DEEPLY JAPAN

古い話も今の話も、それでもやっぱり、ずっと日本!
Truly, honestly, DEEPLY JAPAN!

SCOサミット@サマルカンド &「オブジェクト」はもうない

2022-09-16 21:15:39 | WW1&2
9月15日から、ウズベキスタンのサマルカンドで上海条約機構のサミットが行われている。

 


上海協力機構(SCO)の話は過去何度も書いているけど、この機構はユーラシアの統合的な政治機構。

加盟国はこのようになっている。緑はオブザーバーのステータスで、そのうちのイランが今回正式加盟に進む模様。



また、ベラルーシも加盟手続きを進める模様。

ロシアは孤立してる~、ロシアは孤児、ロシアは潰れる、危機危機危機とうるさい西側メディアですが、プーチンは昨日は中国の習さんと会い、今日はインドのモディ首相と会う模様。

上海条約機構のダイアログパートナーであるトルコのエルドアン、アゼルバイジャンのアリエフと会うというのも重要だね。アゼルバイジャンとアルメニアに火をつけようとしていた輩はどうするんだろうか。

 


ちなみに、これが本日の我が方日経のトップページ下。

ロシアは中国傾斜、って上海条約機構は今年出来たものではなく、ロシアと中国がこの機構の重要な建国の父ならぬ建組織の人々であるのには違いないけど、この組織は、ロシア、中国、インドが集い、ユーラシアの安定をはかっているという点が非常に重要。






その意味は、まさに、これら西側が適当な説を作って売り歩いて、例えばインドと中国、中国とロシアを対立させて、その一方を西側に取り込んで、みたいなことを阻止するためにこそある。

ここらへんで書いてきた通り、
ユーラシア vs 西側:マッキンダー理論とSCO


■ 「オブジェクト」じゃない

この状況を、最近、非常に上手に言っている人がいた。9月8日近辺にロシアのウラジオストクで定例の東方フォーラムが開かれた時に、ユーラシア連合の各国や中国、ミャンマーなどの人々が集まり、様々な意見交換をしていた。

それを上手にまとめたPepe Escobarが、

ユーラシアはもう「文明化されたヨーロッパ」の植民政策のオブジェクトではない、と書いていた。

Eurasia no longer as “an object of colonization by ‘civilized Europe’ but again an agent of global policy.

Asia’s future takes shape in Vladivostok, the Russian Pacific

まさしくそれだなと思った。

objectとは、対象、標的であり、モノなわけですよ。ヨーロッパ人、あるいは西側の人間が、あそこらへんをこうしてああしてと勝手なことを言い散らかしてきたその行動は、つまり、相手と思ってるんじゃなくて相手をモノ扱いしているということ。

また、ウラジオストクのフォーラムに来ていたインドの学者さんが、インドは21世紀のアジアが必要だ、それにはインドと中国の協力が必要だ、といったことを言っていたそうなのだが、こういう姿勢もまた、もう、植民地主義者のヨーロッパ人にこずきまわされるいわれなどない、というはっきりした考えが根付いたことを示し、かつ、いろんなところで語りながら上手に言語化されていっているんだろうなとも思う。


そして7月にプーチンがアスタナ会議で言っていた「黄金の10億人」がすべてを支配するような仕組みは不公平だろ、という話しはこうした流れを受けてモチーフ化した小品か。

いわゆる「黄金の十億」が全部支配するというモデルは不公平です。 なぜ、世界人口の一部にすぎないこの黄金の10億人が、他のすべての人々を支配し、例外主義の幻想に基づく行動規則を実行しないとならないんでしょう?

それは世界を一流と二流の人々に分けるもので、それゆえ本質的に人種差別主義で新植民地主義です。根底にあるグローバリストと疑似リベラルのイデオロギーはますます全体主義のようになり、創造的な努力と自由で歴史的な創造を抑制しています。


マジで、リアルで重要な認識ですね。西側各国が人々にクレムリンのサイトを見せたくない理由もわかるというもの。

さらにまた、今年の3月にロシアが友好国と非友好国に分けたこの図はそうした時代を覆そうとするロシアの試みの具現化。

何度も言うけど、ナチ組 vs 非ナチ組の分離は見事だった。 



■ オマケ

ロシアのEU向け天然ガスは今年33%低下する模様。

Russia Says Natural Gas Exports To EU Will Drop By 33% This Year

欧州委員会のフォンデルライエンは、ロシアからなんか買わないという強硬姿勢を崩していないんだから、喜んでいることでしょう。もっと下げる!と。

石油の方は、国営ロスネフチ、前期の純利益13%増だそうです。

Russia’s Largest Oil Producer Boosts Profits Despite Sanctions


■ オマケ2

SCOのサミットで、WTOの改革が議題にあがっている模様。

SCO members place emphasis on inclusive reform of WTO, says declaration:

西側に自浄能力は認めらないので、SCOが総当たりで外交的に戦うのは良いアイデア。西側の民としても歓迎だわ。


■ オマケ3

制裁によってヨーロッパの港に積みあがったままになっているロシア産の肥料は必要としている新興国に無料で配る、とプーチンが言ってる。

EUは策を弄して、ロシアを悪者にしつつも、自分のところだけ制裁を解除して、自分は買えるが実質的にその他の国は買えないようにしているらしく(多分、EUの法令に違反すると銀行、企業が制裁される、みたいなことか?)、プーチンはその処置についてどうやらカンカンであるようだ。

Putin warns West against ‘economic egoism’, offers real food aid to emerging economies


■ 参考

敵も己もわからないNATO & イラン・BRICS加盟申請

過激派(文筆)の行方 & ユーラシアへ、アジアへ




コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« NATO vs ロシア(ウクライナ... | トップ | ドンバス~ヘルソン、ロシア... »
最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
脱亜入欧に騙され無い国々! (ローレライ)
2022-09-16 21:54:27
脱亜入欧に騙さらない国々のユーラシア連立政権なんだが、、騙されままの日本人には理解不能の世界がある!
使い方を間違った (ブログ主)
2022-09-16 22:03:33
ローレライさん、

お久しぶりです。

すっかり忘れてましたけど、いやほんと「脱亜入欧」って問題含みの発想でした。

それを修正したり、客観視してりできなかったところが悔やまれる。
Unknown (にゃんこ)
2022-09-19 08:55:03
上海協力機構の日本の報道、とても意地悪ですね。
CGTN他の英語報道とはまるで違う。

安倍の暗殺後、ビクトリア・ヌーランドが日本に来ていたそうです。外務次官と会ったり。気持ちが悪くなる。
Unknown (通りすがり)
2022-09-20 12:08:28
こんにちは。

インドのモディ首相の発言について、欧米とそれを後追いする日本のメディアは、「遂にインドもロシアを見捨てた」と主張しているようですが、当のインドメディアはそのような捉え方をされることに戸惑っているようですね。

https://timesofindia.indiatimes.com/blogs/toi-editorials/the-peace-principle-modis-words-to-putin-didnt-mean-a-change-in-stance-indias-ability-to-wage-peace-is-set-to-increase/

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

WW1&2」カテゴリの最新記事