ペトロビッチ体制5年目となった2022シーズン。
一時は残留争いにどっぷり浸かりながらも、昨シーズンと同じ10位でのフィニッシュとなりました。
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シーズンプレビューでしたためた通りの試練のシーズンとなった2022シーズンを振り返ります。
■6試合連続引き分けで始まった2022シーズン
2022シーズンは引き分けの積み重ねから始まりました。
開幕からの6試合連続引き分けはJ1新記録だそうで、簡単には負けないだけのチーム力が付いてきていることを示している一方で、これは昨シーズンからの課題である得点力不足が解決できていないことを示している結果であり、一つ歯車が狂うと一気に下り坂になってしまう危険性を秘めているのかな...とこの時から危惧しておりました。
■絶対的守護神への依存度が明らかになった3試合連続大量失点
そしてその危惧が現実になったのが、絶対的守護神としてゴールを守り続けていた菅野が負傷離脱したシーズン中盤のこと。
3試合で15失点という菅野への依存度が明らかになった第15~17節の3試合全敗からチームの状態は下降線に。
この3試合でゴールマウスを守っていた中野小次郎は、素人目にもGKとしての基本的な技術に課題があることが明らかで、菅野はもちろん、この後2ndGKの座を奪う大谷と比べてもその差は大きいように見えました。
■進んだ世代交代
苦しいシーズンではありましたが、その中で世代交代が進んだことが今後への光明でした。
福森、宮澤、荒野などのこれまでの札幌を支えてきた主力はベテランと言える年齢になり、怪我などもあってコンディションが整わないことが増え、出場機会を減らし、一方で加入3年目を迎えた大卒トリオ金子、高嶺、田中駿はチームの中心選手に。
札幌ユース出身の中村桐耶もトップ昇格4年目にしてようやく出場機会を得ることができました。
主軸としてはまだまだと言えますが、同じ3バックの左を務める福森とは違う良さを持った選手で、来シーズンの飛躍が期待される下地は築けたと感じています。
そして、今年1番の成長を見せたのが、3バックの真ん中に定着した岡村であることに異論はないでしょう。
速さ強さを兼ね備えた現代サッカーにマッチするCBだなと評価していましたが、一方でビルドアップ面に難があり、致命的なミスもあったりしてなかなかスタメン定着には至りませんでしたが、宮澤の離脱もあって出場機会を得ると最初こそはおぼつかない面が目立ちましたが、試合を重ねるにつれ安定感が出てきて、それにつれて自信がついてきたのかビルドアップでも時折効果的なスイッチとなるパス出しも出てきて、すっかり中心選手の貫禄すら出てきた印象です。
望みを言えばキリはないのですが、このまま怪我なくキャリアを積んでいけばこの先10年札幌の主軸として務めあげられる素材だと思っています。
一方で、今年思ったよりも...だった若手として二人上げたいと思います。
一人は小柏でもう一人は中野小次郎。
小柏は、出場した試合では戦術の核としてなくてはならない存在を示しましたが、度重なる怪我でシーズンのほとんどを棒に振ってしまいました。
彼のようなスピードタイプの選手は一度筋肉系やってしまうと癖になってしまうことが多い印象なので...まずは怪我なく一年無事に過ごさせてやりたいですよね...
大学在籍時から特別指定選手として試合に出場し、将来を嘱望された中野小次郎は正式加入後明らかに伸び悩んでおり、その理由はわかりませんが、自身のポテンシャルに甘えてしまい、ベース技術を磨くことを疎かにしてきたツケが出てきたのかな...と想像しております。
恵まれた体格に加え、その体格にしては足元の技術もしっかりしており、その将来性については疑いがないので、一度期限付き移籍で外部の空気を感じ、出場機会を得ることで経験を積んで欲しい選手かなと感じています。
クソンユンが加わる来シーズンは今シーズンよりさらに出場機会が減ることが予想されますしね。
■課題は解消されず残留争いにどっぷり浸かる
昨シーズンの振り返りでも触れた2つの課題、
・得点力不足
・選手層の薄さ + 怪我人の多さ
は今シーズン中盤を過ぎても解消されず、それにより思うように勝ち点を積み上げられず、常に残留争いを睨みつつの試合が続きました。
内容としては悪くなくても、この試合のように不運なゴールに沈みという試合も出てきて、今後の対戦相手を考えると星勘定的にホントに厳しくなってきたな...という流れを一変させたのが第28節、ホームでのセレッソ大阪戦。
内容的には双方さっぱりな中で、流れガン無視のゴラッソで先制され、もはやこれまでかという流れを、夏に加入したキムゴンヒ、スパチョークの活躍もあっての劇的逆転勝利。
後から振り返ってみればここでの1勝によりチームに勢いがついた印象でしたかね。
星勘定的に厳しいと思われたアウエー横浜F・マリノス戦で勝ち点1を持ち帰り...
ホームでの川崎戦で壮絶な打ち合いを制して、残留争いから大きく抜け出すことに成功しました。
シーズン終盤になっても怪我人こそ多かったですが、出てきた選手はコンディションの良さが目立ち、それにより札幌の持っているポテンシャルを出せたように感じました。
■マンネリズムと向き合う2023シーズン
今時点での報道を見る限りは来年もペトロビッチ体制継続となりそうです。
ベースとなるマンツーマンディフェンスが控えメンバー含めて浸透してきたことで、チーム力の底上げができてきていることを実感できている一方、選手個々の力に頼る面が大きい戦術であることも確かで、資金力に乏しい地方クラブである立ち位置も踏まえると限界点に達している面は否めず、ここからどれだけ積み上げていけるか、チームに変化をもたらしていけるかは若手の成長、これにかかっていると思います。
継続路線となれば6年目となるペトロビッチ体制での2023シーズンは、大枠は変わらず他チームの対策がさらに進む中で、マンネリズムとも向き合いながらの戦いとなりそうです。
資金力の面から、引き続き少数精鋭での陣容となるでしょうから、フィジカル面でのサポートを厚くすることで怪我人の多さを減らすことが賢明かなと。
北海道コンサドーレ札幌の2022シーズン最後の記事となりました。
皆さん、よいお年をお迎えください\(^O^)/(早過ぎw)
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