ゆめのこころ

にゃん月　にゃんにゃん日
真夜中にこっそり目を覚ます









　　寝ぼけ眼で、じーっと見つめた部屋の左側の隅っこ
　　なんだか、ちょろちょろと黒い影が動くようで
　　ますます目が離せなくなって、にらみつけるように
　　小さく欠けた壁の穴を見続けた。

　　でも寝起きの頭は回らない。
　　半分覚めかけの眼は焦点も定まらず、
　　頭ん中のゆらゆらと一緒に、ぐるぐると回り出して…
　　あっという間に、また夢の中へと引きずり込まれた。







　　どれくらいたっただろう…
　　西の窓から射し込む光が、やけにスタンドの影を長く伸ばしている。

　　猫は、ふらふらする頭を右手で撫でながら、
　　いったいどうしたのだろうと、考えた。

　　そういえば昨日は、「明日は祭りだ!!」などと叫びながら、
　　マタタビ酒をたらふく飲んだっけ?
　　あ～ぁ、頭が重い。

　　こんなに陽が傾いているってこたぁ、もういい時間だよなぁ～。

　　年に一度の大集会
　　2月22日の集会は、絶対に遅れられないっちゅうのに、
　　なんてざまだ!!

　　猫は、なるたけ丁寧に身体を舐めまわし身づくろいをすると、
　　ふと、また壁の穴が気になった。

　　しっかり出かける準備を整えると、息をひそめ
　　穴の横の壁際に身を寄せて、ジッと壁の穴を見続ける。







　　どのくらいたっただろう・・・
　　耳の後ろについている、猫時間時計の針がカチッと音を立てた。
　　それからもう一呼吸時が過ぎたころ、穴のふちに黒っぽい影が見え隠れした。

　　そおっと頭を下げると、穴の向こう側から様子をうかがうなにかと目が合った。

　　「今日は猫の日だろう」と、その目の主は言った。
　　猫は面食らって、いっぽ後ずさって、
　　「そりゃそうだか、お前さんになんか関係があるのかい?」と尋ねると、
　　壁穴の主は、
　　「そりゃそうさ、お前さん達ねこの日は、おいら達ネズミの日でもあるんだからな!」
　　と、のたまう。
　　「へっ?　そりゃどういうことだ?」と、不思議を問うと、
　　「うへっへっへ　猫の居ぬ間に何とやらって言ってな。」
　　「おいら達もこの部屋で大集会を開くってわけさ。」
　　「2　2　2　ちゅー　ちゅー　ちゅー　ってな。」

　　そんなことを聞くと、なかなか部屋を離れられなくなってしまう。
　　猫の集会は、森の中。
　　部屋から出れば、ネズミの天下。
　　行かねばならぬが離れがたい。
　　何か妙案はないものか思案はするが、
　　昨日の酒がたたって、考えもまとまらぬ。

　　ふと見上げると、昨日の食べ残しの残骸がテーブルの上に。
　　そこにはくわえやすそうな物がふたつみつ。
　　穴をふさげそうなものを選んで、壁穴の所へ。
　　前足で押すと、なかなかいい具合にはまり込んだので、
　　少し安心して部屋を後にした。







　　どのくらいだろう。
　　物音ひとつしない時間が続いていたが、
　　本当にいろんなものの気配が消えたと思ったとたん、
　　壁の向こう側から、カリカリ　カリカリという音がし出した。



　　２月22日も過ぎようとする頃、
　　猫の森では大集会の真っ盛り。

　　部屋の中では、ネズミたちの大集会。

　　猫が壁栓に使ったのは、まさかのチーズ。
　　ネズミの大集会に、酒の肴と話の花が咲いたとさ。







　　さてさて日付もすっかり変って23日。
　　大騒ぎをしていたネズミたちもそれぞれの家へと戻り、
　　猫たちも大激論の集会後の酒盛りも終わり、
　　夜明け前に家に着くようにと、たどたどしい足取りで家路を辿るころ
　　遠くの大時計が、3っつ鐘を鳴らした。

　　酔っぱらってたどり着いた部屋の中が、
　　少しでも快適なものに戻っていればよいなぁ・・・などと
　　その騒動を眺めていた森の賢者の思案声が
　　今日も森と村の間に木霊していたのでした。






-------------------------------------------------------





すっかり御無沙汰しておりました。
みなさま、いかがお過ごしでしたでしょうか?
あたしは、相変わらずののんびり屋。
のほほんのほほんと、いつもの調子で元気にしております。

今年は雪がほとんど降らず、去年の除雪騒ぎが嘘のようです。
と、こちらはこんな具合ですが、縦長日本
今年も大雪で大変なところもあるようで、ご心配申し上げます。
昨日は大きな地震もあり、こちらも心配ですが、
雪の大変な季節ですので、お身体に無理がかからないようにと案じます。


年に一度の?　にゃんこの日
我が家のとらちゃんも旅立ってからずいぶんと経ちましたが、
この日だけは、また我が家に登場です。
どうぞよろしくお願いいたします。

長く離れていたブログですが、
またこっそり　ひっそり　どんがらがっしゃんと
ひっくり返りながらいろんなことを綴っていきたいと思います。
「またまたぁ～」
と、お思いではございましょうが、なにとぞ
この拙いブログを、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。