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大変化の翌2023年:第4革命の進捗は不明、「フェアネス」で行くらしい

2023-01-02 15:41:34 | WW1&2
新年あけましておめでとうございます。

昨年2022年は、この先ずっと行った時、ついに訪れた大変化の年だっと言われるようになるのだと思います。そして、今年からしばらくこの大変化を前に大激動が続くのだろうと思われます。

大変化といえば、そういえば2年前2021年の元旦には、世界の並み居る経済大国様たちが、「第4革命」なるものを打ち上げていた。それは大変化であるはずだったわけだけど、それはどうなったのでしょうか。

化石燃料で発展してきた人類史の歯車は逆回転し、エネルギーの主役も交代する。



次の主役は登場したのでしょうか? ドイツ人が大量に石炭焚いてると聞いたわけですが、それは化石燃料ではないの?

2021年1月1日に「第4革命」なる認識に驚いてエントリーしたのがこれ。

脱炭素して第4革命、このバスはどこ行き?
https://blog.goo.ne.jp/deeplyjapan/e/d3c9bdbad84c3014d2bacf94367a0a76

これは結局、金融屋が、投資活動を通じて社会を変革する、と気張っているのだなと理解し、

ESG投資で変える社会 COP26後の展望を聞く
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODK231720T21C21A1000000/

今日に至るわけですが、この話しはどのぐらい進捗したのだろう?


■ フェアネスだそうだ

さて、今年。第4革命の進捗の話しでもでるのかと思いきや、どうもブロック経済を懸念しているようだ。



有料記事の中を読んでないですが、記事についていたポイントによれば、

・経済統合、フェアネスなき国との信頼は成り立たず
・IPEFでは米国への不信感にじませる新興国も
・かつてはブロック経済圏が大戦の呼び水になった 


これは一体何を言っているのだろうか? 何がなんだかわからない。

日経は日本人には有料記事だらけでタダでは読ませてくれないんだけど、英語版は無料でなんでも読める(笑)。どないなっとんねんという話しですが、ともあれ読んでみた。

この記事でしょう。




それよれば、日経の現状の基礎認識はまず冒頭の一文に表されている。

グローバリゼーションは、米中のライバル対立とロシアのウクライナ侵攻などの対立により行き詰まり、世界はますます分断されている

 Globalization is at a standstill as conflicts, including U.S.-China rivalry and Russia's invasion of Ukraine, increasingly divide the world. 


だから、うんちゃらかんちゃらで、こういう対立の時代を生き延びるには、

民主主義だけじゃない、フェアネスがカギになるのだ、
Fairness, not just democracy, to be key for sailing divided world

だそうだ。そこから、日経がフェアネス指数を作って、「信頼できる」とそうでない国に分けて、フェアネスを共有している人たちと付き合いましょうってことらしい。

まぁ介入主義者の民主化路線だけだと、たとえばベトナム共産党とか中国共産党、あるいは明白な王様権力が国を仕切ってるサウジやらの湾岸諸国と付き合えへんやないか、となるので、「フェアネス」とかいう勝手な指標を作って、自分勝手なブロックを作るというのが今年の日経をはじめとするここらへんの金融屋集団の目標らしい。

自分でブロック化するわけですね(笑)


■ ナチ・非ナチ化

とはいえ、日本語版にあるようにブロック経済圏はよろしくないと言いたい感じがにじみ出ているっぽくはある。

だがしかし、2023年、誰が考えても、これらすべての言論をつきやぶって深刻なのは、そりゃもうロシア圏を食えなかったことの西側にとってのインパクトじゃないのかと思う。

年末には、西側諸国が全体で、ロシア産石油に勝手に価格上限を設けるという、わけのわからない措置を発動させ、それに対しロシアは2023年2月1日発効で、それらの措置を取った国に対する石油の供給を禁止する命令を出してる。クリスマスから続くホリデーシーズンが開けて、どういうインパクトとなるのか見ものですね。

Putin bans Russian oil supplies at 'capped' prices from February 2023


昨年西側諸国がやり続けたことは、世界有数の石油輸出国、世界有数の天然ガス輸出国、世界有数の小麦の輸出国、世界有数の様々な金属資源の輸出国に対して、巨大な制裁をかけ、はたまた保険機構を利用して貿易を阻害することだった。

趣旨は、お前にはお金を稼がせない!プーチンに戦費を渡すな!だったとしても、実質的意味は、世界有数のA、B、C....etc.の輸出国が各国に輸出できないよう、貿易できないようにしたということ。

