日々の日本舞踊

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長唄「「半田稲荷」と疫病退散のお話

2021-06-17 20:44:57 | 日本舞踊 坂東流 坂東三津五郎

文化10年中村座で三代目坂東三津五郎が「四季詠高三ツ大」と題し「十二ヶ月所作」を踊り評判となりました。これはその中で2月の部分、長唄「半田稲荷」で、三津五郎丈の舞台姿を歌川豊国が描いた錦絵です。
赤一色の衣裳と頭巾、首には下箱を下げ、右手で鈴を左手に「奉納半田稲荷大明神」と書かれた幟を担いだ出立ちは、〽️疱瘡も軽い、麻疹も軽い、祈るは葛西金町の半田稲荷の幟竿』という歌詞とともに、疫病退散を願う人々の想いが集約された形のように見えます。
半田稲荷社の疱瘡除けの御利益を江戸市中に広めたと言われる願人坊主とは、民家の門口に立ち、阿弥陀羅経などを唱え、唄や浄瑠璃を歌い、流行り病を鎮める御祈祷を行なっていたそうです。
満足な薬もない時代には、祈るしかなかったことが伺えます。そして、その時代を即座に反映させた芝居や踊りがあり、大評判をとったという史実が、人々が芝居見物に救いを求めていたことを明らかにしています。
現代に於いても、食物が体の栄養なら、芸術は心の栄養なのでしょう。


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