先日のCOP26でも外務大臣が印象的な演説をしていたツバル。
研究者たちの抱く危機感とは裏腹に、ツバルに住む人たちは、ノアの箱舟のように神が必ず自分たちを救ってくれると信じて疑わない。
温暖な気候のもと、電話もネットもない環境で、老若男女問わず楽しそうに暮らす姿からは、幸福度の高さすらうかがえる。
でも、ひとたび高潮になれば学校は浸水。
確実に気候変動の影は忍び寄っている。
この映画が製作されたのは2009年(公開は2010年)なので、今はより状況が深刻化しているかもしれない。
ナレーションもなく、インタビューを交えながら淡々と人々の”今”を映し出す。
自然のありのままの音に耳を傾ける。
是枝作品らしい世界観、空気感。
(好き嫌い分かれる気がします。私は苦手。でも作品としてはとても良かった。)
ツバルのことは知っていたけれど、あの美しいベネチアまでもが深刻な浸水被害に遭っているなんて、衝撃でした。
シシマレフ島では永久凍土が溶け出して、国土が削られている。
氷が溶けやすくなるため、氷上で犬ぞりを引いている途中、落ちて亡くなる方もいるそう・・・。
環境問題って、さまざまな問題が複雑に絡み合っていてセンシティブで難しいですよね。
貧困や経済格差とも密接に関連している。
外部からやいのやいの言うことは簡単だけど、そこに住む人たちの生活があり、家庭があり、伝統や文化がある。
特殊なライフスタイルゆえに、他国に移り住んでも簡単には収入が得られない。
単純にその場所を離れることが、そこに住む人たちにとって幸せとは限らない。
たとえ故郷が沈みかけているとしても。
どの島でも子どもの姿がよく出てくるので、娘たちも興味深げに鑑賞。
長女が一番反応していたのは、ベネチアが高潮に見舞われてレストランなどが浸水しながらも営業していたところ。
そして、最高で140cmもの高潮浸水があったこと。
「私も○○ちゃん(妹)も溺れちゃう!」と大騒ぎしていました