それに対してこの世界有数のA、B、C....etc.の輸出国は、自分のところに集中し、輸出先としては兄弟国家のベラルーシ、その次にCIS諸国、その次に様々な友好国を優先する、という方針を取り出した。

優先しないのは、概ね、この黄色のところ。つまり、いうところのthe West(西側)。




黄色じゃないところは、「世界有数のA、B、C....etc.の輸出国(ロシアのこと)」と、それに並ぶ世界有数の資源ポテンシャリティーのあるイランやブラジルがいて、世界有数の巨大人口を抱える中国とインドがいる。

サウジもカタールも別に黄色ブロックじゃない。

こういう状況にあって、嘘ばっかりついてる西側集団、世界人口の圧倒的多数派から、要するに植民地主義者の一群と考えられている集団が「フェアネス」を持ち出してまだ何かやった気になるというのは、冗談も甚だしい。


■ プロパガンダの時代

だがしかし、思えば、去年10か月間、みっちり、とんでもないプロパガンダの時代を生きた私たちにとっては、このような、何か言った気になってるだけのバカバカしい時代というのは既にデフォルトになってしまったとも言えるでしょう。

昨年の西側プロパガンダの凄さは、様々なところで、こんなの見たことない!という憤激を生み出していたが、最新のモノとしては、元CIAで情報操作に携わっていた、その意味でこういうことの本職だった人の言を引用しておきたいと思う。前にも書いた、ラリー・ジョンソン。

私は、1985年11月、アフガニスタンでのソ連の軍事作戦を標的としたCIAの情報作戦で小さな役割を果たした人間として、米国とヨーロッパがロシアに対して解き放ったこの巨大なプロパガンダ・キャンペーンについてコメントする資格があるんじゃないかと思う。私は、これほどひねくれた、不正直なものを見たことはない

As someone who played a minuscule role in a CIA information operation that targeted Soviet military operations in Afghanistan in November 1985, I feel somewhat qualified to comment on the mammoth propaganda campaign the United States and Europe have unleashed on Russia. I have never seen anything so perverse and so dishonest.

ラリーは過去10カ月ずっと異常なプロパガンダを、さすが本職の読み筋とでもいうべき鮮やかな切り口で読み解いている。その記事はこういう趣旨でこう読ませるために出してる、だが、現実にはこれこれこれと反証可能な話しがある、であれば云々という読み方を披歴してくれる。いやぁ、嬉しい、こういう人出て来てくれてと面白く思ってる。

スコット・リッターとかマクレガー大佐もここまでの偽情報の氾濫は体験がないと何十回も言ってる。そして、非常に冷静で立派な分析をすることで名高いブログ界の有名人Moon of Alabamaさんも1年を終わるにあたって同じように嘆いていた。

良い分析がないことが「西側」衰退の一因
Lack Of Good Analyses Contributes To The Decline Of The 'West'

こんなに嘘だらけでそこからどうしろってんだ、って感じですよね、実際。


しかし、上で見たように、経済+プロパガンダの平面では、まだ、自分たちは良い人で、あろうことか「フェア」だとか抜かして進もうとしているわけだから、このつむじ曲がりで邪悪な傾向は続くんでしょうね。


しかしまぁ、その前に、私たちはアメリカ合衆国がバンデラ主義者を支援する、まんまナチ勢力となっている時代にいるわけですから、戦後作った様々な説、ナラティブ、そしてそれが引き出すor 表す価値観がズタボロになっていても全く不思議はないわけです。

バンデラ主義を賛美するアメリカ合衆国大統領バイデン
https://blog.goo.ne.jp/deeplyjapan/e/4c142102fd0e91189354921b9224d51a

2022年2月を境に、西側諸国は公然たるナチ擁護者集団となった。




その意味で、確かに「戦後」、つまり、1945年から続いたアメリカ覇権体制は終わったとも言えますね。

何が起こるのかわからない、海図にない時代になったことは怖いとも思うけれど、何十年も嘘に閉じ込められていた人々のことを思えば、私たちはかなり解放度の高い、破れかぶれの、面白い時代にいると考えることもできる。そういう時代の幕開けが今年ということだと思う。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。


■ オマケ

77年間くすぶっていたのは結局この問題だなとも思う。この不道徳、非人間性こそ西側の屋台骨を腐らせた。

 



