(中央日報 2022/09/29)

ロシアのウクライナ侵攻が長期化してロシアの発射体を使った韓国の衛星打ち上げが難しい判断を迫られている。

韓国科学技術情報通信部[省に相当]は28日、国会科学技術情報通信委員会所属の朴完柱(パク・ワンジュ)議員に提出した資料で「国際的にロシア制裁の共助が広がっていて我が国もこれに参加している状況なので、衛星のロシア現地からの発射が事実上難しいと判断する」と明らかにした。

当初、韓国政府は今年下半期に多目的実用衛星6号(以下、アリラン6号)をロシアのアンガラ・ロケットに乗せてプレセツク宇宙基地から打ち上げる計画だった。また、次世代中型衛星2号はロシアのソユーズ・ロケットを利用してカザフスタン・バイコヌール宇宙基地から打ち上げる予定だった。

だが、米国や欧州連合(EU)など国際社会がロシア宇宙産業分野に対する制裁をリストに含めて、韓国が国産衛星をロシアの発射体を使って打ち上げることが難しくなったと伝えられた。

財政的負担も予想される。

科学技術情報通信部は国会にアリラン6号と次世代中型衛星2号の打ち上げのための新たな予算が必要だと報告した。科学技術情報通信部関係者によると、政府はアリラン6号に467億ウォン(約47億円)、次世代中型衛星2号に414億ウォンの合計881億ウォンの打ち上げサービスおよび付帯費用(保険料、輸送費、実行経費など)がかかると推算した。

国会科学技術情報通信委員会所属の李仁栄(イ・イニョン)議員室(共に民主党)が分析した2023年度政府予算案資料を見ると、政府はアリラン6号と次世代衛星2号機の代替打ち上げのための予算として473億ウォンを国会に要求した。

科学技術情報通信部は来年度予算にこの要請が反映されればロシアと従来の打ち上げ契約を解除して新しい打ち上げサービス提供者と契約を推進する予定だ。韓国政府が新たに契約する企業と発射体は米国スペースX社のファルコン・ロケット・シリーズや欧州宇宙局のアーリアン・ロケット・シリーズになるものとみられる。

これに先立ち、科学技術情報通信部のオ・テソク第1次官は今年8月4日にソウルで開かれた記者懇談会で「(ロシアと)既存の契約は続いているが、そこ(ロシア)ばかりをずっと見ているわけにはいかず、対策を摸索中」としながら「(ロシアと)契約を解約することになれば費用返還問題などのさまざまなイシューがあり、段階別に接近中」と明らかにしていた

一方、宇宙天気観測任務を遂行する小型衛星「トヨセッ」もロシアで打ち上げようとしていたが中止になった。トヨセッは今年上半期にバイコヌール宇宙基地からロケット「ソユーズ-2(Soyuz-2)」に搭載されて打ち上げられる予定だった。

韓国天文研究院と科学技術情報通信部によると、産業通商資源部傘下の戦略物資管理院は先月トヨセッを戦略物資と判断した。