東アジア歴史文化研究会

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中国富裕層がいだく習近平への恐怖心 静かに外国パスポート取得が増えていた(宮崎正弘国際情勢解題)

2023-02-04 | 中国の歴史・中国情勢

ヘンリー&パートナーという合法的な企業がある。

何をする会社か? パスポートを売る。しかも合法的に。世界一強力なパスポートは日本。二位はシンガポールと韓国。判定基準はヴィザなしで世界の幾つの国へ行けるか、である。

だからと言って中国人が日本のパスポートを取得することは、日本人配偶者を見つけるか長期滞在以外無理である。なぜなら日本は二重国籍を認めていないからである。

ならばヘンリー&パートナーに依頼して中国人富裕層が取得するパスポートは豪や英国、米国のように人気があっても手続きが難しい国々と、当該国の不動産購入、あるいは一定金額を超える投資と付帯する雇用の保障などによって取得が比較的容易な国がある。

抜け道がバヌアツ、アンティグア・バアブダ、セント・ルシア、モンテネグロ、グレナダ、マルタなどである。たとえばバヌアツは3000万円以上の不動産投資でパスポートが取得できる。現地で聞くと巧妙な手口があって、1500万円でも取得可能という。だから目抜き通りの商店街の80%以上が華人経営、中華レストランとホテルは中国人だらけだった。

こうした方法で外国籍を取得した中国人は22年に10800人だった。これらを含む対外投資による外貨流出は1500億ドルだった。

資産5000万ドル以上と推定される大金持ちが中国に3・2万人いる(クレディ・スイス、22年8月調査)。くわえてゼロコロナからフルコロナに政策変更の中国では2023年に海外旅行外貨として2000億ドルが流れ出ると予測されている。表向き海外旅行はひとり一年間で5万ドルに制限されているが、地下銀行の動きが活発である。


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