侠客シリーズ 清水の次郎長伝 ① | 中杉 弘の徒然日記

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広沢虎造 石松と三十石船   曲師・森谷初江

侠客シリーズ 清水の次郎長伝 ①

 

 まあ、侠客(きょうかく)でもっとも有名な人は、清水次郎長でしょう。まさに海道一の大親分です。これは、広沢虎造の浪曲の影響が大きいのです。

 戦後、長い間ラジオで浪曲を流していたのです。広沢虎造の浪曲を聞いて、風呂屋では、親父がうなっていたのです。

 一人の親父が「♪旅~ゆけば~ああ、駿河の国に~茶の香り~♪」と歌いだすと、あちらの親父も「旅~ゆけば~ああ」と歌い始めるのです。

 僕は子供の頃に浪曲を聞いていたから、みんな覚えてしまいました。その影響で僕は、誰よりも浪曲は上手いのです。子供の頃に聞いたものは、スッと覚えてしまうのです。漫才師が浪曲などをやっても、全然上手くありません。

 浪曲は節回しが違います。そこで僕が驚いたのは、最近、YouTube動画で、二葉百合子の浪曲を聞いたのです。すごいものです。大したものです。普通の演歌歌手でも、あの声は出せません。

 二葉百合子のことを、演歌歌手は「先生!」と呼んでいるのです。確かに先生です。声の出し方が、全然違います。歌謡曲で歌う浪曲と、漫才で歌う浪曲と全然違います。二葉百合子は、4歳から浪曲をやっているのです。

 お父さんに連れられて、4歳から浪曲を習っていて、お金をもらったのが6歳だったのです。それから浪曲一筋でやってきたのですから、すごい人です。うまさが違います。浪曲をやってきた人が演歌歌手になっている場合もあります。

 三橋美智也も、村田英雄も、三波春夫も浪曲師そのものです。講談師という人もいったのです。

 講談は、大きく三つに区別されています。「軍談」「御記録物」「世話物」の三つです。「軍談」はもちろん、合戦の話です。「太閤記」「三方ヶ原戦記」「太平記」等です。「御記録物」は、将軍家や大名に伝わる記録、伝記を読むのです。昔の講釈師は、「俺は天下の御記録読みだ。」と威張っていました。御記録物の変化形が「御家騒動物」と呼び、「赤穂義士伝」「慶安太平記」「伊達評定」等があります。

何しろ、そのような偉人伝を聞かないと、ロクな人間に育ちません。僕は、広沢虎造の清水次郎長伝をラジオで聞いていたので、「清水次郎長は、海道一の大親分だ」ということを、知っていたのです。

 清水次郎長以外では、幡随院 長兵衛(ばんずいいん ちょうべえ)がいます。それから、国定忠治もいます。それぞれ偉い人です。

 幡随院 長兵衛(ばんずいいん ちょうべえ)は、江戸時代前期の町人です。町奴の頭領で、日本の侠客の元祖と言われています。『極付幡随長兵衛』など、歌舞伎や講談のの題材となりました。本名は塚本伊太郎(つかもといたろう)。妻は、口入れ屋の娘のきんです。

 唐津藩の武士である塚本伊織の一子とされていますが、滅亡した波多氏の旧家臣の子であるという説や、幡随院(京都の知恩院の末寺)の住職・向導の実弟または幡随院の門守の子という説もあります。

 幡随院 長兵衛(ばんずいいん ちょうべえ)が口入れ屋やをやっていた頃に、白柄組という連中がいました。それは、武家の次男連中です。長男は家を継ぎますが、次男は家でゴロゴロしていて、仕事はありません。そのような連中が白柄組という組をつくっていたのです。刀の柄を白い紐でまいて、そろえていたのです。それを白柄組といい、水野十郎左衛門(じゅうろうざえもん)が親分です。

水野十郎左衛門(じゅうろうざえもん)は、旗本の長男でしたが、お役入りを辞退して自ら小普請入りを願ったのです。そいつらが、のさばっていた時代です。

 その連中が、「太平の世の中は、退屈だ」と言って、犬を蹴り上げたり、町人を虐めたのです。いわゆるヤクザです。そのようなことをやっていたのです。

 その時に口入稼業をやっていたのが、幡随院 長兵衛(ばんずいいん ちょうべえ)であり、元侍です。口入れ屋とは、「今度、大名行列で、奴さんを100人、調達してくれ」と言われると、調達したのです。

