猫のひたい

杏子の映画日記
☆基本ネタバレはしません☆

シンプルな情熱

2022-11-19 22:07:49 | 日記
2020年のフランス・ベルギー合作映画「シンプルな情熱」。

パリの大学で文学を教えるエレーヌ(レティシア・ドッシュ)は、ある
パーティーでロシア大使館に勤める年下の男性アレクサンドル(セル
ゲイ・ポルーニン)と出会う。エレーヌは彼のミステリアスな魅力に
強く惹かれ、瞬く間に恋に落ちる。自宅やホテルで逢瀬を重ね、彼と
の抱擁がもたらす陶酔にのめり込んでいくエレーヌ。今まで通り大学
での授業をこなし、読書も続け、友達と映画館へも出かけたが、心は
全てアレクサンドルに占められていた。エレーヌは年下で気まぐれ、
既婚者でもあるアレクサンドルからの電話をひたすら待ちわびる日々
になってしまう。

フランスの作家アニー・エルノーの自伝的小説の映画化。夫と離婚し、
息子(10歳くらい)と2人で暮らしているエレーヌは、大学で文学を教
えていた。ある日ロシア大使館に勤める年下の男性アレクサンドルと
出会い、一瞬で恋に落ちる。子供がいない昼間の自宅やホテルで逢瀬
を重ね、アレクサンドルにのめり込んでいくエレーヌ。今まで通りの
生活を続けながらも心の中はアレクサンドルで一杯だった。アレクサ
ンドルはだいぶ年下で(見た感じ10歳くらい年下のようである)既婚
者、そしていずれはロシアに帰る身なので、やめておけとエレーヌは
親友に忠告される。
不倫の実体験を小説に書くというのがフランス人らしいと思った。不
倫って普通隠すものではないだろうか。良くないこと、という認識が
あまりないのかもしれない。一応エレーヌも隠れてアレクサンドルに
会ってはいるのだが。彼女はアレクサンドルからの電話やメールを待
ちわびて、常に気もそぞろになる。授業中も電話がかかってきて慌て
る。いや授業中は電源切っておきなさいよ、と言いたくなる。小学生
の息子も母親の様子がおかしいことに気づいている。
アレクサンドルはもちろん遊びなのだろうが、エレーヌのことを好き
ではあるようだ。嫌いなタイプの女性だったら不倫はしないだろう。
けれどもエレーヌがどんどんアレクサンドルに依存していく様子は、
「ヤバいなー」という感じ。アメリカ映画の「運命の女」を観た時も
思ったが、不倫にもルールがある。いずれ終わるのだからそんなにの
めり込んではいけないと思う(終わらない場合もあるが)。
やがて元夫がエレーヌの家へ訪れて「数日間息子を預かる」と言う。
おそらく息子が父親に電話したのだろう。ここ2週間ほどエレーヌは
息子の面倒もろくに見ておらず、車から降ろした息子をひきそうにな
ったりしていた。元夫は大体気づいていて、「息子の世話を放り出し
て情事にふけっているのか」と言う。こうなると本当にダメ。
それでも最後はフランス映画らしいというか、「運命の女」は不幸な
終わり方をしたが、こちらはあっさりとしている。アレクサンドル役
のセルゲイ・ポルーニンは世界的に有名なダンサーということだが、
そんなに有名なダンサーがこういう映画に出演するんだなあ、と思っ
た。ほぼ彼とエレーヌの全裸シーンしか印象にない。でもあんなに美
形の男性だったら恋に落ちても仕方がないかもしれない。




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4 コメント

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Unknown (クリン)
2022-11-20 07:37:15
いろいろと定番のドロドロについて語ったさいごに杏子さまのシメの一言が快かったです💛🐻
(恋愛は人を狂わせるんですよね🌀)「運命の女」のレビューを読んでさいごが気になりましたが、アメリカとヨーロッパではフリンの展開の仕方がちがうのかも・・
仏と米は違いますね。 (ウラジーミル・アスポン)
2022-11-20 11:05:32
エレーヌのように子供がいるバツイチなのに
年下の男に惹かれて溺れていく人もいるんですね。
しかも既婚者とは呆れますね。

親友が普通ですよね。
10歳近くも下で、既婚者でいずれロシアに帰る人に溺れるなんて、
まともな女のやる事ではないです。

どうしてヨーロッパの人は、奔放なんでしょうね。
自分の立場をかんがえないで、好きになれるんですね。

自分の方が10歳近くも年上でバツイチの子持ちでどうして
男に自分から熱心になれるんでしょう…。
男が素敵なら尚更、自分のような女は相手にされないと思ってしまいますけどね。
世の中には、自分より若くて素敵な女がいますよね。

この話がしかも自伝的な小説なんですね。
著者の不倫の経験なんですね。

しかし、授業中も不倫相手の電話に出ようとしたりするとは、
不真面目な教師ですね。

エレーヌの息子は母親が恋愛に夢中で、自分の面倒もろくにみない事が
不愉快だから、別れた父親に連絡したみたいですね。
車から降ろした息子を轢きそうになった事もあるなんて、本当に
クズ女だなぁ…と思います。

運命の女というアメリカの不倫映画では不倫のバチが当たったかのいうな悲劇でも、
不倫に対しアメリカのように厳しくなさそうなフランス映画の「シンプルな情熱」では
あっさりした終わり方なんですね。感覚の違いが面白いですね。
Unknown (杏子)
2022-11-20 17:53:32
>クリンさん
コメントありがとうございます。ほんとに恋愛は人を狂わせますね〜。
でも子供のことがおろそかになってはいけませんね。
アメリカ映画では「不倫は悪いこと」として描かれますが、ヨーロッパ映画ではそうでもない気がします。
「運命の女」は不幸なラストですが、こちらでは不倫したことを後悔してないんですよね。
お国柄でしょうね〜(・ω・)
Unknown (杏子)
2022-11-20 18:13:36
>ウラジーミル・アスポンさん
コメントありがとうございます。フランス映画ではあっさりと不倫関係になりますね。
エレーヌの親友みたいに客観的に見られる人もいますが。

エレーヌは自分の方がかなり年上で、子持ちのバツイチで、彼は既婚者でいずれ
ロシアに帰る人だけど、それでもいい、と刹那的に恋愛を楽しんでいるのでしょうね。
私にはそういう気持ちはわからりませんが…

自分の不倫を小説にするという感覚はすごいですよね。
ちょっと日本人では有り得ないような。

エレーヌの息子がかわいそうです。母親はろくに話もきいてくれないし、
いつも心が上の空で。小学生でも気づくでしょうね、恋愛していることに。

アメリカ映画の「運命の女」ではまさにバチが当たったというような悲劇になりますが、
こちらのエレーヌは不倫したことを後悔しません。
アメリカとヨーロッパの違いが興味深いです。

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