食べることこそ生き甲斐ブログ 職業 農家

畑の中や外で起こったことを、とりとめなく書き込みます

また出た、謎の支援対象

2022-07-03 20:05:32 | 日記
さすかは日本政府、色々と不思議な支援を農業者にしてくれます。
肥料価格高騰への対策として化学肥料の使用量を2割減らした農家だけを対象に
肥料価格の上昇分の7割を補助すること決めたそうです。
いやー、農水省の担当も出席した会議で決めたそうですが、これは無いわ。
農業という産業を蔑ろにしてる。と言うしか無い。そもそも生産コスト削減するために
化学肥料を2割カットって。有機肥料の方がコストかかかる場合か多いんですが。
仮に化成肥料の代わりに鶏糞を使うとしたって、今まで同様に良い作物を生産出来る
とは限らない、各農家、各地域で元肥追肥などそれぞれ基本となる
肥料設計があるはずだし、急に有機肥料に代替でやって成功するなんて保障は何もない。
せめて肥料に関しての上昇分は1年間補償するから、その間に化学肥料を削減する
栽培を試行錯誤しといてくれと言うなら、まど話はわかります。
それに生産コストの低減が肥料だけなんてセコ過ぎる。
ビニールハウスで冬場の野菜を作る人々は、昨年から今年にかけては痺れるような
燃料コストの上昇に泣いた。例年だと、ひとつき20万くらいかかっていた燃料費が、
50万かかったという話も聞いた。そういったエネルギーコスト上昇分はどうするの?
ビニールマルチにしたって、ビニールハウスの鉄パイプにしたって全て値上げ
してます。生産コストはおそらく全て込みで3割くらいは上昇しているかと。
もう少しすると4年に一度の価格改訂、殺虫殺菌剤の値上げもほぼ決まったそうです。
そんな中、化学肥料を減らした農家へ限定し、肥料価格の上昇分の7割だけの補助とは。
農水省の担当、どうした?全然農家の実情を捉えてないぞ。それともすでに日本には
農業分野へ回す金は無いのか?
野菜農家は人件費というものをほぼ計上せずになんとか経営しています。
日当いくらとか当然あるわけありません。その時の相場次第で野菜価格は変わります。
野菜が高ければテレビでニュースになり、安くて出荷できず処分すればニュースになります。
しかしすでに農家の方も生産コストが上がり過ぎて、まともにやり繰りすることが
きびしいところになってきています。そういったことはほとんどニュースになりません。
一般消費者の日本の農業を応援する声がさらに高まり、政府にはもう少しまともな対策を
とってもらいたいものです。やってるふり感だけの肥料高騰対策では
食料の自給は崩壊してしまいますよ。他国に食料を依存するなんて、これから食料不足が
起こることが目に見えてる世界情勢ではありえない愚策です。
とりあえず今回の対策は食料を届ける責任があると考える農家と政府との
ギャップ、溝を感じずにはいられない残念な内容でした。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