*

怪紀行番外編 国内唯一!思い出の味、バーガーシティ豊岡サンロード店 2

怪紀行番外編 国内唯一!思い出の味、バーガーシティ豊岡サンロード店 1はこちら

■バーガーシティ豊岡サンロード店へ

さて、ぶるるんとプリウスを駆り我々はバーガーシティへと向かいます。

天気は快晴、ドライブ日和。山のドライブは快調。

「あれ、なんやろな」

その道中、山の道に突然現れた不思議な建造物を発見しました。

「なんですかね」

イマムも首を傾げました。

銀色の丸い天井……まるで昭和特撮に出てくる怪しい研究所のような佇まいでした。

太陽の光をピカピカと反射させているそれがどうにも気になり、ちょっと立ち寄ってみることに。

「あ、今の看板の上に滑車ついてますよ」

「滑車?」

イマムが指差したのは『奥神鍋』とかかれた鉄柱を再利用したような看板。最東はよく見えなかったのですが、丸い滑車のようなものがみっつほど付いていたといいます。

「あれは多分、リフトですね」

「リフト? スキーの?」

イマムは認めました。なるほど、この辺は高原高原とあちこちにあったので冬はスキー場として利用されているようです。つまり今はシーズンオフの時期。

そう考えると田舎は癒されるわぁ~と浮かれていたことが急に恥ずかしくなってきました。

「待って、ということはあの怪しい研究所って……」

我々はすっかり変な廃墟だと思い込んで面白半分でやってきましたが、もしかするとちゃんとした施設なのかも――

すっごいちゃんとしたホテルでしたー!!

しかも天文台付きの超オシャレ。面白愉快なおつむなのは我々のほうだったようです。

そこからは周辺を見る目が変わってきました。

確かに辺鄙な山中の道ですが、突然ドームが表れたりロッジやコテージが表れたり、洒落たカフェやレストランがあったりと、景色と凡そ不釣り合いな建物が散見されるようになります。

よくよく注意してみると一見、営業してなさそうな民宿もレンタルウェアやスキー用品などの案内を出していたりで、冬場はしっかり営業……むしり繁盛していそうに思えます。いや、きっとそうなのでしょう。

畜生!騙された!返せ俺のノスタルジック!

憤慨しながらしばらく走っていくとスキーゴルフリゾート地を抜け、本格的な田舎風景がやってきました。

そうそうこれこれぇ~とはしゃいでいるうち、ついに江原駅に到着しました。

なんというか……ブルースな駅です。渋い。

ちなみに言うとすっごい好みな感じです。イマムも鼻息荒く興奮していました。

駅舎はあちこちが赤茶に錆びつき、築古さをものともしない堂々とした佇まい。それなのに人がおらず、寂れた雰囲気を醸していました。

バスロータリーがどういうわけか北欧風の意匠で統一されていて、あきらかにここだけ新しい感じで不思議な風景が印象的でした。

駅前の駐車場に車を停め、歩いてバーガーシティを探すことに。

アッ、あったよ!

すぐありました。

「おおう……おお……」

もちろん私が知っている懐かしいバーガーシティではありません。店主もあのおっちゃんではない。それでも強烈な懐かしさに包まれました。

そして店前に貼りだされているメニュー。…………多いっ!

こんなになかったぞ、あの当時!

それもそのはず、グランドメニューに加えてここでしか食べられないオリジナルメニューが山ほどあるのでした。これはこれは目移りしちゃう。

昼食はここで摂ると決めていたので最東は100円バーガーはマストとして、もうひとつはイタリア風のボーノバーガー。イマムはチーズバーガーと厚切りベーコン的なバーガー(だったような気がする)。

バーガーシティ最大のウリだった100円バーガーは現在170円に。全然払うし!500円でも食うよ俺は!と喜び勇んで注文。

現在は店主がおひとりで切り盛りしていて、お店にも「当店はワンオペでやっております」と貼り紙が。来客用の交流アルバムには数えきれない写真があってほっこりしました。

しかし、現存する唯一のバーガーシティ……すべてのQR決済、各種電子マネーに対応している!それだけでなく店内wifiまで搭載!!

