理事長を外部者に任せるには… | 廣田信子のブログ

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こんにちは! 廣田信子です。

 

小規模な高経年マンションでの役員不足は深刻です。

 

しかし、

標準管理規約の別添1にあるような、

外部専門家の活用事例のような形は難しく、

何とか手探りで方法を探している管理組合もあります。

 

今回、小規模マンションから相談がありましたが、

 

マンション管理センター通信 の2020、12月号

の記事が参考になると思い紹介します。

 

 

築47年、戸数45戸のAマンションから

「役員のなり手不足」のセミナー講師をした

マション管理士の方への相談です。

 

このAマンションは、以前から

「役員のなり手不足」に悩んでいましたが、

近年、その状況が深刻になって、どうにもなりません。

 

至急、

外部専門家を理事長として迎える必要があるとして、

その具体的対応は、

理事会に委ねる趣旨の総会決議を得ての行動です。

 

マンション管理士の方は、

急遽対応することになりますが、

大切なことをいくつか決めています。

 

1.外部専門家理事長の独断専行を避けるため、

  組合員によるしっかりした監視、チェック体制をとる。

 

2.安全性・継続性を担保するため、2名体制をとる。

  (もう一人、地元在住のマンション管理士を入れる)

 

3.まず2名は顧問として業務を行い、

  その業務の信頼が得られた場合は、

    外部専門家理事長に専任していただくこととする。

 

4.外部専門家理事長は理事会での議決権を持たないこと。

  マンション管理士は提案するが、

  マンションの方向性を決めるのは区分所有者であるべき。

 

5.外部専門家理事長は、金融機関の印鑑は保管しない。

 

 

以上のことを組合員に理解して頂き、

顧問契約を締結し、必要な規約改正を提案しました。

 

現在、その規約案について検討中と言うことです。

 

コロナ禍の中で、

検討を進めるのはたへんだと思いますが、

 

ここで、がんばるかどうかが

今後の管理組合運営に大きく影響すると思います。

 

もう、外部専門家理事長にすべて任してしまいたい…

という意見もある中、

 

自分たちの財産の管理は、

自分たちが決めなければダメだということを

理解してもらう努力を重ねています。

 

「役員のなり手不足」は、

特に、小規模な高経年マンションで深刻になっています。

 

小規模な、

危機感をもっているマンションは、

高齢化が進んだ、今ここでがんばると、

 

世代交代で、

次は若い入居者も増えることが考えられます。

 

ここでふんばることが大事だと私も感じます。

 

誰かに任せてしまおう…ではなく、

難しい提案は、専門家の力を貸りて、

自分たちも、関わっていこう…という気概が、

何名かの方にあることが重要なのです。

 

 

元理事長からのコメントです。

 

まずは、顧問に就任していただいて、

様々な改正等に手をつけて頂き、

急ピッチで進めています。

 

一時的に経費は増えますが、

外部専門家の元での経費節減にも期待を寄せ、

 

来るべき建替え

あるいは管理組合の解散という大きな問題に対しても、

外部専門家理事長の存在は欠かせないと考えています。

 

…と。

 

ここまで先のことを考えての検討です。

 

その思いが組合員に伝わることができれば…

と思います。

 

マンション管理士の方の対応も、

本当に管理組合のために何がいいか…に徹した考え方で、

このマンションに合っていると思います。

 

 

小規模な高経年マンションで、

外部専門家を理事長に…

と考える場合の参考になると思います。

 

お金を払って任せてしまえば安心…ではないのです。

それに、小規模なマンションでは、

そんなに大金を払えないはずですから。

 

マンションの最後まで思い抱いた組合員と、

それをサポートしたいと思うマンション管理士の方の出会いが

大事なんだと思いました。

 

 

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