Grupo Medusaは80年代初頭に活動していたBrasilのInstrumental Groupである。Bossa Jazz Trioの鍵盤奏者のAmilson Godoyに伝説のQuarteto NovoのギタリストHeraldo Do Monte、鬼才Daniel Salinas率いるNostalgia Eletrônica OrchestraのドラムスChico Medori、Azymuthの鍵盤奏者José Roberto Bertramiが在籍していたJazz Samba GroupのOs TatuísやJosé Roberto Trioでベースを弾いていたClaudio Bertrami(Joséの兄弟?)という4人の凄腕Musicianたちによって結成されて、デビュー・アルバムとなる本作を81年にリリースしている。アルバムにはSão Paulo出身のPercussion奏者Theo Da CuícaとToquinhoやBaden Powellと共演している名Percussion奏者のJorginho Cebionが参加している。彼らはBrasilで演奏活動をする傍ら、82年に第3回Festival de Jazz em Parisでも演奏した。翌83年には2ndアルバムとなる『Ferrovias』をリリースしている。こちらはギターがHeraldoからBrazilian Octopusの、これまた凄腕ギタリストOlmir Stockerに交代しているが、引き続き参加したPercussionのTheo Da Cuícaも正式メンバーとして5人編成のGroupとなっている。1曲のみだが、大好きなDominguinhosがSanfonaで参加して躍動感に満ち溢れた演奏をしているのが嬉しい。残念ながらGrupo Medusaは、この2枚のアルバムを残して消滅してしまったようだが、どちらのアルバムにも腕利きMusicianによる極上の演奏が収録されており、80年代に雨後の筍のように登場する超絶技巧のBrasilのInstrumental Groupの中でも上位に位置するQualityの高さを誇った名盤である。アルバムの楽曲の半数を作曲し、2曲を除き殆どの作曲を手掛けているベースのClaudio Bertramiは演奏能力のみならずComposerとしても才能に満ち溢れていることを証明している。
『Grupo Medusa』はGrupo Medusaが81年にSom Da Genteからリリースしたアルバム。
アルバム1曲目“Baiana”はBottomでウネりまくるClaudio BertramiのぶっといベースとAmilson GodoyのピアノによるRiffに導かれHeraldo Do Monteのギター・ソロもキレキレである。Amilsonのピアノとエレピの両刀使いも素晴らしい。それにしても、この躍動感は半端ない。
“Zeby”はAmilsonのElegantなエレピとHeraldoのJazzyなギター・ソロに脱帽。勿論、単なるBossa風のリズムに終わらないリズム隊の奥深さは特筆に値する。
イントロで炸裂するドラムスの激カッコイイBreakから惹きこまれる“Caminhos”。これまたスリリングなキメも鳥肌モノで躍動するリズム隊にのってエレピの流麗なフレーズが軽やかな指さばきで紡ぎ出されていく。エレピもギターも絶品のソロだが、Claudioのベースにはもう口あんぐり。以上3曲がClaudioの作曲。
“Medusa”もイントロからキメが激カッコイイ。疾走感に満ちたリズム隊にのってClaudioのベースが歌いまくり。キレキレのエレピ・ソロもイイ感じ。
“Pé No Chão”はQuicaの響きが楽しい、これまたJazzyなギター・ソロとFunkyなエレピが極上の味わい。以上2曲はドラムスのChicoのペンによる。
幻想的な“Asa Delta”は緩急自在に躍動するリズム隊とエレピとギターの絡みが最高過ぎる。
Percussionが異郷へと誘う“Uma Viagem”も謎めいた雰囲気を持ったナンバー。以上2曲がClaudioとChicoの共作曲。
アルバム最後を飾るのはClaudio作の高揚感に満ち溢れたSamba“Ponto De Fusão”。これまた最高。
(Hit-C Fiore)