「沈黙のパレード」　★★★～SPドラマのほうが面白かったです

※※※　注意　※※※

　「シネマ報告書」は、映画鑑賞後の率直な感想を伝えるため、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれる場合があります。

　これから観ようと思っている方は、本報告書の趣旨についてご理解のうえ十分注意してお読みくださるようご了承願います。

「『シネマ報告書2022』の掲載にあたって」

SPドラマのほうが面白かったです ★★★

福山雅治

柴咲コウ

北村一輝

飯尾和樹

戸田菜穂

田口浩正

岡山天音

村上淳

吉田羊

檀れい

椎名桔平

【あらすじ】

　都内にあるとある町の夏祭り。のど自慢大会で一躍人気者になり、プロの道を歩み始めた女子高生が突如行方不明になる。

　数年後、その女子高生は遠く離れた静岡で遺体となって発見された。容疑者として浮かび上がったのは、警視庁捜査一課の刑事・草薙がかつて担当した少女殺害事件の容疑者・蓮沼だった。蓮沼は黙秘を貫き、証拠不十分で無罪となっており、今回も黙秘を貫いて証拠不十分で釈放される。

　蓮沼に憎悪を抱く女子高生の両親やその常連たち。そんな中、蓮沼が謎の変死を遂げ、物理学教授・湯川と刑事・内海が事件解明に乗り出す―

【コメント】

　いよっ！待ってました！2013年公開『真夏の方程式』から9年、東野圭吾原作、フジテレビの人気ドラマ「ガリレオ」シリーズの待ちに待った新作がいよいよ公開！しかも今回はTVでも新作のSPドラマが放送されるということで、まさに満を持しての公開。これをニュースで知った時はやっと来たか！と心躍りましたね。

　僕はとりわけ初期のTVシリーズと2008年公開の『容疑者Xの献身』が大好きなだけに、前作『真夏の方程式』がちょいとイマイチだったんですが、それでも9年振りの映画化と、しかも福山雅治＆柴咲コウの初期コンビが復活ということで、こりゃあ絶対に観なきゃならんとさっそく「立川シネマシティ」に足を運んだ次第です。

　うむ、なるほど。とりあえず9年振りのガリレオということで僕は満足です。僕はね。僕から見た本作の見どころはザックリ以下の3つでしょうか。

　・湯川＆内海のコンビが見れただけでもOK

　・『容疑者Xの献身』の面白さには遠く及ばない

　・ぶっちゃけSPドラマのほうが面白い

　といったところですね。

　「ガリレオ」シリーズの変人ガリレオは福山雅治の代表作ともいえるキャラ、ファンとしてはこれを9年振りに演じてくれただけでも嬉しいところ。そこに初期のコンビである柴咲コウ演じる刑事・内海薫が14年振りの復帰となると、ドラマファンならたまらないでしょう。前作の吉高由里子が不評だっただけにね。なので、今回は福山雅治と柴咲コウの湯川＆内海のコンビが見れただけでも十分だと言えますね。

　とはいえ、これは映画というよりも東野圭吾の原作によるところだと思うんですが、やっぱり『容疑者Xの献身』の面白さには遠く及ばない。複雑な人間関係やいろいろなトリックなど謎が謎を呼ぶ展開は見せてくれるんですが、もう物理学ほぼほぼ関係なくなってるじゃん、こんなん警察頑張って解決しろよと。湯川教授になんでもかんでも頼り過ぎなのよ。

　『容疑者Ｘ～』は天才物理学者VS天才数学者の静かなる頭脳戦の構図は今観てもワクワクするし、何と言っても堤真一の迫真の演技が光ってましたからね。前作の『真夏の方程式』よりはちょい面白いかな～という程度でしょうか。とはいえ、これまでモブキャラに近かった北村一輝演じる刑事・草薙が今回は前面に出ていて、堤真一に負けず劣らずの熱演を見せていましたね。本作は北村一輝の作品でもありますと言って良いでしょう。