「お疲れ様でした!」
今日の分の仕事が終わり、挨拶をして笑顔で手を振って移動車に乗り込む。
「はぁぁぁ…」
深いため息を吐いて、目を閉じる。
いつもなら何でもない言葉に、今日はいちいちイラついてた。
いつもならやらないような失敗もした。
仕事中は感情を出すこと無く笑って居られるんだけど、少しでも離れるとため息が漏れる。
窓の外は、チラチラ降る雪。
街の灯りもキラキラ輝いてる。
「はぁぁぁ…」
もう一度深いため息が出る。
自宅の駐車場に着いて、マネージャーから明日の予定を聞いて確認して別れた。
重い体を引きずってエレベーターに乗り込む。
部屋までが何となく遠い。
「ただいま…」
ぐったりとしたまま玄関を開ければ、パタパタとスリッパの音を響かせて顔を覗かせる彼女。
笑顔が俺を見た途端に曇っていく。
「…大丈夫」
何とか笑顔を作って、彼女と一緒にリビングに入ってソファーに座る。
隣で心配そうにしてる彼女の膝に、ポスンと転がる。
ふわふわで甘く優しい匂い。
安心する。
「When you wish upon a star…」
優しく髪を撫でながら、ゆっくりと歌い出す。
俺が落ち込んでたりモヤモヤしてたりした時に、必ずしてくれる仕草。
彼女の歌声にギスギスしてた心が落ち着いていく。
ゆっくりなテンポでの歌声が終わり、上を向くと優しい笑顔。
彼女の頭を少し引き寄せて、キスをする。
甘い甘い時間に包まれて、さっきまでのモヤモヤはすっかり居なくなってしまった。
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えー本日は緑さんで。
ずーっと笑顔で居ることって、結構疲れちゃうよね。
こんな風に癒して貰える空間があるからこそ、また笑顔に戻れるのかなぁ、と。