ふるはしかずおの絵本ブログ3

『 ビュンビュン きしゃをぬく 』- 疾走感あふれるバートンの絵
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おはなしは、題名の通り、犬のビュンビュンと機関車のスピード対決です。勝ったのは、犬のビュンビュン。

バージニア・リー・バートンの絵が魅せます。

      
 登場人物は、

 機関車の火夫の ゴウゴウ

 愛犬の ビュンビュン

 ゴウゴウを雇う 駅長さん

      
駅長さんは、

犬のビュンビュンを機関車に乗せようとはしません。

ゴウゴウは、言います。

「ビュンビュンは運転席になんて乗りませんよ。汽車のわきを走るんでさあ」。

ふたりは、

犬のビュンビュンと貨物列車のどちらが速いか、賭けをします

 

その結果は?
ビュンビュンが、

貨物列車をあっさり追いぬいてしまいました。

ビュンビュンの勝ち! 
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駅長さんは、言います。
「ビュンビュンは、普通列車にもついていけるとおもうかね?」
「もちろんさ」とゴウゴウ。
結果は?
こんども ビュンビュンの楽勝 です。

 
ビュンビュンは、

やせっぽちなのに、

年をとってるのに。
列車よりも速い!
つぎは、急行列車と競争です。
これもビュンビュンの勝利。

犬に負けた鉄道の評判はがた落ちです。
     ・・・
駅長さんは、世界一の超特急「弾丸号」 をビュンビュンと競争させることにしました。

レースを見ようとみんな集まってきます。
「くるぞ!」
「きた!」
「いっちゃった!」
こんなに速い弾丸号です。( 笑 )
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でも、勝ったのは・・・
もちろん、ビュンビュンです。
運転室への乗車を認められたビュンビュン。いまでは、ゴウゴウといっしょに、弾丸号に乗っています

        ・・・

絵は『 いたずらきかんしゃ ちゅうちゅう 』(1937年)のバージニア・リー・バートンです。疾走感あふれる絵は、やはりバートンのものです。ゆたかな表情のビュンビュン。表情から彼の感情を読みとる楽しさもあります。また、表紙と裏表紙はつながっていて、広げると一枚の絵になります。長いお話ですので、読みかたりは30分近くかかります。

        ・・・

※『ビュンビュンきしゃをぬく』 アーナ・ボンタン/文 ジャック・コンロイ/文 バージニア・リー・バートン/絵 ふしみみさを/訳 岩波書店 2004年 (初版は1942年)

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