ちょっと一息入れて修理ネタ。
BEHRINGERの8chミキサーMX-802Aを中古で購入したのですが、初めは電源アダプターもなく、ネットで調べてYAMAHAのPA-10というアダプターが使えるということでそれを購入。
しかし、音が出ない。
ということでいつものように電源基板の電解コンデンサーを交換。これで音は出るようになりました。
ですが。
なんか左チャンネルの出音が右に比べて小さいのです。
色々見回したのですが、その時点ではそれ以上手が出ず、放置状態となりました。これが半年前くらいのことです。
さて、ここへきて色んな計画で、急遽ミキサーの必要にせまられ、そこにぴったりだったのがこのMX-802Aだった訳ですが、修理をしないことにはまともに使えません。
基板が両面基板で鉛フリーはんだを使用している機材は、修理の難易度が高く、現状手が出ない状態だったのですが、ここへきてチャレンジすることになりました。
まず揃えたのが鉛フリーはんだに対応するはんだゴテ。
鉛フリー用は総じて高いのですが、このレベルで良しとしました。次に、今まであまり頓着していなかったのですが、両面基板用のハンダを購入しました。
以前、両面基板での半田付けがあまりうまく出来なかったことが念頭にあり、考えてみると両面基板用のハンダというものがあるのではないかということに思い至り、探してみるとそういうものがやはりありました。両面に流れるように粘度が低い材質になっているようです。
さて、左チャンネルの音が小さいということで、再び各チャンネル毎に再検証します。その結果、どのチャンネル、エフェクトリターン、テープインでも左チャンネルが小さいということで、マスター部の問題と切り分けます。
基板上は、電解コンデンサー、ボリュームの他は表面実装部品で、くまなく眺めても焦げ跡や割れも見つからなかったので、やはり電解コンデンサーの交換をすることにします。
といっても、全部替えるのも大変なので、回路の流れ的に該当しそうな8つばかりを交換します。
両面でハンダが載っているので、まず裏側からハンダ吸い取り線ではんだを除去しますが、どうしても表側は残ってしまうので、はんだゴテをあてながら部品を引っ張って外していきます。
ただ、外した後に穴がハンダで塞がってしまって、これははんだ吸い取り線でも取れないケースがほとんどでした。
今回は、ここでミニルーターを使って、1mmのドリルビットで交換品の足が通る穴を開けて対処しました。
両面基板なので、部品は少し基板から離して配置して、両面基板用のハンダを流していきます。
表側までハンダが流れているのを確認して交換完了。
ちょっと手間はかかりましたが、以前と比べてだいぶ確実にできたように思います。
基板を収納して組み立て直そうと思ったところ、以前交換した電源部の電解コンデンサーの頭が、どうも以前より高さがあったためか天井部のパーツに当たってしまっていて凹んでいる感じ。
心配なので、これも再度交換。頭がつかえないように寝かせて配置しました。
再度組み立て直してチェック。
1ch、2ch、3ch ん?、4ch、5,6ch、7,8ch、エフェクトリターン、テープイン。
概ね良好だったのですが、どうも3chだけまだ左の音が小さいんですね。ここで諦めるわけにもいかず、再び蓋をあけて、基板を取り出します。
各chの回路上にも電解コンデンサーがあり、あたりを付けて3chの回路の4つの電解コンデンサーを同じ手順で交換。
組み立て直して、ようやくコンプリートできました。
しかし、経年劣化とはいえ、そう古い機材でもないのにこれほど電解コンデンサーがいかれるのは、熱設計が不十分なのかそもそも良い部品を使っていないのか、結構不信感が湧いてきます。
まあ、直ったのでよしとします。
4〜6chのミニミキサーは複数持っているのですが、マイクが4本入って、その他に電子楽器が何台か繋げ、チャンネルEQに加えエフェクトのセンドリターンが2系統あるミキサーは割と貴重な存在です。
マスター部の電解コンデンサー交換で、音も割としっかりしたように思います。
修理も簡単ではないですが、すぐに諦めず、時期を待って何度かチャレンジしてみるのが良いと思います。
何か新しいヒントとか、技術や経験の積み重ねが次の成功へ導いてくれています。