抜釘手術とは | おかやま股関節Cafe

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既存の全国支部を展開する
某患者会のスタッフをしていましたが
患者会として発信してきた情報内容に
少々疑問を感じ数年前に退会。
基本的なことを中心に、
患者さんが本当に知りたいことを
出来るだけ分かりやすい言葉で
変形性股関節症と闘う方へ発信しています。

関節温存術を受けた場合

骨盤や大腿骨を切ったり位置をずらしたりした後、

ピンやワイヤーで固定します。

このピンやワイヤーは手術後、

切った骨がしっかりとくっついたら除去します。

この手術のことを、抜釘(ばってい)手術 と言って

個人差や病院にもよりますが約半年~1年後に行います。

術前

これは平成15年1月、私の手術前のレントゲンです。

病期は末期で、大腿骨頭が骨盤の窪みの

臼蓋部分に完全にくっついていたので

外反屈曲骨切り術 を受けました。


外転筋付着部分大転子を切り離して、

外転筋をめくり上げて(①)、股関節を露出させ

大転子付け根下部の外側をくさび状に切除します(②)

そうすることで大腿骨頭の角度を変えて、

臼蓋との適合性を良くする手術です。

良い位置に固定して。確認のために

手術中に撮ったレントゲン写真の、手術部分を

拡大した写真がこれです。


拡大


くさび状に切除した分だけ

骨頭の向きを変えて、長いネジ状のもので固定

ピンとワイヤーで、大転子を再度固定します。

実際、どんなものが使われるのか、

実物の写真があります。

ピン



これは、抜釘手術後に頂けました。

私は大転子部分が、ステロイド剤の影響もあって

脆くなっていたため、くさび状に切った骨片を

大転子部分に移植したため、必要以上にワイヤー固定されましたが

通常はもう少し少なめです。

病院によってはプレート状の金具で固定する場合もあります。


骨盤側の方も、切ってずらした部分を

長いピン状のもので留めます

私が大腿骨の手術を受けた病院では

術後、3ヵ月ほどは、体の外側に数センチ突き抜けていて

骨盤の接合がレントゲン上で確認できれば、

麻酔無しで簡単に抜去していました。

私はすでに昭和57年に骨盤側の手術を

別病院で受けていましたが

当時は術後は完全に下半身をギプス固定で

ひたすら安静を保ってくっつくのを待つという感じでした。

現在のようにずらした骨盤をピンで留めることはなかったため

骨盤側の固定ピンの映像は残念ながらありません。

丸3週間ギプス固定されて寝たきりだったのが

固定ピンを使うことで術後2日で車椅子移乗が可能になりました。

そう考えると、医療の進歩はすごいですね


抜釘手術は大概の人が受けますが

中にはそのまま入れっぱなしという方も居られます。

抜去するだけとはいえ、麻酔下での手術で

1~2週間の入院期間が必要です。

諸事情から手術を受けない選択もあるということです。

入れていることで何の弊害もないのなら

そのままでも悪影響はありません。

主治医と相談して決めるといいでしょう。