2017年8月16日水曜日

【Nikon1 J5】安易にミラーレス一眼に手を出して、散財と引き換えに手に入れたもの②

コンデジからミラーレス(Nikon1 J5)への乗り換えで色々と「お勉強」させていただきました

カメラと写真に関するテーマは「平日写真++」ブログへ集めることにしました。興味のある方は是非のぞいてみてください

コンデジから、安易な気持ちでミラーレス一眼へ乗り換えて気づいた「思ってたのと違う...」や「そうだったのか!」の第二弾です。


第一弾はコチラを御覧ください


③コンデジ並のズームを手に入れるのに、お高いレンズが必要だなんて思いませんでした。


Nikon1 J5ダブルレンズキットに付属しているレンズは2種類ありました。1つは10-30mm標準ズームレンズ、もう一つは18.5mm単焦点レンズ。ダブルズームキットを買うと標準ズームと30-110mmズームレンズが付属します。
※一眼のレンズ性能は焦点距離をmm単位で表します(焦点距離の変えられるズームレンズは「広角側焦点距離ー望遠側焦点距離mm」と表記)。

感覚的に、自分の買ったダブルレンズキットには望遠を堪能できるようなレンズは付いていないんだろうな...、とは思っていました。でも、コンデジ出身の自分には◯◯mmと言われても、それがどれ位ズームできるものなのか全くわからないのです。なぜ素直に「何倍ズーム」って呼ばないの?でないと買う前に比較検討できないじゃないですか...。


...で、そのレンズ倍率何倍なの?(コンデジ的に)

調べてみると、レンズの倍率は「望遠側の焦点距離÷広角側の焦点距離で計算」するらしいのです。...と、これがわかったところで更に混乱。
10-30mmのレンズなら望遠側30mm÷広角側10mm=3倍のレンズ 。
30-110mmのレンズなら望遠側110mm÷広角側30mm=3.66倍のレンズ。
...って、あまり変わらないじゃないの?!そんなものなの?

Nikon1用のレンズラインナップのページを見てさらに混乱。
超望遠と書かれた一番高いレンズで70-300mm(4.28倍)、高倍率と書かれたレンズで10-100mm(10倍)。いったいどちらの方がより望遠なのか。

基本的なことを知らないとこんなに混乱するのですね^^;;


一眼デューしたコンデジユーザー向けの結論。
計算は、常にそのカメラの「標準レンズの広角側」の焦点距離を分母にすべし。

Nikon1の「標準ズームレンズの広角側」は10mmなので...

10-30mm標準ズーム…コンデジ的1倍~3倍のレンズ
30-110mmズーム…コンデジ的3倍~11倍のレンズ
10-100mmズーム…コンデジ的1倍~10倍のレンズ
           ⇒1つのレンズで対応できる倍率の幅が一番大きいので「高倍率」レンズ。
70-300mmズーム…コンデジ的7倍~30倍のレンズ
           ⇒一番遠くまで見えるので「超望遠」レンズ。

コンデジはレンズ交換ができないので、最大望遠の焦点距離÷広角側焦点距離は常に一定です。なのでカメラ自体のズーム性能に「倍率◯倍」と書かれているんですね。逆に、一眼の望遠はレンズ次第なので、カメラ自体の性能にズーム倍率は表記されません。
あぁスッキリ。

これはカメラが変わっても使えるざっくりとした「コンデジ的倍率」確認方法です。
例えば、イメージセンサーの大きいEOSD6(フルサイズ)の標準レンズは24mm。一番安いレンズキットについている24-105mmのレンズなら、コンデジ的には1倍から4.37倍までズームできるということです。

厳密なところで間違いはあるのかもしれませんが、コンデジユーザー的に(一般人的にも)分かりやすいと思います。

一眼を使ったことのない知人や家族から「そのレンズごっついね。何倍なの?」と聞かれることがよくあります。そんな時「そもそも倍率っていうのはね」などと講釈を垂れるとただの面倒くさい人になってしまいます。そんな時はこの計算式で「大体10倍ぐらいですよー。」と答えてあげるのが良いのだと思います。


さて。
コンデジでバイクツーリングの写真を少しだけ格好良く撮りたいっ!」でも書きましたが、自分はツーリングバイク撮影の際コンデジのズームを多用してきました。ぼかしにくいコンデジで何とかボケ味を出したかったからというのが一つの理由ですが、同じことをNikon1でやるにはどのレンズを使えば良いのでしょうか。


EXILIM EX-ZR1600の仕様を見ると...ズーム倍率は光学ズーム最大18倍、プレミアムズーム(電子的な補完処理をするらしい)併用時36倍とあります。

...じゅ、18倍?36倍?!
コンデジズームって凄いんですね...。

レンズ本来の倍率である光学ズームの18倍だったとしてもとても大きな数字です。Nikon1レンズでいえば、望遠ズームレンズのコンデジ的倍率(100mm⇒10倍や110mm⇒11倍)を余裕で超えてきます。というか一番お高い70-300mm超望遠ズーム(コンデジ的30倍)でないと同様の望遠域に太刀打ちできないということになります。

