リトルプリンス 追記あり | 海をみていたい

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日常。思ったこと、メモがわりだったり、テンションあがって発信したかったり、観劇、観戦、鑑賞日記です。
濱田めぐみさん、町田樹さん、パナソニックワイルドナイツ好き、現在連日HIDEKIさんを思い出しています。
趣味は携帯写真。

かつて、どうして観ていなかったんだろ?

と思ったり、

その頃に観ていたらどういう反応が自分の中にあったんだろう?

と予測がつかなかつたり。

でも、今、観たかったから、今できっといいんだろうな、

って思っています。


実は一幕目は途中から眠くなってしまったんです。

冒頭はどんな始まりなんだろ、と様子見してますから集中していたのですが、

あっという間に街灯を着けたり消したりするシーンもメリーポピンズやオリバーと同じ時代だ、と思い出したり、楽しかったり。

ところが、鳥たちの衣装が幼稚園児のお遊戯会?かと見紛うほどセンスがなくて。雀の被り物みたいな帽子なんてすよ。羽というか、袖の部分もお笑いの人たちみたいな感じだし。その場面だけどうもおかしい。

他のシーンに出てくる沢山の赤い薔薇たちや砂嵐の衣装が雰囲気が出ていて良かったですから、そのすずめみたいなお遊戯衣装と昔風のそれっぽい振り付けがNGレベルだったんです。

一流なダンサーたちのはずなんですが、プティプリンスが地球へ来る前の星々をめぐるダンスシーンがつまらなすぎて二、三度気を失ってしまいました。気づくと地球にたどり着いている始末。一幕が終わってしまいました。

あまりにも有名だし、大好きなお話なので知っている自分の中でイメージ出来ている場面がスパイスというかインパクトのないまま既視感のあるようなありきたりのダンスシーンで繰り広げられても土居裕子さんが担ぎ上げられ(リフトされ)ても正直、こんな演出?となってしまったんです。

それで、最初に書いた過去に観ていたらどう自分は思っていたのかと。


いえ、みたかった舞台がこんなはずじゃない!と休憩中に気を取り直して二幕は気合いを入れて見始めました。

すると面白くて濃くて感動のエンディングまであっという間だったんです。

   


なんと素晴らしい土居裕子さん❗



それこそ妖怪かもしれません!



おいくつか知りませんがあんな素晴らしい歌声と身のこなし、少年の姿、けらけら笑う声、たのしげに響く笑い声は夜空の星として瞬き、それを発している彼女は年老いていく人間じゃないですよね?妖怪ですか?


かつて森光子さんの放浪記を観たとき、なんだかおべっかいの記者が書いたであろう18歳役に違和感がないという言葉に激しく違和感を感じたのですがリトルプリンスは本当に宇宙人か妖怪です。

たしかに一昨年の今頃も宇宙人役の土居さんに全く違和感ありませんでしたけれど。


そしてヘビが秀逸でした。

『星の王子さま』にはヘビの絵はほんの少し。

もともと小さい頃からとてもその存在が苦手だったので絵といえどもヘビを視ないようにしていたこともあり、逆にイメージしていなかったんです。物語の要な部分ではあるものの無視したいエゴがあって。

それがこのステージではものすごく神秘的な存在感を醸し出していて、そこから毒蛇のリアル感も予測出来て、

そしてラストの自分の星に帰るということがどういうことなのか。。。

今までに何回も考察したことのある作品 

(星の王子さまより『ちいさな王子』の翻訳がより分かりやすいということを以前書いたもの)ですが、

今回のねっとりしたヘビによって、 

なんだかはじめて星に還る意味に至ったような気がしました。

そのくらい重要な意思のあるヘビを大野さんというダンサーさんですか?歌もあったので役者さん?がされていました。必見です。

もう、プティプリンスの純粋な姿と永遠という切なさと最大の儚さ(はかなさ)を

言葉ではなく、

感じとった見事なクライマックスでした。



舞台装置が見事で、

もし日本にも舞台芸術を表彰する賞があったらノミネートします。壁の穴が沢山あって、天井の抜け穴みたいな使い方も舞台美術としても素晴らしかったです。

舞台美術のかたのお名前が見当たらないんですが?

ポスターにダンサーさん?アンサンブルの皆さんのお名前もないし。
どういうわけなんでしょうか?



追記
一幕で気を失ってしまった原因はもうひとつ、音楽でした。音楽が古くさく感じてしまうのは編曲のせいなんでしょうか。それとも元々古くさい曲なんでしょうか?
電子音がどうしてもチープで。たぶんシンセサイザーが当時は画期的な楽器だったと思いますが他の楽器の再現音として響きのクオリティが低く、そのスコアのまま演奏されると単に安っぽく感じてしまいます。シャボン玉を観たときも感じたんですが。作品の内容やメッセージはすごいものなのに、歌声も悪かないのにミュージカルとしての楽曲の印象が薄いんです。編曲のせいだけではないのかもしれません。