では、在宅介護生活を継続できるかできないかは負担なのかと思って文献を見てみると、意外に介護負担と介護継続とは別のものということを示唆するものがあります。直接の身体的負担が介護継続の意思決定に影響しているわけではなく、愛情や絆の強さであったり、手伝う負担はないけど精神的な負担が影響を与えているということです。
それでは介護負担をひとまとまりに考えた時に、リハビリとしてはどのような支援ができるのでしょうか。身体的介護負担を減らしても生活継続には繋がらないかもしれないのか。愛情や絆が強すぎると破綻まで頑張る、弱いと生活継続は無理になるとすれば、愛情を認めつつも、介護者への支援を構築することが必要です。特に、社会資源を利用したがらないご家庭についてです。他人の助けを入れることをいけないことと思ったり、本人が望んでいないからということで導入できない方がいます。
制度上、家族介護に負担がかかることはわかっています。しかし、減らすことができるのにそれができないということであれば、何か支援をしたいと思います。支援するプロとしては長い目で見ればという視点に立つことができますが、当事者は必死になればなるほど毎日が勝負になります。そうすると、長い目でなんて見ていられません。
そうなると、愛情や絆はとても大切な要因であり、自宅で過ごしたいという希望の中核をなすものです。それを大切にしながら、どうやって社会資源を利用した時に幸せな生活が送ることができるかを共通の認識としてもらうのかが課題です。
anti-aging、終活今まで流行りの言葉として出てきていましたが、周りを巻き込んだ形でのanti-agingと終活の間の期間を考えることが必要です。その時になってみなければわからないことばかりですが、その時になったらなったで身動きが取れなくなることもまた事実です。
介護予防は大切です。それに加えて、この高齢介護事情とその対応について啓発することも私たちの役割です。