さて、第六弾は前回に引き続きYAMAHAのPSEシリーズ、リミッターのLI-01です。
CO-01の成功で勢いづいて、PSEシリーズに取組みました。リミッターですとコンプレッサーに回路も近いので、取り組みやすかったですね。心臓部のICもCO-01と同じNJM13600です。
https://jp.yamaha.com/files/download/other_assets/2/315302/pse_ja.pdf
エフェクター自作の動機の一つが、既に廃盤などで入手できないマシンを使ってみたいというものなので、これなんかは特にその代表と言ってもいいでしょう。しかも、コンパクトエフェクターでは珍しいリミッターということで、その効果も含めて出来上がりが楽しみな一台となりました。
リミッターというのはある一定のレベルを超えた音を圧縮し、ピークを抑える為のエフェクターです。コンプレッサーも似たような動作原理ですが、ピークを抑えるよりは音を伸ばす効果の方に主眼があります。リミッターはベースなどではよく使われますが、ギターに使うケースはどちらかというと珍しい部類に入ると思います。それだけに、今まで使ったことがないので、なんかワクワクします。
回路はCO-01と比べてオペアンプがひとつ増えています。コントロールもスレッショルドがあるので、回路規模は少し拡大しています。例によって回路はKORG LIM-1と同じということになります。
オペアンプは4558とLM358ですので、入手も難しくないでしょう。トランジスタは2SC2785、FETは2SK30で、これはCO-01と同じです。
レイアウトはやはりコンデンサーが少ないので、割と楽にできました。ただ、なるたけ高さを抑えるために抵抗はなるべく寝かして配置するようにしたため、GNDラインの一部は基板の耳の部分に通しています。また、NJM13700もCO-01と同じく片チャンネルしか使っていないので、使用しない足は折って基板裏に通さず、その下に配線を通すなどしています。
コントロールはTHRESHOLD、RELEASE、 OUT LEVELの3つですが、それぞれ200KA、1MC、10KBのボリュームになります。このうち1MがCカーブですが、これは秋月電子で入手可能でした。
ケース加工は1MCのボリュームだけサイズが大きいので、ちょっとイレギュラーな配置になっています。塗装は今回は余っていたメタリックスプレーのグリーンにしました。やっぱり原色系の色とメタリックでは出来上がりの映えが違います。
さて、音ですが、スレッショルドを下げてゆくとアタックが抑えられていきます。リリースを上げると減衰が緩やかに。きちんと機能しています。ただ、効き目は控えめな感じですね。ギターで使うとするとDTMのレコーディングなんかには重宝しそうです。ライブでは、今のところメインで使うという感じではないですが、何かの代替、サブ機としてキープしておくマシンかな。ベースに使うのが正解かも知れません。ベース用とはうたっていませんが、昔のPSEシリーズのパンフレットにもベーシストの参考例なんかも載っていましたし、特段低域をカットしている感じでもないので。試しにベースで使ってみました。なかなかいいですね。音圧がアップする感じです。ばらつきを抑えてくれる感じで、ヘタクソな私には必需品になりそうです。
ベース用デジタルマルチのコンプやリミッターよりも自然な感じです。ただ、ベースを弾く機会はあんまりないのが残念。レコーディングの時くらいでしょうか。
さて、NJM13700モノがもう少し続きます。