コリント人への手紙第二6章 神のしもべとして受け入れる
1．神のしもべとして生きる（6:1-13）
昨日パウロは、自らの宣教の動機が純粋なものであると語っていましたね。つまり「神の御前に立つ厳粛さ」だけではない「キリストの愛が私を捉えた」、だから宣教しているのであって、そこには何の卑しい動機もない、というわけです。そして自分が語っていることは、神と人の和解についてで、それをあらゆる人に伝えることが自分の使命なのだ、と言います（20節）。
続く６章で、パウロは、まず神と和解する恵みを皆が受けて欲しいと思っていると述べた後で、再び、自分の働きの純粋さについて訴えます。「苦難にも苦悩にも困難にも」、「むち打ちにも入獄にも騒乱にも」「疲れ果てた時も眠れない時も食べられない時も」と三拍子で、繰り返し語るパウロの言い分は（4，5節）、人間最も弱くされ、いい加減に物事を進めやすい状況にあって、自分は神のしもべとして神の使命に忠実に生きたということです。その心は、そのような状況で自分が取る態度、ことばによって神がそしられないためである、というわけです。
そこでパウロは、ただ消極的に非難や批判を受けない人生を生きるように心がけたというだけではなく、積極的に、「純潔」「寛容」「親切」といった面においてキリストに倣う人生を生きたと言います（6，7，8節）。「純潔」、人間は苦しさの中で、不条理な世の中に毒されていきやすいものですが、そこで敢えて純潔さを守って生きた、と言いますね。また「知識」は、クリスチャンとしての生き方をよく弁えながら生きた。さらに、「寛容」、人々に対して忍耐した。「親切」は、自分のことだけではなく他者のことを考えて生きた。またキリストのように「聖霊」に寄り頼んだ。また「偽りの無い愛」を心掛けた。そして「真理のことば」、いわゆる神のことば、と「神の力」に寄り頼んだ。「左右の手に持っている義の武器」は、ちょっと何かなと思う人も多いかもしれませんが、それは後のエペソ人の手紙6:10-18に、もう一度詳しく説明されます。言いたいことは、勇敢に戦うべき時に戦ったということ、つまり、これらのことを心掛けながら、積極的に神のしもべとして生きて、神のことばがそしられないようにした、というわけです。
パウロの敵対者は、あらゆる機会にパウロを攻撃しようと狙っていました。パウロが推薦状を持っていなかったので、人を騙す者と噂しました。しかし、そう見えるだけで私は人を騙す者ではないと言います（8節）。また推薦状を持っていなかったので、その素性はわからないではないかと言われていたようですね。でも、パウロは、わかる人にはわかると答えています（9節）。さらに、彼はいつも危険な目に遭い、暴動に巻き込まれたり、投獄されたり、何か問題のある人なのではないかと見なされました。しかし、確かにそのようなことはあっても、神が自分を守ってくれて、今日まで来ていることに注目して欲しいと言います。というわけで、11節、コリントの教会の人々よ、今や心をさらけ出して語っている自分を受け入れて欲しい、と。私を使徒として認めて欲しいということでしょう。
２．パウロの勧め（6:14-18）
こうしてパウロは、コリントの教会の人々が自分を認めたと言う理解のもと、最も言いたいことを語ります。つまり、異教的な礼拝を止め、偽使徒と決別すべきことでした。14節「つり合わぬくびき」は、これまで未信者との結婚を戒めていることばとしてよく引用されてきたものです。しかし、パウロの意図はそこにはなく、これは異教的な礼拝とは関わるな、偽使途を見極めて決別しなさい、と言っているのです。逆の言い方をすれば、パウロを真の使徒として受け入れて欲しいと言うことでしょう。イエスは、羊飼いの中にも良い羊飼いと悪い羊飼いがいるという話をしました。確かに、誰に耳を傾け、誰に聞き従っていくか、それは羊たる信徒にとっては重要なことです。パウロは、良き羊飼いを見極めて、異教的礼拝、悪い生活習慣から離れなさいと言うわけですね。では今日もよき一日となるように祈ります。
クイズコーナーです。最初に昨日のクイズですが、「新約聖書の中で、パウロが書いた手紙は全部で何通になるでしょうか。」答えは②13通でした。では今日の聖書クイズを一つ。「イエスがよい羊飼いの特徴として間違っているものはどれでしょうか？」①羊の先頭に立つ、②羊のためにいのちを捨てる、③羊を奪ったり散らしたりする、答えはまた明日。では今日もよき一日となるように祈ります。
