枯葉(カンショウ)d×γⅣ | ラテックスは妄想中

ラテックスは妄想中

暴走ギミな妄想をチラカスBananaです。
甘味世界を目指し オリジナル小説書いてます。
腐 要素 多くなってきちゃいました。苦手な方ご注意ください。

 

 

「ケイイチさんが

 

 歳の近い

 お友達を連れて来るなんて

 

 珍しいもの…

 

 どうぞ 色々 見て行って」

 

 

まさか

 

そこまでプライベートを

 

僕に見せる気など

 

無かったのだろう

 

 

ヒトミさんが慌てて

 

女性を制止させようと

 

躍起になってる様子

 

 

傍目から 眺めつつ

 

僕をここへ連れて来た

 

当初の目的である

 

 

蔵の壁画

 

…の楽器に 再度

 

注目しては

 

 

…ヒトミさん本人は

 

どの楽器を演奏していたのだろう?

 

 

アコーディオンまで登場している

 

にぎやかで

 

楽し気な構図

 

 

くまなく眺めている内に

 

すっかり

 

世界に入り込んでしまった様で

 

 

「…じゃぁそう言う事で…」

 

 

僕の腕を

 

ヒトミさんが掴んだ瞬間

 

ハッとなって

 

 

腕に目を向ければ

 

 

「…このまま歩いて…」

 

ぼそっと ヒトミさんの耳打ち

 

 

どうしても

 

蔵の中に入れたい祖母と

 

面倒はごめんだと

 

逃げ腰なヒトミさんとの

 

攻防は

 

どっちが優位とか

 

以前に 

 

逃亡を選択した

 

手堅い戦法で

 

戦闘を回避…

 

 

と言う事か

 

等と

 

 

言われるままに

 

 

もと来たルートを

 

進み始めれば

 

 

 

「また そんなトコロ出入りして

 

 そこは道じゃないのよ

 

 ちゃんと正面から帰りなさい」

 

 

僕らの来た

 

塀代わりの木の間を

 

通ってはダメ

 

…と言われ

 

 

そこは 素直に聞くのか

 

 

僕の腕引っ張って

 

 

方向転換し

 

 

「…じゃぁまた

 

 今度は連絡入れてから来るよ」

 

 

ヒトミさんが

 

高齢の女性に

 

次を約束している声

 

 

彼女は この広い空間に

 

ひとりで居るのだろうか?

 

 

敷地内の裏になる

 

こんな所まで

 

 

セキュリティの何かしらにも

 

引っ掛からず

 

 

僕らは入り込んでいた現状から

 

急に

 

他人ごとながら

 

心配になって

 

 

 

「…このまま帰って

 

 大丈夫?なのかなぁ…」

 

 

余計な心配

 

と 分かっていながらも

 

言わずにはいられなくて

 

呟けば

 

 

 

「…あぁ

 

 隣 近所は親族だから…」

 

 

ふぅ~ん…なら安心かぁ

 

 

 

思った一方で

 

…と言う事は…

 

 

ヒトミさんって

 

ハイソな一族なんだぁ

 

 

車の通り難い私道とか

 

庭の延長のような

 

木の壁とか

 

アバウトな感じに

 

納得いきつつ

 

 

うわぁ…って 感情

 

僕の顔に出ちゃったか

 

 

 

 

「…あ こっちは

 

 母方の実家だから

 

 ヒトミ家はこんな感じじゃないから」

 

 

聞けそうで

 

聞けない

 

立ち入った内容

 

なれど

 

 

僕のヒトミさんに対する

 

見る目の変化

 

接し方の急変は

 

嫌だって事か

 

 

ヒトミさんが

 

見せたかったのはそっちじゃない

 

って

 

言葉では言わないまでも

 

絵のモデルになる僕に

 

どんなものか

 

イメージだけでも

 

伝えようと…

 

 

「…楽しそうな壁画でした」

 

 

車までの道のり

 

引き返しながら

 

 

当初の目的である

 

ヒトミさんの作品への感想を

 

 

それとなく

 

口にした

 

 

 

  つづく