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RallyFunJapan | WRC 2025 SAFARI RALLY KENYA DAY1:大荒れの1日

2025年シーズン最初のグラベル(未舗装路)イベントとなるサファリ・ラリー・ケニアは、今年もケニアの首都ナイロビの約90km北西に位置するナイバシャを中心に開催。今大会はステージの総走行距離が383.10kmに達し、ラリーが2021年にWRCのカレンダーに復帰して以降最長のイベントとなります。

ラリーはまず19日(水)の午前中に有名な「スリーピング・ウォリアー」のエリアでシェイクダウンが行なわれ、WRCではヨーロッパ圏外でのプレイベントテストが禁止されているため、チームとドライバーにとってはクルマをケニアの道に最適化する貴重な走行機会になりました。

競技は翌日の20日(木)からスタートし、ナイロビ中心部での華やかなセレモニアルスタートに続き、ナイロビ郊外のカサラニで、2台同時走行のスーパーSS「スーパー・スペシャル・カサラニ」が行なわれました。広大な草原地帯に設けられた全長4.76kmのステージは全体的にやや湿り気を帯びており、所々に水たまりもあるなど非常に滑りやすい区間もありました。

その後、ドライバーたちはナイバシャのサービスパークに戻る途中で、新ステージのSS2「ムザビブ1」を走行。草原地帯を駆け抜ける全長8.27kmのステージも雨で一部路面が泥状となり、出走順がタイムに少なからず影響を及ぼしました。

金曜日から一日を通してステージを走行する「フルデイ」がスタート。サービスパークから近いナイバシャ湖の周辺で「ロルディア」、「ケンジェン・ジオサーマル」、「ケドング」という3本のステージを、サービスパークの北側に位置するエレメンタイタ湖の近くで「キャンプ・モラン」のステージを、ミッドデイサービスを挟んで各2回走行。8本のステージの合計距離は157.58kmと、4日間で最長の一日でした。サービスパークの周辺は早朝から青空が広がり、午前中のステージは概ねドライコンディション。ただし一部には湿っていたり、泥に覆われた区間もありました。

オープニングの新ステージ、SS3「キャンプ・モラン1」は、全長31.40kmと今大会で最も距離が長いだけでなく、道幅が狭くツイスティなコーナーが続く山岳ステージでした。

その金曜日の1日を終えて、金曜スタート時点ではトップを走っていたオット・タナックがアフリカの過酷な環境の中でマシントラブルに見舞われ、タナクに変わってFIA世界ラリー選手権(WRC)首位のエルフィン・エヴァンスが、サファリ・ラリー・ケニアの劇的な消耗戦の中首位になりました。

グレート・リフト・バレーを横断する8つの過酷なグラベル・スピードテストが行われた金曜日。 ラリー1の半数以上がトラブルに見舞われ、このラリーの容赦なさを痛感させられる事になりました。

タナクは序盤、4回のステージ優勝を飾り、1分近いリードを築いていました。 しかし午後になってドライブシャフトのトラブルが発生し、彼のヒュンダイi20 Nラリー1は後輪駆動のみとなり、最後の2つのステージでタイムを失い、首位に55.4秒差の総合3位に後退してしまいました。

一方でエバンスは、クリーンかつ安定した走りを見せ、ファステストタイムは1度も記録しなかったものの、着実に順位を上げ、最終ステージのフィニッシュ付近で右リヤタイヤの空気圧が低下したことが、唯一の痛手な位で、安定した走りでチームメイトのロバンペラと僅差の首位で1日を終えました。

ロバンペラはケドンステージの特に狭い区間でスピンを喫し、マシンを正しい方向に向けるのに手間取ってしまいました。 この災難を除けば、フィンランド人は比較的ドラマのない1日を過ごしました。

Elfyn Evans

今日はクリーンかつ力強く戦うことができた一日でした。必ずしも最速ではなかったかもしれませんが、トラブルなく一日を終えることができたので嬉しく思います。タフな一日でしたし、特にループの最初のステージは岩がごろごろ転がるなど路面が荒れていて、ダメージを負う可能性が高いステージでした。ところどころ慎重に走ったのが良かったようですが、ラリーはまだこれからです。もう少し速く走れるのではないか? さらにリスクを冒せるのではないか? などと感じると少しフラストレーションが溜まるので、今日は自分たちのペースを保ち続けることに専念しました。明日は走行距離が少し短くなりますが、それでも楽な一日にはならないでしょう。