いらっしゃらないかもしれませんが...もし「コンデジから一眼へ乗り換えたらもっとズーム能力がアップするはず」と考えている方がいれば、残念ながら「相当レンズにお金をつぎ込めばね...」ということになります。

奮発してEOS6Dのような大きなイメージセンサーのカメラを買った場合、コンデジ的18倍ズームを実現するためには標準焦点距離24mm×18倍=432mm 相当のレンズが必要です。きっとこのレンズのみで何十万円の出費を覚悟する必要があります...。

コンデジは「本格的なカメラの機能縮小簡易版」だというイメージを持っていましたが、ズーム倍率に関して言えばコンデジの方が圧倒的に有利なのだと知りました。

④レンズ沼などというものに引き込まれ、散財してしまうだなんて想定していませんでした。


自分がNikon1J5(Wレンズキット)用に、最初に追加購入したレンズが「6.7-13mm超広角」レンズです。

上記コンデジ的計算をすれば、超広角6.7mm÷Nikon1標準10mm=0.67倍。1倍を33%下回るので標準画角の3割ほど外側まで写し込める感じでしょうか。「これは絶対に手持ちのコンデジでは撮れない画が撮れるっ」。これまで撮れなかったものが撮れるようになるのは至上の喜びです。
※最近は超広角に対応したコンデジもあるようですが...


コンデジじゃ撮れない?超広角レンズの構図

早速試しに行ったのが東京スカイツリー...の足元でのバイク撮影。
遠くのスカイツリーを背景にしたバイク写真はよく見ますが、足元からの写真はなかなか見たことが無い。
スカイツリーに行かれた方はわかると思うのですが、近くに行くと写真を撮るのが難しいんですよね。てっぺんまで入れた状態で記念撮影をしようとすると、撮り手が地面に寝そべるか、階段の下から撮ってもらうか...といった感じになります。
あれをバイク撮影でやってみたい。できれば寝そべることなく。。

超広角なら出来ました。地面にカメラを置いてレンズ上向きでOK(こういう時にチルト式液晶は重宝します)。


スカイツリー単体ならば目線の高さからの撮影であっさりと全景を撮影できます。

街中には高速道路や高層ビルなど、画角の上部にインパクトを与えるオブジェがたくさんあります。バイクと一緒に超広角で写すと楽しそう。大黒ふ頭あたりのインターチェンジの下で撮ったらどうなるだろう...などと考えると早くツーリングに行きたくてうずうずしてきます。


「パースがつく」と呼ぶようですが、超広角レンズでは手元から遠方の一点へ向かってギューンと集約するラインが強調されます。この写真は自撮り棒を使ってもっと上から狙ったら田んぼのあぜ道や右手の林など、全体が一点へ消えてゆく構図になり、もっと面白く撮れそうです。

「レンズ沼」というものがあるらしく...

一眼を手にしたらハマるらしい「レンズ沼」。自分もしっかりハマりました。
気になり始め、Amazon欲しいものリストの値下がりや価格.com最安値をチェックし始めたり、ビックカメラの「分割金利当社持ちセール」などを見始めたら、きっとそれは終わりの始まりです。

自分の場合...

やっぱりコンデジでやっていた様なズームを使った撮影もしたくなり、標準域から10倍まで対応できて使い勝手の良い10-100mm高倍率ズームレンズを購入。


ラインナップの中で一番明るい(f値の低い=強いボケ味が出せる)レンズで、人物撮影で良く使われる32mm中望遠単焦点のポートレートレンズ


...そのうち...「どうせいつかは我慢できずに買ってしまうだろうから早い方がいい」などと心の言い訳を用意して買ってしまった70-300mm超望遠レンズ


「超広角を持ってるから不要でしょ?」と自分で言い聞かせていたのに、Amazonで実勢の半値以下で売られているのを見て、ダメ押しで買ってしまった10mm広角単焦点パンケーキレンズ


あれよあれよと集めてしまい、現在計7本。現在のNikon1用レンズラインナップの主だったところをコンプリートしてしまいました。カメラ本体と併せて中古の250ccネイキッドが買えそうなほどの散財です。
...いや、本気のレンズ沼にハマっている人からすれば、中古250ccネイキッド程度の金額でコンプリートできてしまうなんて、きっとお子ちゃまな世界。

揃えたレンズはそれぞれ個性が違います。一揃えできたことで、色々なシーンを試しながら「このレンズのこの設定だとこんな風に撮れるのか」と学ぶことができます。そんな贅沢ができるのもNikon1の良いところだと思います。


一通りレンズを揃えた後は...

