ゴミ清掃員の日常:滝沢秀一、滝沢友紀著のレビューです。
☞読書ポイント
ゴミから見える人間ドラマと社会
少し前にちょっと話題になっていた本。当時、滝沢さんのインタビューを見聞きして、「ゴミの出し方」ひとつとっても、ゴミって本当に奥が深いものだなぁと思ったものだ。中でも、意外に知らないゴミの出し方なんかがあったので、読めばそのあたりの知識が得られそう!と手に取った。
そんなこんなで、ゴミの出し方マナー本みたいなものを想像していましたが、内容は意外にもほのぼの。っていうか、こちらの勝手な思い込みでしたが、タイトルそのまんまの内容です(笑)あと、エッセイかな?って思ってたら、コミックでした!!イラストはなんと滝沢さんの奥様が書かれたそう。夫婦で力を合わせて作った本。全て読み終えると、本当に良かったなぁ....と心から思った。
滝沢さんはお笑い芸人「マシンガンズ」というコンビ名で売り出している。私は存じませんでしたが、Wikipediaによると太田プロに所属し、爆笑問題に影響を受けたみたいですね。同期はサンドウィッチマンや麒麟等。芸歴も長そうですが、なかなか表に出て来られなかったのかな。どちらかと言うとゴミ清掃員が本業だそう。
芸人一本で家族を支えるのは不可能ということではじめたゴミ清掃員の仕事。人間模様、実際の作業等、日々大変な暮らしぶりが覗けます。もちろん、ゴミ出しの具体的なアドバイス、ゴミ清掃員さんたちの苦労など、現場で働いていないと語れない話もたくさんあり、とても勉強になります。
しかし何といっても、滝沢さんの奥様の体調不良からの家族離散生活は胸が痛む。この本が出版されるまでの滝沢さん一家の過程を知ると、余計にホロリとくるものがあった。嗚呼、良かったなぁと。また、若くして亡くなった同僚の話など、じんわり来る話もあって、切なくなったり....。
ゴミ清掃員さんたちのありがたみは皆さん日々感じていると思いますが、本書を読み終わると、あの過酷な作業を少しでも軽減できればいいなって気持ちにさせられます。出し方のちょっとした工夫で変わることも多々あるわけですしね。
みなさんの住んでいる地域のゴミ出しは、きちんと出来ていますか?ゴミの出し方ひとつでその地域の様子が解ると言っても過言ではないみたいです。うちのエリアは結構厳しいのですが、それでも勝手な出し方をする人もいる。特に粗大ごみの放置はねぇ。回収は有料なだけに質が悪い!
ということで、朝のゴミ出しも寒くて辛い季節ですが、きっちり分別して、清掃員さんたちに少しでも手間をかけないように励もう!....と、思ったのであります。
りすさんからのnext本
治安が悪く、荒れた土地には何が必要なのだろう。これはね、ある少女が撒いた種が、やがて大きな変化をもたらしたんだよ。素敵なお話なのでぜひ読んでみて。