ふるはしかずおの絵本ブログ3

『サラダでげんき』- 絵がうみだす笑いとユーモア

りっちゃんの おかあさんが 病気になってしまいました。

りっちゃんは、おかあさんのために なにか してあげたいと思います。

    

 

 「おいしいサラダを つくってあげよう。

  げんきになるサラダを つくってあげよう。」

 


りっちゃんは、

サラダを つくりはじめました。

きゅうり、

キャベツ、

トマトを 切って おさらにのせました。

  

 

のらねこが、やってきて、言いました。

 「かつおぶしをいれるといいですよ。」
 「おしえてくれてありがとう」

 

 

となりの犬が、言いました。

  「なんといっても、ハムサラダがいちばんさ。」
 

 

すずめが、言いました。

 「チュッ、チュッ。とうもろこしいれなきや、げんきになれない。」

 

 

くりかえしです。

あり (さとう)、

うま (にんじん)、

白くま(こんぶ)

アフリカぞうが やってきます。

 

アフリカぞうは、

キューン、ゴーゴー、キュー

飛行機に乗って やってきます。

 

サラダに、あぶらと塩と酢をかけると、

スプーンを 鼻で にぎって、

力づよく、くりん くりんと まぜました。

 

 

おかあさん、サラダを いただきましょう

 
おかあさんは、サラダを食べて、元気になりました。

 

     ・・・

りっちゃんは、おかあさんが病気になって、さぞ不安だったことでしょう。おかあさんのために元気になるサラダを作ってあげたいと思う、やさしいおんなの子です。それを助ける動物たち。ストーリーはシンプルです。みんなの力を借りて、サラダはだんだん豪華に、おいしくなっていきました。

 

ところで、アフリカぞうが、「キューン、ゴーゴー、キュー」と飛行機に乗ってやってくる場面、ぞうがサラダをまぜる場面に、長新太さんは3つの絵(そのうちの2つが上の絵)をつけています。おはなしは、たちまち 笑いとユーモアの世界になりました。文章の世界を、絵が「味変」しました。

読んであげるなら3歳から。

       ・・・

※『サラダでげんき』  角野栄子作、長新太絵、福音館書店 1992年  (2023/3/21)

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