(貨客船「ゆり丸」と、タレント「ゆり丸」コラボ)
終航 貨客船「ゆり丸」、23年間ありがとう
2021年(令和3年)10月26日(火)をもって、伊豆諸島開発の貨客船「ゆり丸」(469トン)引退。
「ゆり丸」は、1998年(平成10年)就航。
定期航路を持たない予備船として、伊豆諸島・小笠原諸島のローカル航路の様々な船がドック入りした際の代替船として活躍。
神出鬼没の幻の客船として、
貨物船スタイルの貨客船として、
小さな船で海況厳しい外洋を航行する船として、
船舶ファン等に人気があった。
伊豆諸島では、下田〜利島〜新島〜式根島〜神津島〜下田航路(神新汽船︰あぜりあ丸、フェリーあぜりあ)、八丈島〜青ヶ島航路(伊豆諸島開発︰あおがしま丸)、
小笠原諸島では、父島〜母島航路(伊豆諸島開発︰ははじま丸)、
さらに、鹿児島県の吐噶喇(トカラ)列島航路(十島村営船・フェリーとしま)等で、代替船を務めた。
また、本土(東京港辰巳埠頭、伊東港等)と伊豆諸島を結ぶ貨物船としても活躍してきたが、
老朽化により、23年の歴史に幕を下ろした。
引退前日の、2021年(令和3年)10月26日(火)の最終日は、ドック入り中の神新汽船「フェリーあぜりあ」に代わり、神新汽船の下田→利島→新島→式根島→神津島→下田航路を運行する予定だったが、低気圧による海況不良のため全島欠航となり、「ゆり丸」のニックネームを持つタレント・平野友里さんが一日船長を務め、下田港で式典と船内一般公開、試験航海等を実施。
「ゆり丸」の営業運行は、前日10月25日(月)の、神新汽船の下田→神津島→式根島→新島→利島→下田が最後になった。
引退後の「ゆり丸」は、国内の造船所で整備を受けた後、南太平洋のトンガ王国に譲渡される。
後継船「くろしお丸」は、来年デビュー予定。
2021年(令和3年)10月24日(日)、引退2日前の貨客船「ゆり丸」乗船
下田港(静岡県)
午前9時30分、下田港出港
下田湾内を航行
やがて、下田湾から大海原・太平洋へ。
外洋の波・うねりは1.5mから2mで、やや高い。
伊豆半島の山々
航跡を描く。
前方に、船が向かう利島が見える。
伊豆諸島の島々。左手前から利島、鵜渡根島(無人島)、細長い新島、平たい式根島、一番右奥は神津島。
向かい波の「ゆり丸」。
小さな貨客船はよく揺れるため、「ゆり丸」を「揺れ丸」と呼ぶ人もいる。
三角形の秘境の島・利島(としま)
島の大部分がツバキの木に覆われている離島
欠航率が高い利島港に、この日は条件なしで無事に入港・着岸。
午前11時05分、利島到着
桟橋に係留中も「ゆり丸」は揺れている。
利島は5分程ですぐに出航
午前11時10分、利島港出港。船は次の新島へ向かう。
「ゆり丸」の向こうに伊豆半島を遠望
※「ゆり丸」記事詳細版は、別途掲載予定。
「ゆり丸」✕「ゆり丸」
運行最終日の2021年(令和3年)10月26日(火)は、神新汽船「フェリーあぜりあ」の代役として、「ゆり丸」の最終営業運航日。
下田を出港し、利島〜新島〜式根島〜神津島の4島を巡る最後のワンデークルージングに、船名と同じ「ゆり丸」のニックネームで活躍しているタレント・平野友里さんがスペシャルゲストとして一日船長に就任し、最後の航海に華を添えるはずだった。
さよなら貨客船「ゆり丸」
しかし、運行最終日の2021年(令和3年)10月26日(火)は、低気圧による海況・港湾状況の悪化のため船は欠航。
営業運行は、前日10月25日(月)の、神新汽船の下田〜神津島〜式根島〜新島〜利島〜下田が最後になった。
2021年(令和3年)10月25日(月)夕方、伊豆諸島から戻ってきた貨客船「ゆり丸」
事実上の運行最終日となった2021年(令和3年)10月25日(月)は、下田→神津島(条件なし)→式根島(条件付き)→新島(条件付き)→利島(条件付き)→下田を運行。神津島以外は、港湾状況が悪い場合は抜港する条件付きの運行だったが、無事に全島就航した。
2021年(令和3年)10月26日(火)、「ゆり丸」最終日
最終日は、低気圧通過による海上大時化のため、「ゆり丸」は全島欠航。東京前夜発の夜行便の東海汽船「さるびあ丸」「橘丸」や、高速ジェット船も全島欠航となった。
「ゆり丸」✕「ゆり丸」最後のコラボ
運行最終日は、低気圧による海況悪化で、船が全島欠航となったため、「ゆり丸」が停泊している下田港で式典や船内の一般公開を行った。
船と同じニックネームを持つ「ゆり丸」ことタレント・平野友里さんが一日船長を務め、斎藤船長に花束を贈呈。
また、平野友里さんを乗せ、下田港外の下田湾を約30分間、試験航海。
下田港内を試験公開
23年間ありがとう「ゆり丸」
2021年(令和3年)10月26日(火)夕方、「ゆり丸」は下田港を出港し、東京港辰巳埠頭へ回航。同日深夜に東京港辰巳埠頭到着。
28日(木)深夜、東京辰巳埠頭を出港。29日(金)西伊豆の安良里の藤高造船に到着。ここで係船整備され売却準備されると思われる。そして、南太平洋のトンガ共和国へ譲渡されることになる。
後継の新造貨客船「くろしお丸」は、来年就航予定。
2021.10.26 貨客船「ゆり丸」終航
★動画↓↓↓
※一部画像は、東海汽船公式HP、東海汽船公式twitter、平野友里さんtwitterから引用
(終わり)