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7 コメント

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包囲された日本帝国な西側諸国! (ローレライ)
2023-01-02 17:26:16
包囲された日本帝国は王道我に有り!と思い詰め思考で一発逆転の戦争の自転車操業をしていたが、西側諸国も戦争の自転車操業に金融経済が依存している!
それそれ (ブログ主)
2023-01-02 19:25:59
ローレライさん

それですよね。西側は結局一発逆転を狙ってロシア大混乱を夢見てたと思う。

第一次世界大戦も一発逆転設計でしょ。二次はみんなが言うようにその後始末。一次+ベルサイユが大問題。

だけど、そうは問屋が卸すかボケーとプーチンに見透かされちゃった。
公正いわれても・・ (遍照飛龍)
2023-01-02 19:29:40
フェアネス・公正って言われても、

自分らで都合の悪くなった法は勝手に改正したり、解釈を捏ねくり、「公正」て奴を自分らで操作する。


そんな奴らのいう「公正」など、どこが信じれるのか?

ていうか
「お前が言うな、お前が」ってのが西側に対する世界の人間の意見と思う。
アレクシェーヴィッチさんさあ・・・ (特命希望)
2023-01-02 21:28:24
あけましておめでとうございます、アレクシェーヴィッチのインタビューを元日の朝日新聞で見てしまい余りめでたい気分じゃないですが(笑)
記事内で引用されたマーシャさんのツイートへの返事を見たら「この人、ウクライナのガリツィア出身のウクライナ人ですし。ベラルーシではチハヤノフスカヤ支援者でカラー革命失敗してからはドイツに移住」と聞いて愕然としました。
https://twitter.com/ANurikov7/status/1609577259572277251
ルソフォビアに染まるほど、ムラ社会の悪習に染まっていたとは。ウィキペディアでも確かめました。ハプスブルク支配下のウクライナ人居住区って「拗らせた」連中だらけだったそうですよね?
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%BC%E3%83%8E%EF%BC%9D%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%82%A6%E3%82%B7%E3%82%AF
こうなると、彼女の『戦争は女の顔をしていない』も、どこまで信用していいのか分からなくなってきました。愚痴ばかりチェリーピッキングして炎上商法を狙ったんじゃないかと勘繰ってしまいます。
あけましておめでとうございます (セコイアの娘)
2023-01-03 10:18:39
年明け早々、笑った。初笑い。
今度はフェアネス。よく次から次へと思いつくものだ。
自己正当化のため本来の意味をねじ曲げられた標語たち(人権とか民主主義とか)のリストに追加しておこう。
アレクシェービッチ女史、文学におけるペレストロイカの象徴みたいな人ですよね。朝日のインタビューもさもありなん。私はEテレの100分で名著という番組が好き(だった)のだけど、最近やたらとロシアに絡めてくるので、ウンザリしてる。こないだもアレクシェービッチだったし、ロシアと直接関係ない著作でも、暗にロシア叩きに聞こえるコメントが多い。即ボイコット。
西“ウクライナ” (ミール)
2023-01-07 09:54:15
遅ればせながら,明けましておめでとうございます.

“ひねくれた、不正直なもの”の表現には大いに納得しました.ナチズムの続きである冷戦時代にもそうだったのですが,今はそれが最高潮に達した感じですね.

さて,この作家の出身地のガリツィアですが,ここは1939年にソ連がポーランドから奪った地域ですが,元々はポーランドがオーストリアの瓦解に乗じて奪ったものです.そしてその時に同じくロシア革命の混乱に乗じて白ロシアのかなりの部分を奪ったのです.モロトフ=リッベントロップ協定の付帯事項でソ連が支配するとされたのはこのポーランドが第一次大戦の終結時に獲得した地域なのです.白ロシア地域で言えばブレスト-リトフスクまでですから,まさにロシア帝国の境界を取り戻したに過ぎません.世の中に流布している言説ではソ連がドイツと示し合わせて“無垢の”ポーランドを分割したように言われていますが,この事実を改めて見直すと,評価も違って来るはずです.
しかし,白ロシアを取り戻すついでにガリツィアが付いてきて,それが獅子身中の虫となったとすると,この場所は要らないと言っても良かったのではないかという気がします.
1919 (ブログ主)
2023-01-07 17:37:42
ミールさん

重要なご指摘ありがとうございます。

結局、ポーランドという西側のお使いみたいな勢力が非常に問題なんだろうと思ってます。
ナポレオンも「ひいき」にしてるでしょ。

ここらへんを紐解いていくことが重要なんだろうと思われますが、それはそれとして、ポーランドの言い分をうのみにしてまき散らしている人たちは要注意だと思ってみてます。

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