2021年9月20日月曜日

中国語の膠着語としての痕跡?

 準備として、日本語の例で考えます。いい例が出てこないので、 「私は彼をどついた」という文で考えます。「彼を」は目的語、「どついた」は動詞です。「私は」は何だろうかということです。この文章の主題のようなものですが、主語といって良いのでしょうか。主題を彼に変更すると、英語的なセンスでは、「彼は私によってどつかれた」と受け身になります。しかし、「彼は、私がどついた」と言えます。「彼は」は主題ですが、主語ではありません。目的語です。「を」、「は」、「が」などで文章の中の名詞の関係を示しているのは確かで、「彼、私がどついた」でははっきりしません。

さて、中国語では、SVOの形と言われます。しかし、これは普通の形で、oを強調したい場合(主題としたい場合)、vの前に置かれます。これは、“把”構文と呼ばれます。 語順は「主語+“把”+目的語+動詞+その他」で、目的語を示すために“把”が付け加えられます。 詳しい説明は以下とかにあります。私は誤解してる可能性は十分ありますので注意してください。 
中国語の“把”構文の文法や用法を解説

この中で
「我 把 这本书 看 完 了」 の文例が中ほどにあります。
日本語訳:私はこの本を読み終えた
ですが、(私は)この本は読み終えた
と訳しても良さそうに見えます。“把”は、[bǎ]ですが、日本語の「は」のイメージです。中国語ではSVOでは「てにをは」的なものは出てきませんが、sovになると、唐突に、“把”が出てきて、膠着語の姿を示します。これは元々、中国語は膠着語であったからではと想像させます。そして日本語にも影響しているかもと思います。“把”の使用条件が厳しいので、断定できませんが、痕跡かもしれないというレベルの話です。

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