日本語の未来は真っ暗い goo〈2〉ま+形容詞 真+形容詞 | tobiの日本語ブログ それ以上は言葉の神様に訊いてください

tobiの日本語ブログ それ以上は言葉の神様に訊いてください

 フリーランスの編集者兼ライターです。
 主として日本語関係のことを書いています。

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【27】
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1980862166&owner_id=5019671

mixi日記2021年11月23日から

 下記の続き。
【日本語の未来は真っ暗い goo〈1〉】
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1980925349&owner_id=5019671

「真っ暗い」は、現段階では×だろう。
 接頭語の「ま/真」について考えてみたい。

https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E3%81%BE/#jn-206539
===========引用開始
出典:デジタル大辞泉(小学館)
 
ま【真】 の解説
【1】[名]偽りがないこと。まこと。ほんとう。真実。
【2】[接頭]名詞・動詞・形容詞・形容動詞などに付く。
1 うそいつわりのない、本当の、などの意を表す。「―人間」「―正直」
2 純粋である、まじりけがない、などの意を表す。「―水」「―新しい」
3 正確にその状態にある意を表す。「―北」「―下」「―四角」
4 動植物の名に付いて、その種の中での代表的なもの、標準的なものである意を表す。「―いわし」「―がも」「―竹」
5 りっぱな、美しい、などの意を表す。「―玉」「―杭 (ぐい) 」
===========引用終了

https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E7%9C%9F%E3%81%A3/#jn-208513
===========引用開始
出典:デジタル大辞泉(小学館)

まっ【真っ】 の解説
[接頭]《接頭語「ま」の下に促音の挿入されたもの》名詞・形容詞・形容動詞などに付いて、語勢を強める。「―ただ中」「―ぱだか」「―白い」「―正直」
[補説]「ま(真)」が摩擦音([s][f]などの音)、破裂音([p][t][k]などの音)を語頭にもつ語に続くときの形。 
===========引用終了

 そうか。接頭語の「真」と「真っ」は別物なのね。音便の一種だと思ったが、そうでもないみたい。

「促音便」は下記だろう。

音便の一。主に活用語連用形の語尾の「ち」「ひ」「り」が「て」「た」「たり」などの語に連なるとき、促音「っ」となること。「待って(←待ちて)」「歌った(←歌ひた)」「売ったり(←売りたり)」の類。広義には、名詞などの語中にみられる現象についてもいう。「追手(おひて→おって)」「真白(ましろ→まっしろ)」の類。→イ音便 →ウ音便 →撥音便 (はつおんびん) 

 

 ここで問題です「真正直」「真っ正直」はどちらが一般的でしょう。『大辞泉』の記述を見ると、どちらもあるみたい。
「真正面」「真っ正面」はどちらが一般的でしょう。
〈[補説]「ま(真)」が摩擦音([s][f]などの音)、破裂音([p][t][k]などの音)を語頭にもつ語に続くときの形。〉なんだから「真っ」じゃないのかね。「真っ逆さま」「真っ盛り」「真っ新(さら)」「真っ白」「真っ直ぐ」なんてのもある。うーむ……「真下」もあるな。

 素朴な疑問。
「真っ暗」って、何に「真っ」がついたの? 当方の感覚では「暗」って、名詞はない。
 さすがの日国には、それらしい項がある。
https://kotobank.jp/word/%E6%9A%97-429042
===========引用開始
くら【暗】
(形容詞「くらい」の語幹) くらいこと。また、そのさま。感動表現に用いられる。
※落窪(10C後)一「いとをかしげなりと見る程に、火消えぬ。〈略〉『あなくらのわざや』」
===========引用終了
 海賊版の日国は、ビックリするほど記述が違う。

 詳しくは下記をご参照ください。

 いずれにしても、その「暗」に「真っ」がついて「真っ暗」になったとは思えない。
 そうなると、「真っ」+「暗い」と考えるのが素直だろう。でも「真っ暗」はよく使われるけど、「真っ暗い」は、現段階ではおそらく×。なんで?
 なぜ「真っ暗い」に異和感を持たない人が多いのか。
 これは推測だけど、「真っ黒い」との混同では。
 ただ、「真っ黒い」がOKかというと微妙で立項していない辞書もある。「真っ白い」も同様。
 個人的にはちょっと引っかかる。

 ちょっと話をかえて、「真っ」+「色」の話。これに関しては、下記がよくまとまっている。 (←何様!)
【日本語センター  赤い、青い、緑い???】
https://www.nihongo-c.jp/blog/blog-entry-48.html
===========引用開始
「色の名前+い」の言葉がある色は、赤・青・白・黒の4色だけです。
「色の名前+色+い」の言葉 がある色は、茶・黄の2色だけです。
その他の色は全部「色の名前+の」で表現します。
(もちろん、「赤の、青の、茶の」という言い方もありますが、ここでは
「+い」、「+色い」の表現ができるかどうかという点に注目してください)
===========引用終了
「真っ赤(か)」「真っ青(さお)」「真っ白」「真っ黒」  
「真っ茶色」「真っ黄色」
 あたりはフツーだろう。
「真緑」「真紫」……etc. も話し言葉ならいえなくはない気もするが、△だろう。
「真っ赤」「真っ青(さお)」「真っ白」「真っ黒」「真っ茶色」「真っ黄色」のうち、「い」をつけられそうなのは、「真っ白」「真っ黒」。ただしすでに書いたように、立項していない辞書も。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ブログランキングに参加しています。
下のアイコンを押してもらえると励みになります。たぶん。
とってもうれしいです。
※やはり「うれしいです」は美しくない。
https://ameblo.jp/kuroracco/entry-12282289501.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━