【Fight & Flight…どちらも許容しないこと】
ご覧いただいてありがとうございます。
今週末は知り合いを含め、犬連れの方と多くの時間を共にしました。
そこで改めて感じたのですが、ほとんどの皆様「愛犬の起こすFightとFlight、いずれかを許容してしまっている」…これがいわゆるBadなしつけになるひとつということです。
ここでいう「しつけ=教育」で、きちんと評価(フィードバック)する事、そしてその中身に一貫性を持たせさえすれば多くの犬は従順(素直)で社会的に振る舞う事が出来ます。
世界的著名なドッグトレーナーであるシーザーミランがよく言うのは、何か具体的な対象や物事に犬が対峙した際
「Fight」or「Flight」のどちらの選択も許容せず
「surrender」のみOKという事に犬が気付く
ように働きかけをしていて、これが犬に対する姿勢としての基本です。
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~Fight・Flight・surrender…各々、個人的に解釈した内容~
Fight:ファイト…戦う。ここでは「抗う」というニュアンスで私は解釈している。
よくあるのが対象に発砲的に怒りながら吠え立てる…心理的に不安⇒怒りになっている訳ですが、場合によってはその対象が飼い主様の場合もある。
いわゆるこれがFightです。
画像はお借りしました
一般の飼い主様の中では、これに関しては叱ったり止めたりを試みるシーンはあるものの、飼い主側は傍観しているだけで、犬がFightし続けているのに終始したままという事例も少なくない。
小型犬でも中型犬でも、Fightの度合いが強い場合、周りに与える影響も応じて大きくなりますのでこれに関しては私も実際に指摘させて頂く事があります。不適切だからです。
後述するsurrenderの感覚に普段から生活の中でさせる機会が極めて少ないというのが理由の場合も多いものです。
Flight:フライト…飛び立つ。ここでは「そこから勢いよく逃れる」というニュアンスで私は解釈している。
これに関しては、飼い主様は同情という名の優しい気持ちにより、容認するどころか後押しさえしてしまっているケース、私が思うにこれはかなりの割合で該当すると思います。
逃げ癖…いうなれば極度の食わず嫌いを常に容認していると、ずっと不安で自信のない一生を送らせてしまう事になってしまう。
また、私はFight & Flightをコインの表:裏と同じと理解しています…もし、いつでもFlightを容認してしまうと根本的に自信が根付きませんので、何かにつけキレ易く(抵抗し易く)、メンタルが不安定だったり、許容域の狭い犬になりがちです。
ここで犬が本能的に選択するFightとFlight…どちらも教育的視点で見た場合は不正解で、飼い主(管理する者)としてどちらも容認したらダメです。
犬に認める唯一の正解、それは
surrender:サレンダー…降伏・降参。ここでは「抵抗せず素直に受け入れる」というニュアンスで私は解釈しています。
誤解しないで頂きたいのですが、無理強いする・高圧的に言う事を聞かせる・その対象をいきなり好きにさせようとする…降伏・降参というと敗戦国である日本人の無意識の感覚で首根っこをつかんで無理強いするようなイメージではないでしょうか?それは違います。
心優しい女性の犬の飼い主様はどうもそういうイメージになりがちな気がします。可哀想で出来ない、少しも厳しく出来ない、だから容認してしまう。
その結果、甘やかされていてすぐにイヤイヤとダダをこねる(それで済むと学習している)、自信がない(確信が出来ない)、許容域の狭い犬に育ててしまう。
確かにどうしても苦手なもの、不慣れなもの、不安を抱きやすいものというのは人間社会の中ではよくある、犬は動物なのです…身の危険を感じるものに対してリアクションを起こすのが普通ではありますが
一定距離を確保し、その子の平常心の域内を保ちながらその対象を視認する
※欲を言えばその対象の匂いを嗅がせ犬自身に確認(納得)させる
ここから始める事を基本にしなきゃいけない。
視認なんで簡単に見えるかもしれませんが、習慣化するには今回のFight & Flightのどちらも容認しない理解・姿勢、愛犬に素直(柔順)でないと人間から受け入れられないと理解させる事、同情・感傷が過ぎない様にする事…人間側に不可欠となる心構えがあります。
おそらくこれが自分の子供(人間)だったらそういう風に育てられる方が多いと思うんですけどね…多くは犬(愛玩物)だから、頭で分かっていてもそういう心構えを持てない方がどうしても多い、これは仕方ない事と私も思います。
でも、それが出来れば理性的になれる範囲の広い犬に育てる事が誰にでも出来るものと私は思うんですけどね、実現には程遠い。
ではまた!