The Whotens企画イベント@下北沢WAVER(/w Rainy,Sunnyなど4バンド) | とかげ日記

とかげ日記

【日記+音楽レビューブログ】音楽と静寂、日常と非日常、ロックとロール。王道とオルタナティブを結ぶ線を模索する音楽紀行。

本日(12/4)行われたThe Whotens(フウテンズ)企画イベントの感想を書きます。


演奏から連想するアーティストやジャンルを書いていますが、そういったラベリングが嫌いな方には合わないかもしれません。僕の考えでは、人の認識能力はそれほど複雑にできていないので、聴くきっかけとしてラベリングは有効だと思っています。

-Live Title-
    『WHERE TO BELONG』


Where → Wh
To →o T
BELONG →EN
👇
Whotens ❣️

フウテンズ、イベント名も凝ってるね!
(ライブ後の吉田君の引ツイによると、単なる偶然だったみたいです💦)

-act-
    The Whotens
    Rainy,Sunny
  ペンギンとジョーカー
    chau chau
    人生ゲーマーズ

以下、アクト順に感想を書いていきます。

★①chau chau
3ピースバンドだが、今日は中盤からリードギターを迎えて4ピースだった。

出だしの一曲目で、くるり「ワンダーフォーゲル」のギターの音色を鮮やかにしたようなギターリフが炸裂。同じくくるりの「愛なき世界」を平坦にしたような歌メロにくるり愛を感じた。

だから、くるり愛のフォロワーバンドなのかなと思っていたら、曲が進むにつれ、ミッシェル、ニルヴァーナ、エレカシ、イースタンユース、ゴイステなど、直接的か間接的に様々なアーティストへの参照点を見つけた。これはまさに音楽愛。ルーツがしっかりしていて多様だからこそ鳴らせられる豊かな音だ。

最後の曲の終盤のギター轟音は物語があって聴きやすくて素晴らしかった。

★②人生ゲーマーズ
Jpop的なメロディの強さと歌謡パンク的な音の主張の強さがあるツインボーカルバンド。今日はこのバンド名に改名して初めてのライブとのこと。

パワフルでダイナミックなドラムが良かった! 歌をどう聴けばよいか、道先案内人にもなるドラムだった。これほどパワーを感じるドラムは活動再開後の太平洋不知火楽団のツガネリョータさんぶり。

ザ・破天荒なギターボーカルの方は鋲パンツで髪も染めてヴァン・ヘイレンかというくらい、ハードロックな格好。もう一人のボーカルのキーボーディストは真島昌利さんをリスペクトしていそうな帽子とTシャツ。

真島昌利さんといえば、ブルーハーツ、ハイロウズ、クロマニヨンズからの音楽の影響をこのバンドには感じた。あと、ゴーイングアンダーグラウンド的な素朴なメロディを激しいサウンドに乗せる発想が良かったです。

★③ペンギンとジョーカー


胸アツ歌ものギターロックを奏でる3ピースロックバンド。アジカンかっ、というくらいギターが強く、あいみょんかっ、というくらい歌メロが強い。

ボーカルが若かりし日のスピッツ草野さんを彷彿とさせるイケメン。演奏もスピッツのロック的側面からの影響を感じさせるものだった。ギターソロを含めたギターのフレージングがキャラクターがあって好きだ。

最後の曲でミッシェル的パブロックを聴かせてくれて、バンドも観客もゴキゲンになる。良いバンドだね!

★④Rainy,Sunny


実力派ポップロックバンド。歌の良さと4人のメンバーの総合力で魅せるバンドだった。女性ベーシストのたたずまいがオトナカワイイで魅力的。

そういえば、このバンドのギターボーカルもスピッツの草野さんに似ていた(主に髪型が)。音楽性もスピッツから危うさを引いて、スピッツでは少ないシャウトの熱を足した感じだろうか。アゲからサゲまで、山頂から深海まで、表現が多彩だ。

途中でポエトリーリーディングを挟むところはオザケンからの影響を感じた。オザケン、スピッツ、スィートショップ、フーバーオーバーのようにポップなバランス感覚の素晴らしいバンドだった。

★⑤The Whotens


今日のベストアクト。実力も訴求力も今日の出演者の中でNo.1 。サウンドチェック中のドラマーのドラミングからして他のバンドと一線を画す! 歌唱と楽器隊の演奏にコミュニケートしようとする意思が感じられて、エゴの押し付けみたいな音楽とは丸っきり違うのだ。

The Whoopsの切実かつイノセントでポップな世界観、The Whoのロックンロールのイカしたバイブス。The Whoの名がつくそれらのバンドの良き精神を受け継いだ、現在でも音楽シーンやライブシーンの先端で闘っていける力があるバンドだと思う。

ソングライターが二人いる(フロントマンの吉田やもり君とドラムのかんざわりあむさん)のもあって、とにかく曲が良い。失われた良い"うた"がここにはある。売れるか売れないかでいえば、今日出演のバンドの中でもっとも売れる可能性のあるバンドだろう(売れることを放棄しているバンドもいるし)。

現在でも歌詞は半端なクリシェを使おうとしない姿勢が表れていて良いと思う。歌詞の世界の切り取り方にはリアリティが感じられ、そこからはみ出していこうとするロマンティシズムを感じられる。

ただ、言葉の使い方が紋切り型やステレオタイプにも感じられる歌詞がもっとこなれれば(「狂った世界」とはどんな世界なのだろう、「闇を抱えて」とはどんな闇なのだろう)、歌詞も魅力のバンドになると思う。セカオワも初期は歌詞が生半熟だったが、現在は完成度の高い歌詞になっている。軽やかな音楽でありつつ、言葉が成熟して含蓄を含み、重みを持つようになった時にこのバンドは化けると思う。

でも、今のままでも青々しさが青春である良いバンドだ。ライブはショーであり、エンターテイメントであることを(そう、グラムロックのアーティストのように)心得ている。吉田君はアナーキーインザUKのシャツを着ていたが、ロンドンパンクのような無軌道な熱と、ピロウズのような繊細に構築されたポップネスが共存する素敵なバンドだ。

熱気のあるフロアーの様子を見て、スピッツがメジャーデビュー前に新宿ロフトに出演していた時の熱気もこんな感じだったのかなと妄想が浮かんだ。良いバンドを青田買いしたいレコード会社や事務所のみなさん、このバンドは一推しですよ!


🦎オマケ🦎
フウテンズが好きな方にはダニーバグをオススメしたいし、ダニーバグが好きな方にはフウテンズをオススメしたい…❣️
ポップだし、ロックだし、リリカルだし、20年代のバンド音楽は君らに任せた!👍


ダニーバグ「my list」MV


ダニーバグ「雨の日の少年」MV