結婚式の撮影を約2000組ほどやってきた人間です。

 

さて、

1978年公開のSF映画に「カプリコン1」というのがあって、「実は人類は火星に行っていない」という奇想天外な発想に驚きました。大好きな映画です。

 

さて、今回は「アプリコン」・・・・「アプリ婚」のお話です。

 

私が結婚式の撮影を始めた1987年。当時の婚礼事情は、恋愛結婚が主でした。中でも「社内婚」が一番多かったと思います。自分の感覚では「6割が社内婚」だったような気がします。

 

「仲人」はほぼ100%ついてましたが、当時は「結婚式のために整えた、形式上の仲人」がほとんどであり、昔ながらの「お相手を見つけて紹介し、お見合い結婚として、くっつける」という、本当の仲人はすでに少なくなっていました。

 

ただし、個人の「仲人」ではない、会社の事業として「お見合いをさせる」企業が出現し勢力を伸ばしていました。これ、実際に1~2割はあったと思います。ただ、当時は「お見合い結婚」というのは「恥ずかしい」と感じる人が多くなっていて、実際はそういう会社を利用した「お見合い結婚」なのに、披露宴の時の紹介の体裁は「趣味のサークルで出会った恋愛結婚です」とカモフラージュするなんてこともありました。

 

その後、終身雇用制が崩れてくると、社内結婚は減少しました。

そして、「神前式からキリスト教式結婚式への移行」「バブル崩壊」という状況下、急激な変化として「仲人」が消滅しました。

まあ、仲人を立てると、いろいろお金もかかりますからね。でも、ほんと、あっという間に消滅して現場ではびっくりしたものです。(仲人がいないほうが、仲人の挨拶の時間とか削減できるため、式場業界も、仲人の消滅を後押しした背景もあると思います)

 

そして、時代が変わって、スマホなどの発明、IT社会になり、「出会い系アプリ」「マッチングアプリ」が出現します。

これも画期的な変化でした。当初は、こういうアプリで結びついたことを恥ずかしがって、「友達の紹介で出会いました」とかカモフラージュする人もいましたが、今はもう、披露宴の冒頭の「司会者からの2人の出会いの紹介」で、堂々と、「マッチングアプリで出会いました」と公表するようになっています。まったく恥ずかしいことではない、という社会的認識になっているのかもしれません。

 

ある統計では、2022年現在、「マッチングアプリ経由の結婚」は37%だそうです。

ほんとに増えましたね。

 

そして、面白いのは、「マッチングアプリ経由で結婚した人の離婚率が低い」ということ。

でも、これって、考えてみれば当たり前で、出会う前までの段階で、「お互いのことをいろいろ調べている」「優秀なコンピューターソフトで相性のいい人を紹介している」「趣味や思想があっている人がマッチングされる」ということで、別れにくいのは当然という気がします。

 

とにかく、そういうことで、今は、結婚の出会いに関しては「アプリ婚が第一位」だそうです。

 

アプリコン1

 

ってことですな。