自作エフェクター 番外編2「BOSS アナログディレイ DM-2」 | とれすけのブログ

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 今回は番外編。経過をお伝えしていたBOSSのDM-2です。

基板は一応完成、調整も終わってケースを準備しているところです。

 

さて、今回作成したDM-2ですが、使用するBBD素子をMN3005からV3205に変更しなければならず、動作電圧と電源、GNDのピン配置が違うので回路変更が必要でした。

 

 はじめに作った段階では、DM-3の回路図を参考に7.5Vのバイアス電圧回路を組み込んだのですが、指定の8.2Vのツェナーダイオードが手元になく、9.1Vのツェナーダイードと普通の小信号用ダイオードを直列に入れて近い電圧を得ました。

あと、電源ピンとGNDピンが逆なので、その変更を加えて基板を作成しました。

 基板が出来上がってテストしたのですが、動作せず。

早速シグナルジェネレーターとオシロスコープで信号を追いかけていきます。すると、V3205の出力がでていないことが分かりました。ここから何がいけないのか推察してゆくのですが、部品の取り付けミスや、はんだ漏れ、回路図との乖離もありませんでした。

 そこで、ここは回路変更しているので、その周辺回路をDM-3と比較検証してみました。すると、DM-2ではV3205の出力の先がバイアスに繋がっているのに対してDM-3ではGNDに繋がっている違いを発見しました。そして接続を変更してテストしてみたところ、無事ディレイ音が鳴るようになりました。

 あとは調整です。歪みとクロックノイズはオシロスコープで波形を見ながら調整し、最長ディレイタイムはアンプで音を出しながらノイズが目だななくなるように調整して終了です。

 

 アナログですから、多少くぐもった音にはなってしまいますが、それでもキチンと音がでるのはなかなかの感動です。

 前にも書いた通り、今回のマシンはエフェクトだけのアウトを設けることにしていて、元々そういう仕様のDM-3の回路を参考に回路増設をしました。仕様としてはダイレクトアウトが別に設定されていて、ディレイのアウトはそのままで、ディレイ音とミックスするドライ信号を繋ぐか繋がないかでエフェクト音のみを出せるようになっていました。DM-3ではそれはダイレクトアウトジャックにプラグが挿さると切れるようになっています。

 

 私のマシンは最終的には前回作ったフランジャーをその後ろに接続して、ステレオ化をはかる仕組みを考えています。その為、DM-2の出力はドライ音とエフェクト音を別々に出して、それぞれを2分岐してどちらかを選べるようにして2台のフランジャーに接続することにしました。

 それで何が出来るかというと、ショートディレイで左右に振った上で、それぞれにフランジャーをかけて音を揺らすということです。スイッチをいくつか設けて、各ON/OFFや接続先を変更出来るようにして、バリエーションを得られるように考えています。

 総アナログの装置なので、なんかすごくアナクロだし、S/N比も悪そうですが、まずは試しにやってみます。デジタルで同じことがやれるエフェクターとなると、SPX-900くらいになってしまうので、それがこの大きさで実現できるのが最大の魅力です。

 BBD素子は、個人的にはまだまだ使える石だと思います。

もう少し手軽に使えるといいんですけどね。

 

 

 

 エフェクターボードは、最終的なノイズ対策の段階に入っています。DCアダプターのうち比較的ノイズ性能のいいものは8分配の1台なので、それを優先的に当てるエフェクターを変更したり、自作の分配器にはさらに平滑用のコンデンサーを増設、さらにリレー組み込みのオレンジスクイーザーは内部配線のシールドケーブル化とノイズ成分を除去するコンデンサーを追加、スイッチャーも組み込みバッファーのLPFを調整、さらにコンデンサー追加と内部配線のシールド強化を図っています。

 

 8分配のDCアダプターにはさらに12Vと15Vの出力が付いていて、これを活用するためにアマゾンで購入したレギュレーター基板を組み込んだ変換器を作ってみたのですが、ノイズがひどくて使い物になりませんでした。平滑回路を増設してみたのですが、それでかなりノイズは低減できたもののまだ使えるレベルには達していません。もう少し試行錯誤が必要です。