サキさんの介護日記     (若年性認知症の妻との記憶)

若年性認知症の妻。今までの介護の記憶と、現在の様子を気分のままに書いていきます。

サキさんとワンピース

2021年09月03日 17時21分30秒 | サキさんとの記憶
 仕事を終えて帰宅する。
「ただいま」
「お帰り」夕食中のサキさんと子供たちが迎えてくれる。

その時テレビでは、初めて見る【アニメ】がやっていた。
「これ、面白いのよ」

今から二十数年前の話だ。ちょうど自宅を新築中で慣れない借家住まいの時のこと。
「この子がね、強くてかわいいの。ゴムゴムの~~」と言っておどけるサキさん。

 これが、私と「ワンピース」との出会い。それからは毎週、放送日には(たしか当初は土曜日の7時から放映していたような)早めに帰宅し、家族そろってみんなでテレビでワンピースを見るのが恒例になっていった。

 とても楽しい、家族団らんの思い出だ。

 でも、途中からサキさんは話の流れについてこれなくなっていた。長年の放映で多くなりすぎた登場人物を把握できなくなってきていた。ナミさんや、ゾロ、サンジ、ウソップ、チョッパーといった初期のメンバーはもちろん最後の方まで理解していたけど・・・。
「出てくる子、多すぎるわ。わから~~ん。」
そう言って、ちょっと怒ってた。

認知症と診断される、少し前の話です。


そして、今日、そのワンピースの単行本の100巻が発売されました。

舞台は、ワノ国、鬼ヶ島。巻の最初の登場人物の紹介ページは4ページ。たくさんの登場人物と、パッパッと変わる場面展開でスピーディーに話が進んでいきます。

きっとサキさん、これ見たらまた怒ると思います。
「誰れ、これ。味方なの?敵なの? も~~わからん」

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