その時が来る(2) | 京阪大津線の復興研究所

京阪大津線の復興研究所

大津線とは、京阪の京津線と石山坂本線の総称です。
この大津線の活性化策を考えることが当ブログの目的です。
そのために、京阪線や他社の例も積極的に取り上げます。

同じ線路を複数の鉄道事業者が共用している例は全国にいくつかあります。その1つが、東京メトロ南北線と都営地下鉄三田線の目黒―白金台―白金高輪間です。ここでは東京メトロが第一種鉄道事業者として線路を所有・運営するとともに、東京都交通局が第二種鉄道事業者として東京メトロに線路使用料を支払って運営しています。

 

この区間では改札口も共用なので運賃も統一されています。適用されているのは東京メトロの運賃であるため、三田線の列車に乗る場合であっても、都営地下鉄の他の区間より安く利用することができます。

 

京都市営地下鉄東西線の御陵―三条京阪間に京阪が参入する場合も、基本的にはこれと同じ形態を採ることになります。ただし、目黒―白金台―白金高輪間とは異なり、京阪よりも高い地下鉄の運賃が適用されることになりますが、これはやむを得ません。

 

いずれにせよ、京阪の他区間と異なる運賃で認可を得るためには、運営専門の子会社として仮称「京津電鉄」を100%出資で設立し、これを第二種鉄道事業者として、第一種鉄道事業者である京都市交通局に線路使用料を支払う必要があるでしょう。

 

ただ、御陵―三条京阪間で完結する需要はそれほど多くありません。重要なのは御陵の東隣の山科です。御陵で分岐する京津線も京阪山科駅を設けていますが、東西線との運賃合算が生じるため、京都都心方面への利用客のほぼすべてを奪われてしまいました。これが大津線低迷の最大の原因となっています。

 

しかし、地下深くに設けられた東西線の山科とは違い、京阪山科はJRの山科とバスターミナルに挟まれた地上駅です。乗り換えの利便性は東西線の比ではありません。よって、御陵―三条京阪間の運営権を取り戻せば、失った利用客を容易に取り戻すことができます。

 

とは言え、それでは京都市交通局が難色を示すことは避けられません。また、駅前のショッピングセンター「ラクト山科」に立ち寄るには、地下1階で直結している東西線の駅のほうがやや有利です。利用客の利便性も考えるなら、京阪山科を山科(3・4番ホーム)に改称し、東西線の山科と同一駅扱いにするのが妥当でしょう。都心方面への運賃も、東西線の山科を基準にして計算するものとします。

 

 

これならば、山科の乗降客は必要に応じて地上ホームと地下ホームを使い分けることができます。地上と地下では改札口が別であり、実際にどちらで乗降したかは自動改札機のデータから読み取れるので、それに応じた収入の配分が可能です。

 

御陵―三条京阪間には蹴上・東山の2駅があり、いずれも周辺に観光名所や学校が多数立地しています。しかし、東西線と京津線の列車を両方停めるのは供給過剰です。京津線の列車は蹴上・東山を通過する準急に格上げして大津や山科からの速達性を高め、その1分後(逆方向は1分前)に東西線の各駅停車を走らせるのが良いでしょう。

 

また、現状では京津線からの乗り入れ列車は最長で東西線の終点である太秦天神川まで直通していますが、これでは山科からの需要増に対応できません。東西線への乗り入れを三条京阪の1つ西隣の京都市役所前で打ち切り、京津線の起点で石山坂本線との接続駅であるびわ湖浜大津発着列車と、山科の1つ東隣の四宮発着列車を交互に走らせるのが妥当です。

 

これらを前提とすれば、収入の配分基準は次のようになります。

 

 

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