自作エフェクター その12 「YAMAHA OD-01 オーバードライブ」 | とれすけのブログ

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 第12弾は再びYAMAHAのPSEシリーズ、オーバードライブのOD-01です。

 

 OD-01はPSEシリーズの中でも後発の一台で、布袋さんとかが使っていたということで、今でも取りざされることの多いオーバードライブになります。

 同じオーバードライブでもBOSSのような甘さはなく、割と硬めのオーバードライブという感じです。販売されていた当時は、もう既にBOSSのオーバードライブを持っていて、同種のエフェクターを買おうとは思わなかったということもあったのですが、その頃はインターネットもなく、これがいいという情報とか、実際の音色が聞けるような動画なんかもない状態で、雑誌なんかのわずかな情報だけが頼りでした。

 雑誌に取り上げられないと目に触れる機会もほとんどなく、知らないうちに販売され、そして消えていったエフェクターは数知れないですね。

 

 さて、回路はオーソドックスなオーバードライブ回路になっていて、BOSSのOD-1とそう違わない感じに見えますが、クリップダイオードの数とオペアンプでの増幅率が違っています。それとトーン回路ですね。同じ回路でも抵抗やコンデンサーの定数を変えればまた違った音色になるし、回路の工夫で色んなバリエーションができるので、世の中には山のようにオーバードライブがある訳です。

http://eu11.stripper.jp/pulcino/blog/archives/images/OD-01.GIF

OD-01も他のPSEシリーズ同様コルグのOEM品となっています。

 

 オペアンプはTL072がひとつ、FETは2SK30Aがひとつ、その他特に特殊なパーツは使われていません。基板図もレイアウトも短時間で出来上がります。

 

 さて、ここでちょっと失敗談。実は、先にご紹介したOD-1&DI-01でのこと。一旦出来て、ちゃんと音も出るしと思っていたのですが、なんかOD-1側のゲインを上げてゆくと、ハウリングのような感じの音になってしまうのです。これも発振系かと思ってコンデンサーを入れてみたり、徹底的に回路を確認してハンダも付け直したりしたのですが治らず。エフェクトを切り分けて、OD-1とDI-01それぞれで鳴らして見ると、両方とも篭ったような音で、ゲインを上げてもあまりパワーがない感じです。結局、原因がまったく分からず、もう一度基板を作りなおずことに。

 で、2枚目の基板がほぼ完成というところまできた時に、気が付いたのが分圧してバイアス電圧を作っている回路に入っている電解コンデンサーの大きさです。47μFという値のものを使うのですが、最初に作ったものに乗っている電解コンデンサーがなんかすごく小さい。

 値を見てみると、なんと0.1μFです。一瞬我が目を疑いました。なんで、こんな間違いをしたのかまったく記憶はないのですが、部品リスト作成時に取り違えてしまったようです。なんとも単純なミスでしたが、すぐには発見できなかったですね。

 で、最初の基板の電解コンデンサーを47μFに交換。そうしたら、見事に治りました。

電源部の電解コンデンサーの値が小さいとこんな状態になるというのが分かって、これは貴重な経験になりました。

 

 それから、もう一つ。これは非常に危ないミスでした。

マイクアンプを作っていて、これはオペアンプを正負両電源で駆動するバランス回路でした。電源は006P電池を二つ使って正負の電源にしているもので、電源部にそれぞれ100μFの電解コンデンサーが入っています。正電源の方は電池の−側がGNDになって、負電源の方は電池の+側がGNDになる訳です。そこに付ける電解コンデンサーは、正電源の方はGNDにマイナス側、負電源の方はGNDにプラス側を接続しないといけないのですが、うっかり負電源の方もGNDにマイナス側を付けてしまったんですね。

 そのまま気づかず完成させて、基板の状態でテストに臨みました。バランス回路のうち、ホットの側はちゃんと音が出たのですが、コールドの側はなんか変な感じ、そのまましばらくチェックしていたら、突然パーンと強烈な破裂音が。

 速攻で電源をOFFにしましたが、見ると負電源側の電解コンデンサーが吹っ飛んでいました。幸いなことに、基板を裏返してテストしていたので、吹っ飛んだ電解コンデンサーのケースが座椅子にめり込んだだけで済みましたが、表にしていたら顔面を直撃していたかも知れず、本当に肝を冷やしました。

 さすがにちょっと怖くなりましたね。電解コンデンサーの逆接は初めての経験でしたが、9Vの電池でも大怪我しかねない現実を目の当たりにして身が引き締まりました。負電源の時は特に要注意ですね。やってしまいがちですから。実際無意識にやってしまっていました。

 今もテスト時は必ず色んな可能性を考えてモノを配置し、保護メガネをかけて行うようにしています。

 

 話は戻ってOD-01です。

基板は無事出来上がりました。テストもOKです。

実はOD-01の基板作成はこれが2つめなのです。一つは別な複合マシンに組み込む用途に。今回はミニペダルサイズに収めるため再レイアウトした形です。やはり単体で一つのケースに収めると重量感を感じますね。

 

 塗装は、グリーンのメタリック。

 

 音色は、OD-1とDI-01の中間のような感じ。ディストーションっぽいオーバードライブと言ったらいいでしょうか。ハードオーバードライブという感じかな?

ディストーションよりはオーバードライブを使いたいけれど、OD-1では物足りないといった時には答えのひとつになると思います。

 

 DM-2ですが、いよいよ作成に取り掛かっております。

BBDが現行品のV3205なので、DM-2のそのままの回路ではだめっぽい感じです。なので電源部をDM-3の回路を参考にして電圧を落とし、あとダイレクトアウトの仕様もDM-3の回路から拝借。基板は完成しました。調整もテストもこれからですが、このサイズに収められたのは幸運でした。

 

 ちなみにFL-01もV3207を使った基板で、電源電圧を落としたら実機並みに効果がかかるようになりました。BBDものはまだ勉強が足りなくて、一歩一歩ですが、進化は続けています。