きな大きな波となりました。

もう一度、今度はパワハラの加害者を減らすために波を起こしたいのです。




パワハラは被害者に長い間影響を与えます。また裁判自体も負担が大きく、長引けば長引くほど苦痛は増えてしまいます。



被害者が大きな負担を背負い込んで、何とかして加害者の違法行為を証明する為に苦痛に耐えながら動かざるを得ない状態から

少しでも


加害者がふんぞり返って適当にあしらってしまう現実を何とかして変えていきたいのです。


これほどの苦痛や悔しさを味わってしまう人を少しでも減らさないといけない。こんな思いをする人を増やしてたまるか。





その為にも、いわゆるブラック企業のパワハラのやり口やその後の対応、裁判をする事によって被る被害者の負担、そして勝訴したものの決して全てにおいて満足できるという事は得られない現状を伝えるために、このブログを書こうと思いました。

そしてこの被害を少しでもたくさんの人に知ってもらいたかったのです。



世の中の人に「誰でもハラスメントの被害者になる可能性があるんだ」「立場の差を利用してブラック企業はとんでもない事をやってくるんだ」という事を知らせる事で、一石を投じたかったのです。


パワハラ被害者の方々が少しでも減るように、また被害者の方々の今後の未来が少しでも明るいものとなるようになるように、私ができる事を続けていきたいと思います。



きっと明日は晴れると信じて。





今回でパワハラ裁判のご報告は終わりとなります。

このブログを読んで頂いた方には本当に感謝申し上げます。


今まで本当にありがとうございました。

そして今後ともよろしくお願いいたします。



きっと明日は晴れ。



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