TDY、Temporary Duty。アメリカの軍隊用語で出張を意味する。世界の僻地の出張記録!TDYの次は日常の雑感

現役時代の出張記録。人との出会いと感動。TDY編を終え、写真を交えた日常の雑感を綴る。

折々の写真&雑感 415

2023年01月22日 | エッセイ
 中学時代の仲間内での昼食会が年に数回あり、それが今でも続いている。そのときの会は特別に裕福な友人宅で開かれた。新築後に彼のお宅に伺ったのは初めてだった。そのとき、玄関が非常に広かった印象がある。最寄りの駅で、5、6人の悪ガキ仲間と待ち合せて彼のお宅に向かったのだが、全員が一度に入ってもかなりのゆとりがあった。

 普段の会は10人かせいぜい多くても15人ほどだが、今回は20人を超えていた。彼の自宅の新築祝いと仲間の一人が衆議院議員に立候補しているので、その励ましの意味もあった。その時に集まった連中は中学の同級生とは云え、中には顔も名前も全く記憶のない奴が何人かいた。だが、座は和やかであった。私はそれほど酒に強くないので豪華なご馳走に夢中になっていた。知らない奴が何人居ようと、同級生は同級生だと気にもしなかった。

 その会から一週間が過ぎたころ友人の一人から電話があった。「朝、俺の出勤前にパトカーが来て中野警察署に連れていかれた。この前の会が、あいつの選挙違反だったと取り調べられたんだ。あんな豪華な食事がたったの千円の会費で出来るわけがない。立候補者が票を集めるために金を出してお前たちを集めたんだろうって、机をたたきながらすごい剣幕で怒鳴られた。俺の前にも何人か呼ばれていたらしい。千円の会費でどんな料理が出たか、誰の隣に誰が座っていたかまで知っていた」。そんなことになっているとは全く知らなかった。「次は俺の番かな?」と聞くと、「心配するな、俺が食い止めてきた。次はお前の番だったらしく、俺にお前のことを色々と聞いてきた」。

 電話をしてきてくれた友人は非常に冷静であるばかりか非常に頭のいい奴で、「中学の同級生が集まってどこが悪い。そこにたまたま衆議院議員に立候補している奴がいただけだろ。選挙の話なんか一切なかったし、立候補していることを知らない奴までいた。アンタ、自宅に親しい友人を招き、その料理に応じて金を取るか?それに選挙に金がかかり、あいつにそんな金が出せるわけがないだろ。どこから選挙違反だと聞きこんだか知らないが、俺たちの選挙区を調べたことがあるのか?あいつの選挙区に住んでいる奴は、頼まれなくたってあいつに投票するだろう、そのどこが選挙違反だ?頭を冷やせ。こんな詰まらないことで何回も呼ばれるなら、その時出席した同級生の親父にこの容疑の相談に行ってくる。アンタの名前はなんて云うんだっけ?」と逆に取調官をやっつけたらしい。友人の親父に警視庁か警察庁のトップに近い人がいるように匂わせたようだが、そのような父親を持つ同級生など聞いたことがない。

 当時の我々の昼食会は3千円前後の会費だった。それで、私が皆からその金額を集め始めると、我々を招いてくれた友人が「お前、そんなことするな。自宅に招いて金を取るなんてこと出来るか!」と云われた。仕方ないので、新築祝いということで一人頭千円で手を打って貰った。料理で一番印象に残ったのは幾つもの大皿に盛られた蒸したアワビだった。そのほかにはローストビーフが記憶にある。彼の奥さんと女中(当時はお手伝いさんとかメイドなどとは呼ばれていなかった)だけでは到底作れる料理の数ではないので、近くに住んでいる同級生の奥さんも何人か駆り出されたらしい。

 ありもしなかった選挙違反の話を警察に持ち込んだのは誰であったのか、立候補した友人に恨みを持っている奴か、対立候補の仲間か、未だに不明だ。中に、その犯人を知っているようにほのめかしている奴がいるが、誰であるか今になっても云おうとしない。知ったかぶりをしているだけか、仲間の注目を引き付けたいだけか、或いはそいつが犯人か、いずれにしろ、そんな奴を誰も相手にはしていない。

 コロナが怖く、繁華街を通過して写真を撮りに行くことが非常に少なくなった。以下の写真は、一月の新宿御苑の写真であるが、年も日にちも違う。一月は撮るものが少なく、毎年苦労している。川崎の日本民家園に行けば、季節に関係なく撮影を楽しめるが、今までに50回以上も通っているので、このところ行っていない。












最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。