自作エフェクター 番外編1 「YAMAHA FL-01 フランジャー」 | とれすけのブログ

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 今回は番外編。今日基板が完成したのでご報告。

 YAMAHAのPSEシリーズのフランジャーについては、先日出来たとブログにも書いたのですが、最終的に2台分の基板が必要なので、もう一台を作っておりました。

 前回ご報告した通り、BBD素子のMN3007というICの電源とGNDが回路図と逆になっていたことを受けて、今回改めて基板図から作り直しました。

 基板図も時間がかかったのですが、この回路規模だとレイアウト図を作るのが本当に大変でした。4時間くらいかかってレイアウト図を作り上げたのですが、念のために元の回路図とレイアウト図をトレースしてゆくと、何箇所も間違いやら部品漏れが発生していました。

 

 大きさは18×24のユニバーサル基板。前回作成したものは、どうしても収まり切らず、電源部だけ別基板にしていました。

ですが、今回全面的にレイアウトを変えて、電源部も含めて基板一枚に収めることが出来ました。但し、基板の耳の部分に若干はみ出している部分があります。

 

 レイアウト図上ではなんとか収まっていても、実際に取り付けていくと、部品の大きさによってはかなり厳しいところも出てきます。特に今回は半固定抵抗が4つもあり、それがやはりレイアウトを圧迫してしまいました。結局部品を取り付ける段階で、さらにレイアウトを改良していく必要がありました。

 

 さて、オペアンプはTL062。これは直付けしてしまいます。BBDとクロックチップはソケットを使って交換可能にしておきます。

 

 組み上がって、テストです。まず、前回うまくいっている代替チップのV3207とV3201の組み合わせで鳴らしてみます。

すると、アンプからちゃんと音が出ました。第一段階クリアです。次は、BBDのバイアス調整の半固定抵抗を回していきます。ウネウネいってきました。しかし微妙な調整です。あとは、クロック信号の調整。これも音を聞きながら、うねり方が大きくかつ自然な音になるように調整しました。最後はフィードバック量の調整です。しかし、どうもこれはあまり効果が薄い感じです。

 前回のマシンである程度コツを掴んでいるので、なんとかフランジャーらしい音になるように調整できました。前回のマシンに比べて効きがいい感じです。

 そこで、本来のMN3007とMN3101の組み合わせに替えて、再度テストしてみました。MN3007もMN3101も、前回のマシンで出力を測定してあるので、そのうちの値の高いものを使ってみました。

 結果は予想外に良好でした。前回のマシンではMN3007だとやや歪んだ感じがして、効果も薄かったものが、今回は変な歪みもなく、V3207よりも効きがいい感じです。何が原因か、よく分かりません。今回はMN3007とMN3101の接続経路を最短にして、電源周りの経路も前回ほど複雑ではないのがひとつ考えられる要因です。他には、抵抗の付け間違いなどの可能性はありますね。

 

 

 オシロスコープを使った調整方法もあるのですが、今回は耳での調整を優先しました。但し、フィードバックがやや効果薄なのが気になります。前回のマシンは調整すると発振するほどだったものが、今回は値を最大にしても発振しません。ただ、元々フィードバックをあまり効かせる用途はなく、コーラス的に使う目的が大きいのでこれでよしとします。今回のでようやく"フランジャー"らしくなりました。

 

 さて、これで2台出来た訳ですが、こうなると同じレイアウトで2台を揃えたくなります。前回のものとは効果がやはりかなり違います。

 幸い、部品はオペアンプ、トランジスタ、FET、BBDともにまだ残りがありますし、抵抗、コンデンサーなども手持ち部品でまかなえます。早速部品リストだけ作ってみました。

 

 ようやく完成版と言っていいFL-01が出来あがりました。ケースはまだ決めていませんが、2台一緒に収めてステレオ化して、新しいシステムの中に組みこむ予定です。

 しかし、この規模のマシンだと基板作成にも半日かかり、さすがに疲れました。気楽に取り組めるという感じではないですね。

 

 

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