私の母は、今から3年ほど前、くも膜下出血で救急搬送、
手術で一命を取りとめたものの、意識はなく寝たきりになって入院している。
コロナ禍での入院だったので、
入院してから10ヶ月間も誰一人面会が許されなかった。
以後、面会が許可されたものの、1ヶ月に1回2人につき15分だけという厳しい制約があった。
毎月の面会は1名は父が、残りの1名の枠を、私、弟、妹の3人で回していた。
意識がないといっても、起きていれば、
こちらの呼びかけに対して言葉を発することもある。
脈絡はないといっても、母の言葉を聞けるだけで嬉しいことだった。
一方、せっかく面会に行っても、口を開けてゴーゴーと寝ているだけのときもあり、
そんなときはスゴスゴと病院を後にした。
さて。
そんな母との面会の制限が、この4月からようやく少しばかり緩和された。
昨年春のコロナ制限が明けてから、世間の他の病院の面会制限は大分緩和されていた。
しかし母の病院の制限は一向に緩和されず、私と妹は不満を訴えていた。
実際に昨年秋には、病院長に手紙を書いて心情を伝えたりと行動も起こしていた。
その思いがようやく通じたのか、
世間の圧力を無視できなくなったのか、理由は分からぬが制限が緩和された。
1週間に1回2人まで15分のみ、と、まだまだ制限はきついのだが、大進歩だ。
これまで3ヶ月に1回しか面会出来なかったのが、
少なくとも1ヶ月に1回は会いに行ける。
何てったって、3月で退職した今の私には、時間がたくさんあるのだから。
そして、実はフルタイム勤務だった妹もこの3月に退職している。
という事実が、偶然としては出来すぎな巡り合わせだと感じずにはおられない。
神様のプレゼント、のようなシンクロニシティである。
どうせなら、プレゼントついでに、
母が奇跡的に意識を取り戻し、
感動の会話が成立、、、なんてことが起こりやしないかと、と夢想している。