今日はエアコンメンテナンスについてです
エアコンって、普通の人は、ディーラーが一番詳しいって、
思っている人は多いと思います。
でもね・・・
知識的に、詳しいことは否定しませんが、
エアコンの冷媒ガスが、その車に何ｃｃ入っているか
それを正確に計る器械を持っているカーディーラーを私は知りません。
事故などで冷媒ガスが抜けてしまった場合は各ディーラーは、
取引先の電装屋さんに出して、エアコンの場合はガスを充填するのが通常です。
その場合、充填の量だけですので高額な機械は必要ありません。
各車両に最適な冷媒ガスの量は全ての車のボンネット裏に貼ってあります。
中身がゼロなんですから、指定の量を充填し、
ガス漏れがないかの確認をすればいいのです。
それではなぜ巷で、エアコンのメンテナンス機械が、
話題になっているのでしょうか
まずエアコンのメンテナンス機械とはどういったものなのでしょう・・・
器械はこれです
左が、新しい冷媒ガス1234に対応するスナップ・オンのエアコンメンテナンス器、
￥2,000,000以上します
右は、従来の冷媒ガス、134aに対応する、スナップ・オン製の機械です。
これも、￥1,000,000以上はします
どちらも今入っている冷媒ガスを真空引きにて正確に量を計って抜き取り、
中で特殊なドライヤー及び洗浄機にて冷媒ガスを、新品の缶にはいっているモノより、
一桁違う純度に再生して（134aの場合新品が99.7に対し、再生後は99.97の純度）、
足りない分を足して、メーカーが推奨している最適な量にしてしまうものです。
この際、新車で行う場合が殆どですので、
どのくらいの量が入っているかというと・・・
6割入っていればいいほうで、
中には規定量の半分以下の車も珍しくありません
これは、今のエアコンの大半がオートエアコンの為、
例えば、室温を24℃で設定したらその温度になるまで、
コンプレッサーは回り続けます。
そして、24℃になったら切れます。
そして25℃になったら再びスイッチが入ります。
ですので、エアコンの冷媒ガスが半分しか入ってなくても、
ユーザーは、24℃になるまでの時間は違いますが、
あまり不満はないと思います
『 じゃぁ何で必要なの』
そう思われるのはごもっともです。
皆さんは、エアコンのトラブルで最も多いのは何だか知ってますか
エバポレーター（エアコン心臓部）・配管からの漏れ・圧力スイッチ・etc・・・
色々ありますが、
最も多いのはコンプレッサーのトラブルです。
そもそもコンプレッサーは機械ものですので、
当たり外れがあったとしても、何万時間動いたら壊れるものです
当たり外れがあったとしても、その差は数百時間レベルで、
時間がたてば壊れて交換します。
先ほどのオートエアコンの話を思い出してください。
冷媒ガスが半分しか入ってなくても効きはそんなに変わらない・・・
でもコンプレッサーの回ってる時間は・・・
そうです
メーカー推奨の規定量に合わせたものと、
半分しか冷媒ガスが入っていないモノとでは、
コンプレッサーの回っている時間は、
雲泥の差です
運よくメーカー保証の3年以内に壊れてくれればラッキーですが、
保証期限が切れた後に壊れたら・・・
実費で交換しなくてはなりません
国産車なら、工賃・冷媒ガス・オイル含めて134aの場合で¥100000前後
輸入車ですと￥200,000～300,000かかるものもあります。
新しい冷媒ガスの1234の場合、ガスが1ｇで、￥70位しますので、400ｇ注入したら、
それだけで、￥30,000超えます
ですから、1234の冷媒ガスを使っている現在の新車は、
従来のコンプレッサーの交換値段の、1.5～2倍はかかってしまいます。
つい最近、
当社の常連で、
BMWのM1に乗っているお客様のエアコンが壊れ、
案の定コンプレッサーの交換と圧力スイッチの交換だったのですが、
ヨーロッパでの戦争の影響と、半導体の不足の為、
部品の納期が2～3か月とのことでした
さすがに今年の猛暑でエアコンなしは無理ですから、
お客様は、泣く泣く同じM1の新車に乗り換えてました
これは実話です。
高額なメンテナンス機械を用意してるのは、
これだけの理由ではありません
次の理由が最も大事
皆さん、
まエアコンの故障の原因てなにが多いか知ってますか・・・
もちろん先ほどのコンプレッサーの過度な酷使もその一つですが、
エアコントラブルをなくすためには、
その内部の状態を最適にすることが重要なんです。
エアコン内部には、
冷媒ガス
オイル
水分
アルミのゴミ
その他のゴミ
が存在します
この水分・アルミなどの金属粉・その他のゴミは、
エアコンの心臓部のエバポレーターを詰まらせ、
コンプレッサーの潤滑を妨げ、
発熱させて、故障へと導きます
このメンテナンス機械は、
先ほど説明したように、
真空引きにてエアコン内部の冷媒ガスや
それに紛れたゴミごと取り出して
純度の高い冷媒ガスに再生してしまいます
わかり易くいったら、
人間の血液の状態
を考えてください
不純物がなくなり、純度の高い冷媒ガスとオイルの状態が左、
純度が低く、ゴミや不純物が多いのが右ですね。
一通り冷媒ガスを再生し、充填したら
コンプレッサーの負担をなくして、
焼き付きなどを防ぐエアコン専用オイルの添加剤をいれます。
これは、絶対に入れた方が良いです
134aの場合スノコというメーカーで￥3,000
マイクロロンで、￥8,000
1234の場合添加剤は今のところ、
マイクロロンしか出ていないので、￥12,000
少し高額ですが、絶対に入れた方が良いです
終わった後に、エアコンの温度を最低温度・最大風量でテストするのですが、
冷媒ガスが適正になったせいもありますが、
最低温度で、6℃～10℃違います
まとめますと、
エアコンメンテナンスの必要性は、
①エアコン内部の状態を最適にしてトラブル回避
②冷媒ガスの量を最適にしてコンプレッサーの負担 軽減
③エアコンの能力を大幅にUPさせる（冷房能力）
④コンプレッサーの抵抗が軽減する為、燃費が向上
この4つが大きなメリットです
そもそもエアコンのメンテナンスは、
毎年やるものではなく、
一度やれば、事故とかして
冷媒ガスが漏れてしまったり、
エアコンの効きが悪く、
ガスの漏れがないかと疑る時以外は、
新車（または中古車）を購入して一度やれば良いわけです
毎年やるものではないんです
まさに転ばぬ先の杖
車を長くノントラブルで乗りたい人にとって、
今までにはなかった最良のメンテナンスの一つです。
さて最後にメンテナンスのおよその値段です。
134aの場合、メンテナンスが￥10,000
添加剤が￥3,000～8,000、
追加注入の平均冷媒ガスが200ｃｃだとして、￥1,200位ですので、
合計で￥15,620～￥21,120
1234の場合メンテナンス基本料￥10,000
添加剤が￥12,000
ガスが1ｃｃ￥70円ですので、
200ｃｃ追加した場合￥14,000
合計で￥39,600前後となります。
とくに国産車の場合、
1234のガスは半分くらいしか入っていませんので、
200ｃｃは入ると思ってください。
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