さて、いきなり意味不明な表題だが、千葉工業大学と科学者に告ぐで検索をかけてみて欲しい。
そうすると、黒地に濃い赤色の文字で書かれた一連の文章を見つけることが出来ると思う。
これは、5月15日の産経新聞の、後ろの方に出ていた広告だ。(他にものっていたらしい)

まず何よりも、黒地に濃い赤色の文字というのがいただけない。
インパクト自体は強烈だが、一目見た時の印象はかなり否定的なのでは無いだろうか?
更にとても読みにくい。
これを作った人のセンスを疑う。

さらには、書いてあることもかなり意味不明だ。
科学者に告ぐと書かれているので科学者に当てた文章なのだろうが、何を訴えているのかが分からない。
これは、俺の読解力が無いからなのか、科学者では無いからなのか、判断できないが、訴えていることを俺が理解できないと言う事だけは確実だ。

いや、訴えていることが理解できないというわけでは無い。
訳では無いが、これを読むと、どうしても、科学者に全員死ねと訴えているように見えてしまう。

そもそも、あらゆる技術は軍事転用できる。
もっと言えば、現代で俺達を快適に生活させてくれている品物の多くは軍事用から出てきた物が多い。
有名なところを上げただけでも、コンピュータ(弾道計算機が出発点)、自動車(馬を使わない輸送手段として開発)。
飛行機自体は趣味的なところから出発したが、ジェットエンジンは第二次大戦前に高速飛行のために開発が始まっている。
インターネットは、半分が軍事用の通信手段で、半分は天文学の研究手段。(俺の認識が正しいのならば)
逆に、民間から軍事転用された物も多い。
さっき出てきた飛行機や電話などがぱっと思い浮かぶし、ガラスから派生したレンズなど軍事には欠くことが出来ない物だろう。
真偽のほどは分からないが、家電用の電子機器で兵器を動かしているという話も聞く。
科学者や技術者を全員殺さなければ、科学技術の軍事転用は無くならないだろう。
いや、科学技術が無くなっても戦いは終わらないだろう。
そうで無いと生きて行けないのだ。

更に言えば、道具は人を殺さない。人が(道具で)人を殺すのだ。
それはもう科学者が云々では無く、政治家や経営者の領分の話だろう。

更に問題が有る。
この広告で人間の幸福と世界の平和のために科学をつかえと主張している。
人間(個人)の幸福とななんだろうか?
もしかしたら、誰かを征服することで幸福感を得る人がいるかもしれない。
その人にとっては、間違いなく兵器を使って征服することが幸福であり、そのためにこそ科学は使われるべきなのだろう。

いや、分かっている。
俺の独断と偏見と邪推と、曇った眼が絶叫している。
ただ単に(日本の)軍事研究に関わるなとそう主張しているのだと。
ロシアのウクライナ侵攻で軍事研究への抵抗感が薄くなっていることを理解しているのだろうと。
それを理解した上で、それでもなおここに書きたいと思った。

こんな読みにくい広告に多額の費用をかけるんじゃ無い。
この広告を作ったやつの、センスのなさはいかんともしがたい。
人間工学とか、色彩工学とか、広告工学とか、そういう使いやすくしたり読みやすくしたりする学問は、千葉工業大学には無いのだろうか?

ああ、珍しく(俺にとっては)時事ネタだった。


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