在宅生活が継続できる状態、安定とは | みんなでつくろう地域医療~あいかが住む未来のために~

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ひとり娘が生活する未来のために地域医療についていち理学療法士と父親の視点から考えていきます。

在宅継続ができる状態、リハビリが効果的にできる状態とはどのような状態なのか。逆に継続できない状態とは、家族の介護負担、精神的負担が限界まできている、栄養を入れる方法がない、体の病的状況が進行して家庭では対応しきれない、独居で一人で身の回りのことができない、家族が病気になってしまったという事情が考えられるでしょう。

家族の介護負担は、その評価指標もあるくらいの在宅生活に影響の大きな項目です。家事、仕事を抱えながら、介護の時間も確保しなければならないとなるといくら家族のためとはいえ負担になるのは間違いありません。赤ちゃんだって、かわいさはあれども、四六時中泣いて、抱っこして、おむつ変えてが続けば母、父だってイライラはしますよ。介護負担を減らす方法として、ヘルパーや通所サービス、ショートステイなどで家族から離れた時間を作ることができます。また、金銭面でもやはり負担を感じることもあるでしょう。海外では、介護保険の利用方法として、現金給付というものもあるそうです。その使い道は、もちろんサービスの利用料の支払いに当ててもいいし、家族介護の対価、労働収入として当てても良いようです。日本にはそのようなシステムはありませんが。しかし、実際にはヘルパーや通所サービスの利用を本人が断ることもありなかなかレスパイトが実現しないこともあるのです。

行動経済学の中で紹介されている、失うことは得ることの2倍の損失感と、現状維持バイアスというのがあります。つまり、今までの生活が変わることや生活や機能が失われることは、変化に対して大きな重しになるということです。一方では、その性質の一部として、デフォルトの威力というものがあります。一度最初の設定を決めるとそれを変えるのには大きな労力が必要となります。

すなわち、サービスに拒否的ならば介護保険の制度を知るということでデフォルトは、全てのサービスを体験してもらうことをしてもらってはどうでしょうか。

また、介護保険料を支払うことになる年になったら、介護保険の制度とサービスを知ることに何かしら関わる機会を作らなければいけないこととしてはどうでしょうか。

高齢化社会や社会保障に多くのお金が使われていることに対しては、一般の我々からしたら本当に興味が薄いのかもしれません。若い世代が選挙に行かないことからしても、自分は高齢者にはならないと思っているのかも知れません。いや、だからこそ日本の社会保障をどうするかを考えていく必要があるのかもしれません。