いろんなフィルターを試したりしています^^;。取り敢えず大陸製のお安いものですが。
ステップアップリングを使えば、同じフィルターをレンズ径の小さなものにも取り付けられ、流用できるので随分と経済的です。


⑤撮影の荷物も手間も増えるだなんて考えていませんでした。


レンズやフィルターの手持ちが増えると当然カメラ関係の荷物が大きく重くなります。以前はカメラ1個で良かったのに...。

と言っても、Nikon1はイメージセンサーが小さい分レンズも比較的小型で済み、カメラバッグに全てを詰めて持ち運ぶことは一応できます(パンパンですが)。手持ちのレンズ7本とフィルター、本体と三脚を合わせても2kgと少しだと思います。


事前に撮影のイメージを持つ必要があるのか...


ただ、どこへ行っても7本のレンズ全てを使うわけではなく、使わないものを全部持ち歩くのも芸がない...というか何か格好悪い。なので、出かける前にどんな撮影をしそうか考えてチョイスするようになりました。

観光や散歩が目的で、スナップ写真的に撮るようなら基本はどれか1本のレンズを付けてカメラだけで出かけます。レンズ交換でガチャガチャしたくないので。

一人で街中へ出かけ、面白いものをスナップで撮りたくなりそうなら取り敢えず広角か標準の単焦点レンズを付けた状態でカメラだけ持ち歩く。

山道なんかの散歩で、鳥や花なども撮りたくなりそうなら高倍率ズーム付けっぱなし。

撮影目的で出かけるならばカメラバッグを持ち出しますが、目的が決まっているのでレンズやフィルター、三脚・一脚の要不要は自ずと絞られます。

500g級の望遠レンズは撮影距離を予測してどちらか一本に。
面白い構図が撮れそうな超広角もバッグに忍ばせます(たったの125gですが)。
画角的に使いづらそうで意外と楽しい画が撮れるのが中距離単焦点レンズも入れておきます。人の表情やバイクのクローズアップをとても良い感じで写してくれます。

撮り方も、以前は取り敢えずくっついたり離れたり、ズームでいろんな画角を試しながらたくさん撮って数撃ちゃ当たるでしたが...。今は割りと狙ってから撮るようになりました。たぶんズームに頼らなくても背景をぼかすことができるようになったからだと思います。

ただ、コンデジの頃と比べて、撮影にかける(かけたい)トータルの時間と手間は結局増えています。狙っているとは言え、今度は絞りやシャッタースピードなどを納得行くまで試したいので。。


⑥RAW現像などという「後から画像補正」のために、撮影データ容量がこんなに膨大になるだなんて思いもしませんでした。


RAW現像という言葉は以前から知っていました。「要は画像補正でしょ?」という感じで思っていました。PhotoShpやGIMPを使った画像補正は以前からやってきたのでおおよそのイメージは掴めているつもりだったのですが、本来撮影時に行う設定(ホワイトバランスや露出補正、レンズに応じた歪み調整など)までできるとは思っていませんでした。

撮影におけるこのあたりの設定ミスを、時間を遡ってやり直せるような感覚です。
...ですが、ファイルサイズが大きい。。

1枚につき、FineモードのJPGファイル(9MBほど)に加え、倍以上のサイズのRAWデータ(20MBほど)が保存されます。
1日で100枚撮ったとして、約30MB×100枚で3GB。10日の撮影で30GB。

microSDカードもさることながら、保存用のハードディスク容量もキツイのです。
自宅では、テラバイトクラスのハードディスクをネットワークに繋いでいますが、333日でいっぱいになってしまう計算。もちろん動画なども保存しているディスクなのでそんなに空いているわけではなく...これはうまく整理してゆかないと大変なことになってしまう。

⑦コンデジからの乗り換えで、散財と引き換えに手に入れたもの

それは…何でしょう。自分でもよく分かりません。

設定を色々試せる楽しさ?
それはそうですが、今逆にコンデジの制限された設定手段の中で以前より上手く撮ってみたい欲もあります。

ズバリ不便を手に入れた?
それもそうです。利便性は確実に失った気がします。

物欲の渦に巻き込まれただけでは?
これも当たりです。もっと何かないかとアンテナを張ってしまいます。

センサーが大きくてズームもスゴイ高級コンデジにすればもっと安くで色々出来るよ?
なぜだろう…そこには興味が無いのです。

…分かったような気がします。
多分バイクと通じる楽しい何かを手に入れたのです。
ズバリ不便で操作も複雑、雨風に弱く暑くて寒い。パーツや何かを次々買い足したい欲に囚われ、
同じバイクでも利便性だけを追求したものには興味がわかない。

多分これですね。いや、絶対そう。

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