モルト原酒熟成に使われる樽は、そのウイスキーの風味を決める素材の1つです。
どのような樽で熟成させるか、これは鍵となります。
樽について調べてみると、面白いことが見えてきます。
【バーボンの場合】
バーボン樽は北米産の「アメリカンホワイトオーク」というオーク材で、
樹齢100年以上の木を樽材とします。
ホワイトオークは、木目が荒く風通りが良いので、蒸留酒の熟成に最適。
バーボンの熟成には、このホワイトオークで造った新樽の使用が義務付けられ、
一度使用したバーボン樽は使用できません
【スコッチの場合】
違う種類のお酒の熟成で使用した樽を使ったり、
バーボンの熟成に使った樽を再利用しています。
例えば、スコッチの熟成に用いる樽の種類には以下のようなものがあります。
- バーボン樽(例:グレンモーレンジ)
- シェリー樽(例:マッカラン)
- 赤ワイン樽(例:イチローズ・モルト ワイン・ウッド・リザーヴ)
- 白ワイン樽(例:グレンマレイ)
スコッチの9割は、一度使用したバーボン樽を再利用している言われています。
もしスコッチの熟成に新しいバーボン樽を使うとどうなるのか
樽成分が出過ぎて苦味の強いヤンチャなウイスキーになってしまう
【新樽が必要なバーボンと、2番3番樽が欲しいスコッチ】
うまく共生できているのだなと感心します。
樽の寿命は約100年、長い時を経て、その役目を終えます。
- ウイスキーの熟成に50~70年
- 樽の内面をバーナーで焼き直してさらに20~30年
- その後、家具や文房具などに生まれ変わる
頂いた木の命を最後まで使い切るにはどうするか考えているのですね
どんな些細なことでも、背景には物語があるのだなと実感します。
陰に隠れた物語を感じながら、飲むお酒は格別
まさに自然からの恩恵を形にしたら、癒しを与えてくれる素敵なウイスキーなった。
そんな気がしてなりません。