Ott Tänak

午後の第2ステージの終わりで、ドライブラインに問題があることに気づいたが、なんとかステージを終えることができた。 その後、ドライブシャフトの問題だと気づいたが、最終ステージまでに取り外すことができなかったので、エンジンにダメージを与えないように慎重にドライブしなければならなかった。 幸い、最終ステージではなんとか取り外すことができたので、看病する必要はなかった。 明日はまた戻ってこられるように頑張るつもりだが、このコースが荒く、厳しく、マシンに負担がかかることは承知している


一方でトラブルに見舞われたのはタナクだけではありませんでした。 チャンピオンのティエリー・ヌービルは、ギアボックス交換のためにi20 Nの出走が遅れ、1分間のペナルティを受け、さらにジャンプスタート(+10秒)、タイヤの磨耗、SS8での遅刻によるペナルティ(+50秒)など、トラブルが連続。 こうした不運にもかかわらず、ヌービルはタナクから36.0秒遅れの4位。

木曜日に電気系トラブルでリスタートしたアドリアン・フルモーは、SS7でフロント右のステアリングアームが破損し、再びリタイア。 パンクの懸命な治療を行っていたフランス人ライダーは、サスペンションが緩むまで約10kmを空転したタイヤで走行しました。

トヨタの勝田貴元も順調に進みませんでした。 序盤にタイヤが破損して戦列を離れ、ジオサーマルテストでも同様の問題が発生してさらにタイムをロス。 金曜日は総合5位に終わり、トップから4分以上離されてしまいました。

サミ・パジャリもタイヤトラブルで遅れ、7位のジョシュ・マクエレンはMスポーツ・フォード勢を牽引した。 このアイルランド人ライダーは、エキゾーストがつぶれたり、スペアホイールの緩みでトランクフロアに穴が開いたりといったトラブルと闘いながらの走行となりました。

WRC2首位のカジェタノヴィッチは、SS7でフェシュフェシュの深いセクションにスタックしたオリバー・ソルベルグからトップの座を奪い、総合8位につけた。 トヨタGRヤリスラリー2を初めてドライブするポールポジションのカジェタノヴィッチは、同カテゴリーのライバルであるガス・グリーンスミスとヤン・ソランズに対して僅差のアドバンテージを保ちました。


22日の土曜日は、サービスパークの北側に位置するエレメンタイタ湖の周辺で「スリーピング・ウォリアー」「エレメンタイタ」「ソイサンブ」という定番の3ステージを、ミッドデイサービスを挟んで各2回走行。そのうち、スリーピング・ウォーリアーは昨年よりも走行距離が大幅に短くなり、ソイサンブは進行方向が逆向きになるなど、大きな変化もあります。6本のステージの合計距離は146.50km、リエゾン(移動区間)も含めた一日の総走行距離は417.12kmとなります。

End of day One (Friday):

1 Elfyn Evans/Scott Martin (Toyota GR YARIS Rally1) 2h0045m.4s
2 Kalle Rovanperä/Jonne Halttunen (Toyota GR YARIS Rally1) +7.7s
3 Ott Tänak/Martin Järveoja (Hyundai i20 N Rally1) +55.4s
4 Thierry Neuville/Martijn Wydaeghe (Hyundai i20 N Rally1) +1m31.4s
5 Takamoto Katsuta/Aaron Johnston (Toyota GR YARIS Rally1) +3m26.4s
6 Sami Pajari/Marko Salminen (Toyota GR YARIS Rally1) +4m19.1s
7 Josh McErlean/Eoin Treacy (Ford Puma Rally1) +5m35.4s
8 Kajetan Kajetanowicz/Maciej Szczepaniak (Toyota GR Yaris Rally2) +5m53.8s
9 Gus Greensmith/Jonas Andersson (Škoda Fabia RS Rally2) +6m04.0s
10 Jan Solans/Rodrigo Sanjuán (Toyota GR Yaris Rally2) +6m34.1s

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