す、すげえよ……いまや個人経営のバーガー店のはずなのに、そうとは思えない支払い方法の多彩さ!参ったよ!(泣く)

そうしてハンバーガーを4つ買って車で食べました。

「これこれぇ……これだよこれぇ……」

そこには青春の味がありました。子供のころ食べに食べた贅沢な食べ物。

一瞬にしてあの頃の記憶がよみがえってきます。冗談だろ……冗談じゃねえよ……

噛みしめながら今は亡きおっちゃん(生死は不明)の姿を思い浮かべ、ノスタルジッカー最東になっている横でイマムが「うめえ!」と絶叫。

どうやら二個目に突入しているらしく、厚切りベーコン的なバーガーをはむはむしています。

「大げさやなあ。若さゆえの過ちやなぁ」とにこやかに最東も二個目に突入。

「うめえっ!」

チェーン店では再現できない、手作りならではの味がありました。おそらく食材にもこだわっているのか、調理にこだわっているのか、両方か。とにかく感動的に美味しかったです。

おもわずふたりでほくほく顔で「おいしかったねー」「ねー」と言い合いながら、江原駅をあとにしました。

グッバイ青春。またいつか。(ハンサム顔)

追記:バーガーシティがある場所ですが、正しくは豊岡氏日高町という住所です。その近辺をすこし歩いていると突然、不自然に立派な建物が目に飛び込んできました。

なんだろうと気になり近づいてみるとなんと演劇劇場。演目ポスターを見ましたが知らない演目、演者ばかりでした。……が、そのどれにも『平田オリザ』さんの名前が。

帰りに調べてみると氏は2019年に豊岡市に移住。それに伴い自らが主宰する劇団もこちらに移転したそうです。(ソースはこちら)

地方で演劇を観られるというのはなんだか素敵ですね。いつか機会があれば観劇してみたいと思いました。

→兵庫・神子畑選鉱場へ

スポンサードリンク



関連記事

【連載】めろん。71

めろん。70はこちら ・綾田広志 38歳 刑事㉘  振り返って

記事を読む

いよいよ発売!初の旅エッセイ『この場所、何かがおかしい』

イラストはあまのたいらさん(https://twitter.com/amano_taira)からい

記事を読む

未解決事件 / 世田谷一家殺人事件

■大量の遺留品     そこには沢山の、……本当に沢山の遺

記事を読む

no image

ホラー映画レビュー/WORLD WAR Z

■ホラー映画あれこれ       どうも最東で

記事を読む

短編集、電子出版しました

  ■ブログ小説、まとめました。     &n

記事を読む

no image

【怪紀行滋賀番外編】待ち人こず! 断罪のファロ!

■本記事をお読みいただく前に どうも最東対地です。 今回は怪紀行の番外編として

記事を読む

no image

ホラー映画/キャビン/イットフォローズ/IT

    ■ホラー映画は豊作?    

記事を読む

no image

放送事故 / 逆拍手・RISKY・苗山・洋子の話を信じるな

■逆拍手       どうも最東です。 &n

記事を読む

人食について / 佐川一成という食人鬼

■隣人を愛せよ       どうも最東です。

記事を読む

怪紀行滋賀・ワンオペテーマパークin石田三成 佐和山遊園

■世はワンオペ戦国時代 どうも最東です。 ここで暴露しちゃうんですけど

記事を読む

スポンサードリンク



Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

スポンサードリンク



【連載】めろん。1

■めろんたべますか ・綾田広志 38歳 刑事①

【夜葬】 病の章 -1-

一九五四年。 この年の出来事といえば、枚挙に暇がない。二重橋で一

3on3 即興小説バトル Kチーム作品

Qチーム作品はこちら 悲しみのタコやき&nbs

3on3 即興小説バトル Qチーム作品

Kチーム作品はこちら 悲しみのタコやき 

怪紀行青森・死の彷徨 八甲田山雪中行軍遭難資料館

怪紀行青森ガンダムカット ■『八甲田山』 どうも

怪紀行青森・文豪はバリバリのお坊ちゃん太宰治の生家 斜陽館 海沿いの道に突如現れるモビルスーツ! ガンダムカットスズキ理容

■恥の多い人生を送っています(現在進行形) ど

怪紀行青森・巨大な藁人形がお出迎え 御瀧大龍神神社 ごった煮石像パーク 西の高野山弘法寺

ブルース溢れる第三新興街と弘前GOODOLDHOTELはこち

→もっと見る

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

PAGE TOP ↑