 100人の奴さんをそろえると、行列が華やかになります。国元から大名行列をするのですが、城下町が近くなると、途中で草履を履き替えたのです。旅に出て誰もいないのに、「下に~下に~」とやっているわけではありません。

 すたこらさっさと早足で歩いて、城下町が見えてくると、口入れ屋に話をつけて「100人貸してくれ」と言うと、100人が行列に加わるのです。すると、グッと行列が華やかになったのです。

 国元から来るのは、小さな藩だと100人くらいです。大きな藩だと2千人です。口入れ屋で、100人以上の人数を調達したのです。口入れ屋とは、そのような仕事をしていたのです。今でいう人材派遣会社です。「女中さんを探してくれないか」と言われると、女中さんを探したのです、

 江戸時代には、中間(ちゅうげん)という武家の召使の男がいました。中間男は、お侍さんの家に住んで奉公したのです。家の中で様々な用事をいいつけられるのを中間といいます。これも口入れ屋が入れたのです。

 口入れ屋は、侍ではありません。武士は両刀を差していますが、奴さんは刀を持てないので、木刀を後ろに差していたのです。それも口入れ屋で入れたのです。

 そのような家業の親分が、幡随院 長兵衛(ばんずいいん ちょうべえ)といったのです。これと白柄組がぶつかったのです。ぶつかると、いつも喧嘩です。武士は、「なんだ、百姓どもが!」と言うのですが、幡随院 長兵衛(ばんずいいん ちょうべえ)も一歩も引きませんから、喧嘩になってしまうのです。

 双方乱れて、長い闘争が始まってしまったのです。水野十郎左衛門(じゅうろうざえもん)は、「俺が和解させてやる」と言って、幡随院 長兵衛(ばんずいいん ちょうべえ)を自宅の風呂に誘ったのです。お風呂に入ったあとに、「仲良くしましょう」と言って、幡随院 長兵衛(ばんずいいん ちょうべえ)が真っ裸になったときに、水野十郎左衛門(じゅうろうざえもん)が殺害したのです。そのような話です。

 国定忠治は、江戸時代後期の侠客です。「国定」は生地である上野国(上州)佐位郡国定村に由来し、本名は長岡忠次郎です。

 国定忠治は、豪農の家に生まれて、後に博徒となって上州から信州一帯で活動し、「盗区」として一帯を実質支配する。天保の大飢饉で農民を救済した侠客として、講談や、浪曲の題材となった。赤城天神山の場での台詞「赤城の山も今夜を限り」は、歌舞伎の決め台詞ばりに普及しました。

出身は、豪農ですが、博打うちになってしまうのです。剣術も結構強かったのです。天保の大飢饉で、代官に向かって、真っ向から斬りつけたのです。国定忠治は、代官と喧嘩をしたのです。普通は、そんなことはあり得ません。代官は、国家の中枢です。それに対して日本刀一本で立ち向かったのです。最期は、磔の刑になったのです。国定忠治も侠客の一人に入るでしょう。

 侠客とは、世の中の人を助けるために立ち上がった人です。ヤクザと言ったら、格好悪いですが、侠客と言ったら、尊敬されたのです。

 昔は、揉め事があった場合に庄屋さんや、名主がいたのです。揉め事は、3人か4人で決めて、治めたのです。

明治政府になると、全て官庁がやることになったのです。何から何まで官庁がやることになったので、侠客という人がいなくなってしまったのです。

 侠客は喧嘩が強かったのです。民衆は、「揉め事があったら、親分に頼めばいいや」ということで、頼りにしていたのです。

 その中で「海道一の大親分は、誰だ?」と聞くと、「それは、泣く子も黙る清水次郎長だ!」となるのです。なぜ、僕がこのような話をしようと思ったのかというと、次郎長のこの一言が気に入ったのです。

 明治になると、当時の新聞記者が「次郎長さんのために死ぬ子分は、何人いますか?」と質問したのです。

 すると次郎長は、「俺のために死ぬ子分は、一人もいないよ。だけど、俺は子分のためには、いつでも死んでやる」と言ったのです。これが次郎長の答えです。

 この話を聞いた時に僕は、「これは今、日本で一番欠けている点だな」と思ったのです。自民党の政治家は、自分のためにインチキをやって、ニセの領収書をつくって、裏金をごまかしているのです。それが安倍派の自民党議員です。

 国のために死ねる奴は、いないのでしょうか? 誰もいないでしょう。政治家は、自分の利益のために動いているのです。派閥の親分は、金を配って、だまらせているのです。国師というものが、誰もいません。国師とは国の師匠です。これが今の日本にかけているのです。(②に続く)

 

 

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